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恒例支笏湖納会キャンプ

ポロピナイキャンプ場(10月4日〜5日) 

 カヌークラブの納会が支笏湖のポロピナイキャンプ場で行われる。
 我が家はフウマがいるので、団体キャンプへの参加は見送ろうと考えていたけれど、サロマ湖キャンプ時のフウマはテントの中でただ寝ているだけだったので、これならば問題ないかもしれない。
 今年一杯で閉鎖されてしまうポロピナイなので最後にもう一度利用したかったし、クラブのキャンプにも今年は殆ど参加していなかったので、最後の一度くらいはと考え、カヌー道具や、焚き火用の大量の薪や、水上運動会の後に皆で食べるうどんの材料で満杯になった車にフウマを乗せて札幌を出発した。
 カヌークラブの納会は3年連続でポロピナイで行われているので、ここでのキャンプも3年連続になる。
 今年は例年より納会が1週早いので、支笏湖へ向かう途中に見る紅葉もようやく色付きはじめたばかりの様子である。
 キャンプ場手前の園地は、2年前に火災で焼失した休憩所が湖畔側に移動して新しく建て替えられ、ちょっと雰囲気が変わっていた。
 相変わらず観光客で賑わっているそこをサッサと通り過ぎて奥へと進む。
 受付を済ませて、入り口の鎖を開けてくれる管理人のおじさんに閉鎖の話しを聞くと「来年は日帰り客だけを受け入れるとの話も出ているけど、どうなるか分からない。役所のやることだから!」と吐き捨てるように言っていた。
 一体どうなっているのか、帰ってから調べてみたけれど「千歳市が環境省に園地整備を働きかけている」程度のことしか分からない。
 「観光事業者と協働で観光のニーズに対応した観光地作り」
 これを聞いても私達キャンパーにとって良いことはあまり無さそうだ。
 「ポロピナイ地区には未整備の部分も残され」とも書いてあったけれど、その未整備の部分が多分キャンプ場のことなのだろう。
ビッグタープ 確かに中に入っていくと、ごつごつした石が所々で土の中から頭を出し、車の腹を擦らないように気をつけて走らなければならない未整備の広場が目の前に広がる。
 風が強くて湖面は波立ち、殺風景な場内に寒々とした気持ちになってしまうのは何時ものことだった。
 柔なキャンパーを受け付けないような荒々しさ、これがここのキャンプ場の魅力なのでもある。
 その寒々とした広場の片隅に、昨日から現地入りしていたS吉会長がビッグタープ2連結4面ビニール張りの宴会スペースを用意してくれていた。
 このおかげで毎年、10月のキャンプにもかかわらず暖かく過ごすことができる。本当に頭を下げるしかない。
 我が家のテントを何処に張ろうかと考えたけれど、今回はフウマを連れているので時々様子を見なければならず、宴会スペースからあまり離れられない。
我が家のテント 湖畔のめぼしい場所は既に先客に占められ、去年テントを張った広場の丘の頂上ではタープから少し遠すぎる。
 場内を行ったり来たりしながら、結局広場の隅の方にポツンとテントを設営した。
 どうせ寝る時しか使わないテントなのだけれど、その張る場所にはどうしてもこだわってしまう我が家なのである。
 自分の家が完成したフウマは、安心して直ぐにその中でゴロリと横になった。

 クラブのBBSで入会希望の書き込みをされていたU田さんが遊びに来ていた。
 想像していたよりも年配の方だったので驚いてしまう。
 フォールディングカヤックを漕ぐ姿が危なっかしいので、見かねた会長がパドルの持ち方からレクチャーする。
 後で話しを聞いたらヨット歴30年を超す海の男だそうで、本人は何も言っていなかったけれど多分その世界ではちょっと名前を知られているような感じの方である。
フウマ そんな方が子供のように一生懸命S吉会長の説明を聞いていた姿を思い出して、可笑しくなってしまった。
 U田さんが連れてきていた柴犬のこたろう君、まだ3才の遊び盛りのようで元気に走り回っている。フウマに興味を示してクーンクーンと鼻を鳴らしていたけれど、フウマは全く知らんぷりだ。
 そんな無愛想なフウマと場内を少し歩いてみる。
 好きなように歩かせてその後を付いていくと、次第に湖畔へと近づいていく。
 時々石ころにつまずいてよろけるけれど、家の周りを散歩する時よりは目が活き活きして見えるのは気のせいだろうか。
 そして支笏湖の湖面をジッと見つめたまましばらくたたずんでいる。
 昔、何度も訪れていた支笏湖を懐かしんででもいるかのように見えてしまう。
 飼い主の勝手な思い込みかもしれないけれど、きっとフウマの脳裏には何かが甦ってきているのだろう。

