それなりに花を楽しんだ後、キャンプ場を目指すことにする。
キャンプ場の案内看板もないので途中で道が分からなくなったけれど、道路際に立っているキャンプ場ののぼりのおかげで何とかキャンプ場に到着した。
キャンプ場入り口前の芝生広場にずらりと並んだ小川のテント。今日は小川テントの野外展示会が開催されているのである。受付する前に、まずはそちらの展示会を覗いてみることにする。すると直ぐにKさんが駆け付けてきてくれた。
Kさんは直人さんと知り合いで、我が家のテント「ソレアード」の開発者でもある。直人さんから紹介うけて色々とお世話にもなっている方だ。去年、秀岳荘での小川テントの展示会で初めてお会いしてから、今日が2度目である。
そこへちょうど直人さんの奥さんが到着した。Kさんのお話しでは、相当辛かったようで体重が10キロも減ったと聞いていたのに、実際にあってみると去年会ったときよりも少し痩せた感じはするものの、とても元気である。
元気どころか、それを通り越してハイテンション気味なくらいに明るい。。
朱鞠内湖でお話しした時のイメージは、常に直人さんの後ろで控えめにしている淑やかな女性といった感じだったので、ちょっと驚いてしまった。
でも、もしかしたら相当な努力をしてそう振舞っているのかもしれない。それならばこちらも変にジメジメしないで楽しくお話しさせてもらうことにしよう。
奥さんと一緒に車に乗ってきた直人さんのお友達お二人は、昨日の夜に東京を出てそのまま走ってきたとのこと。
それでこの時間に途中で奥さんを拾ってキャンプ場に着いてしまうとは。さすがに直人さんのお友達だけあると、変なところで感心してしまった。
受付を済ませて場内に車を乗り入れる。
樹木の多いキャンプ場だとは聞いていたけれど、多いと言うよりもほとんど森の中に作られたようなキャンプ場である。
周囲の木々に風も遮られ、あれだけ強く吹いていた風が場内ではまったく感じられない。
直人さんの奥さん達は、入り口の数サイトを小川で押さえているので、そこにテントを張るようだ。
ここのキャンプ場には3ヶ所だけペットと泊まれるサイトが用意されている。
私の場合、予約してキャンプ場に泊まる習慣がないものだから、ここでのキャンプが決まってからしばらくは予約の電話もしないままでいた。
この時期に予約だけで満員になるとは思えないものの、三つしかないペット可のサイトが取れなかったら大変なので電話を入れてみると、既に1ヶ所が埋まっていて危ないところだった。
犬同士が影響しあわないようにとの配慮からか、三つのサイトは間隔を置いて配置されているようだ。
我が家のサイトは入り口から一番奥。
車で入っていくと、その手前に真っ赤なビートルが停まっていた。
それが「Beetle Jam」の赤ビートルさん・Pooさんご夫婦であることは直ぐに分かった。そしてそこに一緒にいるのは「なんまらほっかいどう」のアサさん・アサ妻さんご夫婦。
どちらのご夫婦ともこれが初対面になるのだけれど、ホームページを何時も見ているのでまるで旧知の間柄のような気がする。
初めましてと挨拶するのも何だか照れくさい。
まずはテントを設営する。一つのサイトがやたらに広く、私のサイトの中には大きな木が2本も生えているのに、テントを張ってもまだ広々としたスペースが残っている。
直ぐ後ろに道路が通っているけれど、木に遮られてそれほど気にもならない。まだ初々しい木々の緑が頭上を覆い、とても快適度の高いサイトだ。
赤ビートルさんが皆のカップに美味しいシャンパンを注いでくれて、初対面の乾杯。
普通ならば、キャンプ場でシャンパンで乾杯するなとは!って驚くところだが、赤ビートルさんが注いでくれると何の違和感もなくその雰囲気を受け入れてしまう。
それぞれが薪を用意してきていたので、そのまま直ぐに焚き火を始めた。
Kさんがやって来て、皆で集まるのはそれぞれ夕食が終わってからにしましょうとのことになる。
赤ビートルさんが、噂のサラミタワー、美味しいチーズに美味しいワインと次々にご馳走してくれる。
「このワインは○○年産の○○の○×※△で、チーズは○□〜×△※で・・・。」
「へ〜、△×※/○□??ですか〜。」
一応、自分の言葉で繰り返してみるが3秒後には忘れ去ってしまう。
