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桜に囲まれ沙流川キャンプ

沙流川キャンプ場(5月9日〜10日)

 カヌークラブの例会で泊まる沙流川キャンプ場。
 これまでにも何度か、その中を歩いたことはあるが、泊まるのは今回が初めてである。
 日高町の市街地から徒歩圏内に位置しているのに、場内は木々に囲まれ、とても落ち着ける雰囲気のところだ。
 その中でも奥の方のオートサイト部分は、環境も良くて、以前からそこにテントを張ってみたいと考えていた。
 でも、今回は例会キャンプなので、駐車場の隣りのフリーサイトに大型タープを張ることになり、我が家のテントもその近くに張ることになりそうだ。

三吉神社跡の桜 既に桜の散ってしまった札幌を出発し、高速に乗って夕張インター付近までやってくると桜の花が目立つようになってきた。
 札幌では既に散ってしまった桜も、この付近ではちょうど今が満開を迎えている様子だ。
 今年のGWは十勝と札幌で満開の桜を楽しみ、そしてここでまた満開の桜との再会。
 今年の桜は花付きも良く、本当に美しい。
 その桜の花に吸い寄せられるように、夕張市紅葉山を過ぎた先の楓の集落付近で国道から外れて脇道へと入った。
 桜の花でピンク色に染まっている場所を目指して車を走らせていると、小さな広場のような場所に出てきた。
 何本もの桜の古木が、その広場を覆うように枝を広げている。なんだかとても不思議な空間だった。
 後日、地形図で確認してみると、私達が訪れた場所には三吉神社と書かれてあり、それでようやくその場所の意味を知ったのである。
 山を越えて日高町に入ってくると、そこでも桜が満開になっていた。
 町のいたる所がピンク色に染まっている。
 こんなに桜の美しい年に、車での移動途中にその風景を楽しむだけで殆ど終わってしまうのが何とも勿体無い気がした。
 時間があれば、桜の花だけを目的にもっと色々な場所を尋ねてみたかったものである。

ビッグタープ キャンプ場に到着すると、何時もの例会キャンプの時と同じく、サダ吉さん夫婦がビッグタープを既に張り終えているところだった。
 場内でも、あちらこちらで桜が花盛りである。
 まずは、自分達のテントを張る場所を探すことにする。
 今回のキャンプでは、先日買ったばかりのザックに自分のテントやシュラフ一式を詰め込んで、それぞれで持ち運びするようにしたので、車から設営場所までの荷物運びと言う重労働からほぼ解放され、自由に好きな場所にテントを張ることができる。
 とは言っても、クラブのタープからあまり離れてしまうのも不便で、寝るためだけのテントなので適当なところで妥協することにした。
 できれば満開の桜の木の下にテントを設営したかったところだ。
 そして今回のキャンプでもう一つ新たにデビューしたのが、私用のMSRのテント。
 一応はソロ用のテントだけれど、我が家がこれまでに購入したテントの中では、ダンロップの大型テントに匹敵するような価格なのが信じられない。
 これからこのテントで幾つの夜を過ごすことになるのか、とても楽しみである。


我が家のテント   我が家のテント

 今日はミニ例会で沙流川下流部を下ることになっていたが、予定時刻までに集まったのは僅か8名だけ。
 雪解け水でかなり増水しているとの情報があらかじめ流されていたので、敬遠した人が多かったようだ。
 頼りになるカヤックスペシャリストの皆さんは別の川に行っているので、このメンバーで増水した沙流川を本当に下れるのか、皆不安な表情を浮かべたまま、キャンプ場を後にした。

 増水した沙流川に翻弄され、予定以上に時間を費やして、再びキャンプ場に戻って来た時は
 既に午後5時近くになっていた。
 他のメンバーも既に到着していて、気が早い人は既に肉でも焼き始めているだろうと思っていたのに、ビッグタープの中はもぬけの殻。
 どうやら皆、隣接の温泉に入りに行ったようだ。
タープの下で 歩いて行ける場所に温泉施設があるのも、このキャンプ場の魅力の一つになっているが、川下りで疲れきっているので、それも面倒くさく、直ぐにビールを飲み始めることにした。
 結局この日集まったのは別の川を下っていたメンバーも含めて12名だけ、その中の一人は今年から町内会の班長になってしまったため翌日の町内会清掃に出なければならないと、とても残念そうに帰ってしまった。
 私も今年の3月まで2年間、町内会の役員をやらされていて、同じような経験を何度もしているので、その気持ちがとても良く分かる。
 いくら町内会などの付き合いも大切であると言われても、たった30分ほどで終わる公園清掃のために、楽しい休日を丸一日潰されてしまうなんて、とっても理不尽な話である気がしてならない。
 何時もの例会と比べるとちょっと寂しいけれど、お馴染みのメンバーでリラックスして飲み食いする。
 時折強風が吹きつけ、4面張りのビニールを大きく揺らすけれど、サダ吉さんが張ったビッグタープはビクともしない。
 二人連れの男性キャンパーが、縁日の露店と勘違いして入ってきて、そのまま一緒に飲んだりしながら、明日の川下りに備えて11時頃にはお開きとなる。

朝の風景 マイテントの中で、時折テントを叩く雨音に起こされたりしながらも、前日の川下りの疲れも殆ど取れて、気持ちよく目覚めることができた。
 夜中の雨でしっとりと濡れた場内に朝の光が射し込み、気持ちの良い朝である。
 場内を一回りしてみる。
 昨日まで満開だった桜が、夜中の雨と強風のために少し散り始めたようだ。
 こんなに良い季節なのに、オートサイトには数組のキャンパーが泊まっているだけである。
 所々に、林の中が未整備のまま残されている部分があり、そこではエゾエンゴサクやイチゲ類がびっしりと花を咲かせていた。
 その直ぐ脇までテントサイトが迫っているので、そこにテントを張れば自然のお花畑が広がる風景を目の前にできる。
 私個人の趣味でいえば、ここは道内のキャンプ場の中でも相当にポイントの高いサイトと言えるだろう。


素敵なサイト

春の野草が咲き誇る
桜の咲く場内   桜の咲く場内

沙流川の様子 そのまま沙流川の堤防上の道に出てみた。
 今日、これからカヌーで下ることになる雪解け水で増水した沙流川が、轟々と音を立てて流れている。
 下流の方に白波の立つ場所が見えたので、そこまで近づいてみると、その瀬の迫力に足がすくんでしまった。
 その瀬の中で自分達が下るチキンルートを頭に思い描きながら、テントまで戻ってきた。

 朝食を終え、テントを片付けて、いよいよ川下りへと出発。
 果たして、もう一度このキャンプ場に戻って来られるかどうか、本気でその事だけが心配だった。


桜の咲く場内

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