腹を満たして、キャンプ場に到着。何時ものように、サダ吉会長が2連結のビッグタープを張って、スペースを用意してくれている。
湖畔キャンプ場の一番端、団体利用時だけ開放される場所を、今回はクラブで借りているのだ。
トイレや炊事場からはかなり離れてしまうけれど、他のキャンパーに気兼ねする必要が無く、それにカヌーで遊ぶにはこの付近が一番舟を出しやすい。
それに水際に一番近くテントを張れるのもここなので、団体専用サイトとは言いながら、なかなか快適な場所である。
最初に出迎えてくれたのは、この付近に住み着いているコブハクチョウだった。
餌をねだっているのか、妙に馴れ馴れしい。それでいて、こちらが近づこうとすると口を開けて威嚇してくる。
あまり可愛い奴とは言いがたい。
それに、会長の話では、この付近にウンチをまき散らしているらしい。
それはとても鳥のウンチとは思えない代物で、大きくて太くて、知らない人はそれを犬、それも大型犬のウンチだと信じ込んでしまうだろう。
晴れてはいるけれど、風が強い。
後ろの山側から吹いてくる風なので、湖面には細波が立っている程度だが、多分湖の対岸では、海のような波が打ち寄せていることだろう。
風が少し弱まった頃合を見計らって、自分達のテントを設営する。
例会キャンプでは、殆どの時間はタープの下ですごし、テントは寝るときにしか使わないのだけれど、朝起きてテントの入り口を開けた時の、目に飛び込んでくる景色を想像しながらテントを張る場所を選んだ。
もちろん、ハクチョウのウンチが回りに落ちていないことも条件の一つである。
今日の天候のせいなのか、一般のサイトの方にもテントはまばらである。
ここのキャンプ場にはクラブの例会でしか泊まったことが無いけれど、キャンパーの少なくなる今の季節に、我が家だけで眺めのいい場所にポツンとテントを張ってみたいものだ。
タープのポールを利用してススキを飾る。
これは良かったけれど、かみさんがスーパーで買ってきたお月見団子セットは、ちょっと無粋だった。
やっぱり団子は、あくまでも団子でなければならないのである。
ポツリポツリと人も集まってくるが、この風では誰もカヌーには乗ろうとしない。
もっとも、風が吹いてなかったとしても、ガツガツとカヌーに乗りたがるような人はクラブの中にはあまりいないので、状況に変わりは無かったと思われる。
いつの間にか東の空には、真ん丸いお月様が浮かんでいた。
風も弱まって、今夜は良い月夜になりそうだ。
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