カヌークラブ6月例会での宿泊地は「きのこの里愛別オートキャンプ場」である。
例会の際は、我が家が普段利用しないようなキャンプ場にも泊まれることがあるので、なかなか楽しい。
ただ、川を下った後にキャンプ場入りすることが殆どなので、到着も遅くなり、キャンプ場そのものをゆっくりと楽しむ余裕がないのが残念である。
今回も白滝村の支湧別川を下り、その後で愛別町の協和温泉に入って、キャンプ場に着いた頃には既に午後6時を過ぎてしまっていた。
この、温泉だけれど、本当は白滝グランドホテルの温泉に入るつもりでいたのが、ここが閉鎖されていたので、仕方がなく協和温泉に変更したのである。
白滝村(現在は遠軽町に合併)は白滝高原キャンプ場にも何度か泊まって、温泉も利用したことがあり、何となく好感を持っていた土地であっただけに、温泉が閉鎖され、北大雪スキー場も風前の灯で、次第に寂れていく様子が残念で仕方がない。
これで、旭川紋別自動車道が白滝村の先まで開通してしまったら、ますます誰も見向きもしない土地になってしまうのではと、とても心配になってしまう。
協和温泉を出る頃からポツポツと雨が降り始め、キャンプ場に着く頃には弱いながらもまともな雨降りになってしまった。
先週の焼尻キャンプに続いて、これで2週連続で雨の中のキャンプである。
かみさんが出かける前に「私達って雨男と雨女なのかしら?」と言っていたけれど、さすがにこれは私達夫婦のせいではないだろう。
我が家のキャンプに合わせて雨が降っているわけではなく、週末に雨が降るパターンがしばらく続いていて、6月に入ってからは太陽の姿を見るのさえ珍しい状況になっているのだ。
サダ吉さんが、駐車場に隣接するキャンピングカーサイトを確保して、何時もどおりにビッグタープを張ってくれていたので、そんな雨も大して気にはならない。
我が家はフリーサイトにテントを張ることにする。
フリーサイトの料金システムは、テント一張り千円。できれば、一人当たりの料金システムに変えてもらいたいものである。
普通に考えても、10人用テントと1人用テントが、何人で利用しても同じ料金なんて、納得がいかない。
しょうがなく、何時もならば別々にテントを張るところを千円が惜しくて、窮屈なのは我慢して私のテントに二人で寝ることにした。
駐車場から急な階段を下りたところがフリーサイトである。
一般のお客さんは車で裏に回って、そこからリヤカーで荷物を運ぶようになっているけれど、我が家の荷物は小さなテント一つと、背中に背負ったザックだけ。
駐車場に隣接する炊事場の中でテントを組み立て、そのままフリーサイトまで持って降り、後は好きな場所にポンと置くだけ。
この手軽さを味わってしまうと、オートキャンプの装備を汗だくになりながら運ぶようなキャンプには、もう戻れないかもしれない。
それでも、宴会場のビッグタープまでは、一揃いの荷物を運ばなければならなかった。
既に薄暗くなっているので、かみさんは直ぐに夕食の準備を始める。 他のメンバーはまだこれから荷物を運ぶところだ。
忙しそうにしている他の人には申し訳ないけれど、私ができることは、後はビールを飲むだけ。
支湧別川の激流に翻弄され、温泉であったまり、そしてやっと口にできる冷えたビール。
至福の一時である。
やがて何時もどおりの楽しい宴会が始まる。
先月の沙流川例会では、ビッグタープもビニールの4面張りで囲われていたが、6月に入るとさすがにその必要も無くなる。
これが嬉しいのは、タープの中で焚き火をしても人間燻製にならずに済むことである。
何時もの我が家のキャンプでさえ、家に帰った後は焚き火臭くて閉口すると言うのに、周りを囲まれたタープの下で焚き火の煙に燻されていたら、冗談ではなくて、人も服も本物の燻製になってしまうのである。
雨降りにも係らず、キャンピングカーサイトには他に2組のファミリーが泊まっていた。
次第に大きくなってくる私達の笑い声や話し声が、彼らの迷惑にならないかと気にしていたが、今夜はそんな心配は無用のようである。
道路を挟んだキャンプ場の向いには水田が広がっていて、場内には池もあり、石狩川が近くを流れ、そして雨模様の天気。
元気一杯なカエルの鳴き声に、キャンプ場はすっぽりと包まれて、タープの下から少し離れると、そんなカエルの声しか聞こえない。
昼間のハードな川下りで疲れているのか、11時前には宴会も自然とお開きになり、各々のねぐらである車やテントへと帰っていく。
私の新しいテント、MSRの「ハバハバHP」を二人で利用するのは初めてだったけれど、耐えられないほどの窮屈さでもなかった。
ミニマム装備のキャンプならこのテント一つで間に合いそうだが、私の鼾がうるさいからとかみさんは自分専用のテントで寝たがるし、私だって、一人で大の字になって堂々と鼾をかきながら寝ていた方が良いので、我が家のキャンプでは少々無理をしてでも、二つのテントを持ち歩くことになるのである。
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