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食いしん坊フウマ復活かなやま湖キャンプ

かなやま湖スポーツ研修センター(5月24日〜25日) 

 週末はカヌークラブの例会で鵡川と空知川を下り、宿泊はかなやま湖のスポーツ研修センター。
 こんな時はフウマは家で留守番させられることが多かったのだけれど、その間の面倒を見てくれていた息子は4月から就職して、家を出る時間は早いし帰宅時間も遅い。土曜日も仕事のそんな息子にフウマを預け、親が気楽に遊びに出かけるわけにもいかず、今回はフウマも一緒に連れて行くことにした。
 14歳の誕生日を過ぎて急に衰えが目立ってきたフウマのことを考えると「今年は思うようにキャンプで出かけるのも難しくなるかもしれない」と、ある程度の覚悟はしていたつもりだった。
 それなのに、家に入る玄関の段差を上がるのにさえ苦労しているようなフウマを、カヌーだけが目的のキャンプへ連れてきてしまうのだから、しょうがない飼い主である。
私の寝床 ただ、最近のフウマは家にいる時はほとんど寝てばかりなので、車の中に置いていかれても静かにしていてくれるので助かる。
 川下りを終えて5時間ぶりに車まで戻ってきても、まだ寝足りないような表情でちょこっと顔を上げる程度なのだ。

 午後5時前に、キャンプ場に隣接するスポーツ研修センターに到着。
 川下り中は天気も良くて暖かかったのに、車から降りた途端に吹き付けてきた風の冷たさに驚かされる。
 風の吹いてくる方向の山なみを見ると、その頂上付近に黒い雲がかかっていた。その雲が山の麓まで降りてきたりしたら、とてもこの程度の寒さでは済まないだろう。
 夕食のバーベキューの用意を済ませ、センターの敷地の隅っこに自分用のテントを設営する。
 ここの宿泊費として一人1,510円は支払うのだけれど、寝る時はやっぱり畳の部屋で雑魚寝するよりはテントの方が気持ち良く眠ることができる。
 それに、建物の中で寝てしまうとそれはもうキャンプとは言えないけれど、こうしてテントの中で寝れば、堂々とその内容をキャンプ日記にもアップできるのである。

宴会準備中 最近の例会キャンプではF君が何時もビアサーバーを用意してくれるので、生ビールを飲むことができる。その生ビールをグビッと1杯飲み干すと、吹き抜ける冷たい風も直ぐに気にならなくなってしまった。
 川を下っている途中で手に入れたウドや行者ニンニクを、Iさんなどが天ぷらにして食べさせてくれる。スポーツ研修センターの艇庫の前に美味しい匂いが立ち込める。
 こんな状況の中で、久しぶりにフウマが以前のような元気を取り戻した。
 これまでも何度かこのような団体キャンプを経験しているフウマだけれど、何かを食べている人のそばに張り付いて動こうとしないその食いしん坊振りは、飼い主として恥ずかしくなるくらいのものだった。
 そのフウマも最近はすっかり食欲が衰え、それまで食べていたドライのペットフードはほとんど口にしなくなってしまった。歯が弱ってきたのかと思って缶詰などのウェットタイプのペットフードに切り替えたけれど、それも残してしまうくらいの食の細さである。
 以前は、散歩中にすれ違ったデブのおばさんから「あら〜、横綱みたいなワンちゃんね!」と失礼なことを言われていたのが、今は撫でると骨の感触が直に伝わってくるほど痩せてしまっている。
 ところがこの匂いに釣られて食いしん坊フウマが戻ってきた。
 後ろに繋いでいたら、もっと近くに寄りたいと切ない鳴き声を上げ、椅子のパイプにリードを繋ぎなおしてやると、今度は爛々とした目で辺りを見回し、何か食べている人を見つけたら必死になってそこに近づこうとする。
 フウマのそんな卑しい姿に、飼い主としては恥ずかしさよりも嬉しさを感じてしまった。
 やっぱりこれが本来のフウマの姿なのである。