フウマ   フウマ
 

サラミタワー 今年の古山自然公園でのキャンプの時、赤ビートルさんにご馳走になったサラミタワーが気に入ってしまって、今回のキャンプには自分で買って持ってきていた。
札幌駅前某デパートの肉屋さんで売っているソフトサラミを、特別に頼んで極薄切りにしてもらったもの。
これが何でサラミタワーと呼ばれるのかまでは赤ビートルさんに聞いていないけれど、この極薄切りがポイントである。
店ではもっと厚切りで売られているけれど、その厚さではちょっとくどそうである。極薄切りだとそのくどさがないので、何枚でも食べられる。
前の晩に家で味見をしてみたところ、フウマの目の色が完全に変わってしまっていた。
 徐々にメンバーも集まってきて、2連結のビッグタープの中も賑やかになってきた。
煙に包まれて 焚き火を始めると、4面を塞がれたタープの中にもうもうと煙が立ちこめる。
 火が強くなればそれほど煙は出なくなるけれど、この中で一晩過ごすと完全に人間燻製になってしまう。
 暖かさとの引換えなのでこれは我慢するしかない。
 S吉会長が西帯広の評判の店「有楽町」のジンギスカン12kgを用意してくれていたので、それを皆で一斉に焼き始める。
 その湯気が焚き火の煙にプラスされて、タープの奥が霞んで見える。
 ジンギスカンが苦手なかみさんは、自分用の炭と焼き鳥を用意してチマチマと焼きながらそれなりに楽しんでいる。
 O谷さんがキャンピングカーのオーブンでピザを焼いて次々と出してくれる。
 キャンプで本格的なピザを食べられるので皆も感激の様子だ。
 O谷さんは川の例会には殆ど参加していなくて、4年前の朱鞠内湖以来の例会参加になる。
 その時も皆にピザを振る舞ってくれて、まるでピザを焼くためだけにカヌークラブに入ったようなものである。
 お腹が一杯になったところでバザーが始まった。
タープの中の焚き火 今回のバザー出品者はK原さんただ一人、でもそのK原さんが抱えきれないくらいの品物を持ち込んでくれたのでバザーも大いに盛り上がった。
 私は最初にスチールペグのセットを300円で競り落とした。
 その後にも欲しい物が次々と出てきたのだけれど、かみさんが横から「そんなもの持って帰ってどうする気なの!」と怖い目で睨みつけているものだから、声さえ上げられなかった。
 3台の焚き火台から威勢よく上がる炎に暖められながら心地よく杯を重ねていると、いつの間にかタープの下の人数が少なくなっていた。
 あまり遅くなると明日のカヌー運動会に出る元気も無くなってしまいそうなので、12時前に我が家のテントへと戻る。
 毛布に包まって気持ち良さそうに寝ていたフウマを無理やり起こしてトイレをさせる。
 これで上手くいけば朝まで大人しく寝ていてくれるだろう。

朝焼け かみさんがテントに戻ってくる気配で目が覚めた。
 またフウマのトイレの世話に起こされたのかと思ったら、それはかみさん自身の問題であったみたいだ。
 フウマは相変わらずテントの中で気持ち良さそうに寝たままである。
  寝不足だったので私ももう一度寝たかったけれど、かみさんの「東の空が明るくなってきたわよ」の声を聞くと、もうそれ以上は寝てられなくなった。
 晴れているのにキャンプで朝日を見られないというのだけは許されない我が家なのである。
 5時半近くになっていたので、日の出を見るのに起き出すにはちょうど良い時間だった。
 ところが、5時半を過ぎても一向に朝日が昇ってくる気配が無い。
 この時期のポロピナイでは、朝日は紋別岳の山陰から登ってくるのを忘れていた。
朝日を受ける恵庭岳山頂 僅か10分程度の差しかないのだけれど「これならもっと寝坊できたのに」と後悔してしまう。
 恵庭岳の山頂だけが一足早く朝日を受けて明るくなっていた。
 場内一回りの朝の散歩から帰ってきたフウマは食欲旺盛である。
 そういえば昨日は、人間は美味しいものを腹いっぱい食べていたけれど、フウマはテントの中でずーっと寝ていただけなのである。
 缶詰のペットフードを食器に入れてやると、美味しそうにガツガツと犬食いしていた。
 犬だから犬食いするのは当然だけれど、最近はかみさんの手のひらから食べさせてもらっていることも多いので、フウマのこんな姿を見ると嬉しくなってしまう。

朝の散歩   朝日を眺める
 

 フウマをテントに残して人間も朝食を済ませる。
 その後でテントに戻ると、フウマはもう一度散歩に出かけたそうにしていたので、またぐるりと場内を一回り。
疲れたフウマ こんなに歩いて大丈夫かなと心配していたら、案の定、湖畔まで来たところで体力が切れてしまったようだ。
 そこに繋いでやると直ぐに横になって寝てしまった。
 その間に私は水上運動会の準備をする。
 やや風があるものの、青空が広がって今日は絶好の運動会日和である。
 かみさんは運動会には参加せず、会長の奥さんと二人で昼に食べるうどんの用意をする。
 かみさんは運動会に出るよりもうどん作りのほうが好きな様である。
 そんなかみさんにフウマを見ててもらうことにして、私は運動会の方に集中する。