でも、名前が分からなくてもとても美味しいことだけは確かである。遠慮なく赤ビートルワールドに浸らせてもらう。
アサさん、アサ妻さんも、なんまらほっかいどうのホームページから直接抜け出してきたような人柄で、特にブログそのままのアサ妻さんの爆笑トークは、まさにアサ妻ワールドに引きずり込まれる感じだ。
そのアサ妻さん、小川テントの展示会を見てくると出かけたまま全然戻ってこない。アサさんは心得ているようで「またやってるな〜」って気にもしてない。
アサ妻さんの留守中に「大人の外遊び」のkenjiさん、kennjiの姫さんが来てくれた。
kenjiさんの自宅はここから10km程のところにあるそうなので、古山はまるで自分の庭みたいなものかもしれない。
いくら近いと言っても、姫さんは明日、伴走でフルマラソンを走らなければならないのに、わざわざ顔を出してくれたのが嬉しかった。
そこへようやくアサ妻さんが戻ってきた。
アサ妻さんが履いていた498円のレディースブーツの話しで大いに盛り上がっていたとの事だけれど、どうやら小川テントや秀岳荘の社員の皆さんを前にしてアサ妻さんが一方的に盛り上げていたのが真実らしい。
初対面だろうと何だろうと構わずに、直ぐにアサ妻ワールドに引きずり込んでしまうその吸引力は真に恐るべしである。
小学校の運動会を終えたばかりの「EZO WEB LANDS」のezoさんも駆け付けてくれた。
ezoさんとは3年前の然別湖で少し話しただけだったけれど、その後ホームページもよく見せてもらっていて、久しぶりの再会が懐かしく感じられた。
例えとしては良くないけれど、葬式の席で何年も会っていなかった親戚同士が顔を合わせるように、こんな機会が無ければほとんどネット上だけでの繋がりだった皆がこうして集うことは無かったかも知れない。
特に、何時も単独行動ばかりでしている我が家が「一緒に集まりませんか」と声をかけること自体が、普段なら有り得ない話しなのである。
でも、共通の趣味にする人間がこうして一緒にキャンプをするのはとても楽しいものである。
思い切って皆に声をかけて良かったと心からそう思った。
宴会の場所を直人さんの奥さんのサイトへと移動する。
直人さんのことをネットの上でしか知らない人、一度だけ話を交わしたことがあるだけの人、一緒にキャンプをした人、そして古くからのご友人、それぞれの違いは有っても、キャンプが大好きだった直人さんへの思いは皆同じだった。
そしてその同じ気持ちが皆を和ませる。
こちらに移ってから何故か無口なアサ妻さん。
「きっと充電しているんだろう」「そのうちにまた始まるよ」
しゃべっていないことだけで皆の注目を集めてしまうのがまた凄いところだ。
その無口な時間はやっぱり充電時間だったようである。
フル充電となったアサ妻さんとそれを待ち構えていた小川キャンパルのKさんとの爆笑トークバトルが始まり、周りを笑いの渦に引きずり込む。
そんな楽しい時間が過ぎ、kennjiさんご夫婦が姫さんのマラソンに備えて、そしてまだ放電しきれないようなアサ妻さんもアサさんが明日の朝早くから仕事があるので、キャンプ場を後にした。
その後しばらくして雨が降り始め、それをきっかけに楽しい宴会もお開きとなる。
翌朝目覚めた時は、昨夜のアルコールがもろに残っていた。
テントを叩く雨音、森の中に響く野鳥のさえずり。 そんな音に包まれてシュラフの中で微睡むのが何とも心地良い。
その雨音も止んできたのでテントから抜け出す。
新緑が雨に洗われ、場内の緑がますます美しく見えている。
でも我が家のテントは、木々の葉に付いていた虫の糞が雨に洗われて落ちてきたのだろうか、黄色く汚れているのにはガッカリしてしまった。
朝食を済ませて場内を一巡りしてみる。
ここのキャンプ場は貯水池に隣接しているのだけれど、木の葉が茂るとサイトからは直接は見ることができない。
貯水池寄りのところに、森の中の雰囲気が味わえそうな我が家好みのサイトが有った。そこに張られたテントからは煙突が伸び出していて、モクモクと煙を上げている。
夏は虫が多そうだけれど、紅葉の季節にここにテントを張ってみたい。
誰が作ったのか、湖岸の四阿横に立てられたバス停の標識も遊び心があって面白い。
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