山菜天ぷら   食いしん坊フウマ
 

 次第に寒さも増してきたので、焼き物が一通り終わったところで建物の中に場所を変えることになった。
 フウマは車に乗せておくことにする。一時だけ昔のフウマに戻っていたけれど、直ぐに車の中でバタンと倒れて寝てしまう様子はいつものフウマに変わりはなかった。
 大会議室の端に長テーブルとパイプ椅子を並べる。
 その様子は仕事での会議の風景をまともに連想してしまうもので、つい先ほどまでのワイルドな宴会とのギャップの大きさに戸惑ってしまう。
それでも、そこに置いてあったトレーニング機器にチャレンジしたり、卓球台もあったので温泉卓球ならぬ宴会卓球を楽しんだりと、賑やかに夜は更けていった。
 寝る時はフウマもテントの中に入れてやろうと思っていたけれど、車の中で気持ちよさそうに寝ていたので、私一人でテントの中にもぐり込んだ。

トレーニング中   宴会会議?

 艇庫のシャッターをガラガラと開ける音で目が覚める。
 昨夜は少し飲み過ぎたようで、アルコールがまだ全然抜けていない。
テントの中から 湖側のテントの入口を開けると、朝のヒンヤリとした空気がテントの中に流れ込んでくる。
 横になったまま朝の風景を楽しんでいると、ようやく頭の中もスッキリとしてきた。
 テントから抜け出すと、何時もの早起きメンバーが朝のコーヒーを味わっているところだった。
 車の中を覗いてみるとフウマはまだ熟睡中だ。
 ドアを開けると眠たそうな目をして顔を上げた。
 フウマを連れて、キャンプ場の中を一回りしてみる。
 昨日は天気も良く、湖は満水に近く、新緑も最高に美しい。
 それなのに広々とした場内にキャンパーが3組しかいないのが信じられなかった。
 この週末は運動会の行われている小学校が多いのだけれど、それにしても少なすぎる。ガソリンの値上がりで遠出を控えている人も多いのだろうか。
ウサギ 静まりかえった場内を歩いていると目の前にウサギがいるのに気がついた。
 ウサギもこちらに気がついたようで慌てて走り去っていった。
 2年前の同じ時期にここでキャンプをしたけれど、その時は湖も満水で水没している施設もあったくらいだ。
 この日の金山ダムの貯水率は68%で2年前ほどでは無かったけれど、それでもダム湖とは思えないような美しさだ。
 湖岸まで下りると、昨日の宴会で美味しいものを食べ過ぎて胸焼けでもしているのか、フウマがそこらに生えている草を一生懸命に食べ始めた。
 食べ終わるまでじっと待っていて、再び一緒に歩き始める。
 最近フウマと散歩をしていると、歩きながら時々私の方に視線を向けてくるようになってきた。
 若い頃はリードをグイグイと引っ張って、ただ自分の行きたい方に向かうだけだったのが、今は私の横に並んでトボトボと歩いている。私もそのスピードに合わせてゆっくりと歩く。
 すると「もっと先まで行ってみる?」とか、「もうそろそろ帰らない?」などと言いたげな様子で私に顔を向けるのである。
 最近はそんな風にフウマと目で会話しながら散歩するのがとても楽しい。

新緑の風景   草を食べるフウマ
 
美しい風景

 気持ちの良い朝の散歩を終え、スポーツ研修センターへ戻る。
 センター前の芝生の斜面を登って近道していくと、それほど急な傾斜でもないのに、フウマはかなり辛そうな様子だ。
 かみさんが迎えに出てきて、「フウマ!がんばれ!」と声をかけても一向に歩くスピードが上がらない。
 そんな様子を笑いながら見ていても、心の中は寂しさで一杯だった。

おにぎり握ってます 調理室で今日の川下りの昼食にするため皆でおにぎりを握って、会議室で皆で朝食。
 まるでカヌー部の合宿のようだけれど、8時半には本物の高校生カヌー部員がやってくるので、それまでにおじさん部員たちは艇庫をきれいに片付けなければならない。
 おかげでいつものペースよりも早く撤収が完了した。
 車に荷物を積み込んでいる間、フウマは外で大人しく待っている。
 川下りの間も、車の中でずーっと寝ているのだろう。
 今日下るところならばフウマを乗せても心配ないのだけれど、坂を登るのも辛いくらいに足腰が弱ってしまっては、とてもカヌーの中で足を踏ん張ることはできそうもない。
 こんな最近のフウマだけれど、これからもできるだけ長い間、アウトドアでフウマとの一緒の時間を楽しんでいきたい。
 


出発を待つフウマ
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