テレビの天気予報、日曜日は全道的にお日様マークが輝いていた。
それを見ると家に篭っているわけにもいかず、急遽ニセコキャンプへ出かけることにする。 午前中のかみさんの用事が済むのを待って、家を出たのは1時過ぎ。
昼食もまだ食べていなかったので、高速道路の金山パーキングエリアに立ち寄る。
普段はこんな場所で食事をする気にはならないのだが、かみさんの「味噌ラーメンが美味しいらしいわよ」との出処不明の情報を信じて、食べてみることにしたのだ。
私はその情報を鵜呑みにして味噌ラーメンを、かみさんはメニューの中から昇龍麺を注文。
そのお味は、味噌ラーメンは普通、食べるのならば昇龍麺、何だか騙された様な気分でニセコを目指した。
国道393号経由で倶知安町までやって来ると、天気は薄曇なもののニセコ連峰の上にだけ雲がかかっていた。
その光景が去年のニセコキャンプの事を思い出させる。
そう言えば去年のニセコキャンプも同じような時期だったはずである。
秋を感じさせる空は、最近の我が家を何となくニセコへと向かわせるのかもしれない。
ニセコ野営場に到着すると、さすがにその時間では既にテントも沢山張られていて、勿論我が家が狙っていたサイトも既に埋っていた。
それでも一番奥の去年テントを張ったサイトは空いていたので、迷わずにそこに決める。
駐車場から距離も遠く、見晴らしも利かず、何の取り得も無いサイトだけれど、周りを気にせずに静かに過ごせる場所なのである。
天気予報では午後から晴れてくるはずなのに、そんな様子は全く感じられない。
晴れていれば夕日の沈む時間帯に合わせてイワオヌプリに登り、その山頂からニセコの夕景を楽しむつもりだったが、それは諦めて設営が終わったところでサッサと登り始めることにする。
イワオヌプリには最近は冬に登っているけれど、雪の無い時期に登るのは17年前の息子と一緒の初登山以来である。
石の階段とそれに続く急な丸太階段、そして岩がゴロゴロとした急な登山道と、いきなりの急登で汗が吹き出てくる。
しばらくなだらかな道が続いた後は、いよいよ山頂へと続く岩登りが始まる。
7才の息子と一緒にここを登った時は、この登りで息子がばててしまい、山頂到達を諦めてしまった。
冬に登った時は、急斜面の真ん中でかみさんが倒れこんだまま身動きできずに固まっていたこともあった。
そんなことを思い出しながら、すんなりとその急な斜面を登りきる。
そこから先に広がるのは、草木のほとんど生えていないイワオヌプリ独特の荒涼とした火山の風景だ。
ゾクゾクする様な美しさである。
火口の跡を大きく回りこみながら山頂を目指す。
キャンプ場は賑わっていたけれど、この時間になると山の上には他の登山者の姿も無く、そこの景色を独り占めした気分だ。
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