スローロープ投げ 今回の運動会参加者は19名、これを赤・青の2組に分けての対抗戦。
 久しぶりに参加者が多いので、これならば全種目にエントリーさせられなくて済みそうだ。
 最初の競技はスローロープ投げ、沖に浮かべた子供用プールをめがけてスローロープを投げ入れる。
 体力を使わなくて済む単純な競技だけれど、これを見ていてカヌーのテクニックとスローロープを投げる上手さは全く関係ないことが良く分かった。
 もしも私が川を流されている時にN山さんがロープを投げようとしてくれていたとしても、そのロープが自分のところへ飛んでくるとは絶対に期待しないようにしようと心密かに思ったのである。

しゃもじリレー 次の競技はしゃもじリレー。
 パドルの代わりにしゃもじを使って漕ぐのだけれど、それで漕ぐカヌーに大型カナディアンを使うのだけは止めてほしかった。
 例年はOC-1の一人乗りカナディアンを使っていたのが、今年はOC-1が1艇しかなかったので大型カナディアンを使ったようだけれど、しゃもじだけでカナディアンを操作するのはほぼ不可能である。
 参加者はこの競技で一気に体力を消耗してしまったようだ。

 次は今年の新種目、競技艇ガマン大会。
 何を我慢するかというと、カヤックに乗って静止した状態でひっくり返らないように我慢するのである。
 フラットウォーターレーシング用のカヤックはそれほど安定性が悪いのだ。
 殆どの人が乗った瞬間にひっくり返ってしまい、長い人でも5秒が限度。
 そんな中でT津さんただ一人が、何時まででも乗り続けれれそうなくらいに完璧に乗りこなしていた。
 全員の合計タイムで勝敗を分けるのだけれど、これではT津さん一人を相手にしても勝ち目は無い。

競技艇ガマン大会   競技艇ガマン大会

カヌー綱引き 次はカヌー綱引き。
 2艇のカナディアンに4〜5人が乗り込みお互いに引き合う。
 これも体力を消耗する競技の一つだけれど、特に負けた方のチームは疲れが倍加する。
 一生懸命パドルで漕いでいるのに、カヌーが前に進まず後ろに後退するのでは、パドルに受ける水の圧力が2倍になる理屈なのである。

カヌーポロ 次はカヌーポロ。
 この競技を一番楽しみにしている人も多いし、見ていても楽しめる競技だ。
 動きの遅いカナディアンよりはカヤックで参加する方が絶対に面白そうである。
 カヌーポロが終わったところで、私の入っている青チームが圧倒的に優勢だった。
 これはどうやらチームの年齢による影響が大きいみたいだ。
 最初のチーム分けの時に、年齢を全く考慮せずにじゃんけんだけで決めてしまったのである。
 赤チームのメンバーを見ると、私でも若輩者になってしまいそうな方々が揃っていらっしゃるのだ。

カヌー騎馬戦 最後はカヌー騎馬戦。
 去年のカヌー騎馬戦は、相手の舟を沢山沈めた方が勝ちという、とってもシンプルでかつ危険なルールで行われた。
 今年はそれが「怪我人を出したくない」との会長の配慮からか、ヘルメットに付けたリボンを取り合うといった、何ともお嬢様的なルールに変わってしまった。
 そのせいか、今一盛り上がりに欠けたまま最終競技が終了。
 やっぱり騎馬戦は人間本来の闘争心が表に出てきてしまうような状況で戦わなければ面白くないのである。
 総合成績も青チームの完勝。
 その後はかみさんと会長の奥さんが作ってくれた、しょう油味、キムチ味、カレー味の3種類のうどんを平らげて、その後はお楽しみの景品山分け。
 勝利チームの中でじゃんけんをした結果、私が一番最初に好きなものを選べることになった。
 目の前に広げられた沢山の景品を見ても、どれが掘り出し物なのか良く分からない。
 これならば景品買出しの時に私もお手伝いしておけば良かったと思ったけれど、もう遅すぎる。
最後に記念撮影 それでも、濡れたまま座れる車のシートカバーを手に入れられて大満足。
 次の順番ではハッカ油スプレー、そしてもう一度回ってきた順番でOPINELのナイフまでゲットできて、文句無しの結果となった。

 こうして今年のカヌークラブの例会は全て終了となった。
 最後に皆でビッグタープを撤収して片付けも完了。1台また1台と車がキャンプ場を去っていく。
 いつの間にか空には雲が広がり、石ころだらけの広場を冷たい風が吹き抜け、到着した時と同じく殺伐とした風景に変わっていた。
 我が家も車に乗り込み出発、既にチェックアウト時間を過ぎていたのでキャンプ場出口でデイキャンプ料金一人100円を管理人のおじさんに支払う。
 「美笛ではこれが一人500円なので、お客さんに文句を言われることもあるみたいだよ」と教えてくれた管理人さんの言葉の裏には、「こんなに低料金で楽しめるキャンプ場が無くなってしまうのはとっても残念だ」との気持ちが込められているような気がした。


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