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野外生活者村支笏湖キャンプ

ポロピナイキャンプ場(10月13日〜14日)

 今回のキャンプはカヌークラブの納会で支笏湖のポロピナイキャンプ場に宿泊。
 先週末の3連休では然別湖や三国峠の紅葉を満喫してきたばかり。続けて今週末は支笏湖の紅葉まで楽しめるなんて随分贅沢だな〜と思いながら国道453号を車を走らせていたけれど、周辺の紅葉はまだ色付き始めたばかりの状況でガッカリしてしまう。
 やがて正面に迫ってきた恵庭岳の山肌になにやら白いものがあるのを見て「まさか雪じゃないよな」と話しつつ、オコタンペ湖の方へ曲がったところ、道路際の日陰に雪が残っているのに気が付いた。
 「やっぱり雪なんだ!」
 今時期に雪が降るのは驚く程のことでもないけれど、まだ紅葉も進んでいないのに、いきなり雪を見るのはやはりちょっと違和感があるのだ。
 ポロピナイの園地は相変わらずドライブ客などで賑わっている。ただ、去年から支笏湖ではプレジャーボートが全面乗り入れ規制されているので、その賑わいも規制前とはかなり様子が違っていて、あくまでも整然とした賑わいである。
一等地にテント設営 その中を通り過ぎてキャンプ場へ続く砂利道へと入ると、それまでの賑わいが嘘のように遠ざかり、静寂に包まれた湖畔の風景が広がる。
 午後の1時前だけれど、他のキャンパーの姿は殆ど見当たらない。湖畔の一等地に、何時ものようにS吉さんのビッグタープが張られているだけだった。
 自分達のテントは、緩やかに傾斜した広場の頂上付近に設営することにする。この広場の中では一等地とも言える場所で、普段は常に先客がテント張っているような人気サイトである。
 そんなところを、ただ寝るためだけに使用する小さなテントを二つだけ張って占領してしまうのは気が引けたけれど、早い者勝ちなのだから仕方が無い。
 朝目覚めて、テントの入り口を開けたときに飛び込んでくる風景がとても楽しみである。

ビッグタープ2連結4面張り もう一つビッグタープが到着したので、それを繋げて2連結タープとする。その4面を全てビニールやブルーシートで囲ったので、この中で焚き火をすれば今の季節でも寒さ知らずで過ごすことができる。
 S吉さんのおかげで、クラブの例会キャンプではこのスタイルがすっかり定着しているけれど、このタープ4面張りが導入される以前は一体どんなスタイルで寒さを凌いでいたのかとても興味がある。
 その後、千歳川を下っていたカヌークラブガンネルズのメンバーが一斉に到着した。先月は歴舟川の合同例会で一緒だったけれど、今回は納会もまた合同ですることになっているのだ。
 ガンネルズの方はテントの3連結。それぞれ寒さ対策には色々と工夫しているようである。
 今回は大量の薪を自宅から持ってきていた。我が家の通常のキャンプの3回分の量である。
 S吉さんも薪を持ってきていたけれど、まだ足りなさそうなので、裏の森の中で少し拾ってくることにする。この森には数年前の台風で倒れた樹木がそのまま残っていて、鋸さえ持参したらいくらでも薪を確保することができるのだ。
タープの中は煙たくて大変 でも、それを拾って帰ってから、重大なことに気が付いた。何時もの我が家の焚き火なら全く問題ないのだけれど、今回はタープの下、それも4面を囲われた中での焚き火なのである。
 十分に乾燥した薪を燃やしても煙たくて大変なのに、今拾ってきたような少し湿り気味の枯れ枝などを燃やしたら、煙たいどころの騒ぎではなくなってしまう。
 新たにG藤さんが大きなダンボール二箱分の端材を持ってきてくれたので。新たに拾った分は、今回のキャンプにも持ってきたちびストーブ用に使うことにする。
 前回の例会キャンプで、このチビストーブがあまり役に立たないことが判明したけれど、ダッチオーブンを乗せておくのにはちょうど良い。
 大量の薪に、チビストーブに、ダッチオーブンに、その他明日の水上運動会後に用意する40人分のうどんの材料に、カヌーに・・・。
 久しぶりに、目一杯の荷物を車に積み込んで走ってきた今回のキャンプである。

チビストーブから煙が上がり、タープのすき間からは焚き火の煙がもれ出てきて、ガンネルズの方もテントの外で料理する煙が上がり、これはどう見てもキャンプの風景と言うより、何処かの難民キャンプで野外生活をしている人たちの風景と言った方が合っているだろう。

ちびストーブで調理中   普通のキャンプ風景には見えない・・・

 到着が遅れていたF谷生ビール店もオープンし、それまでの繋ぎで缶ビール1本をチビチビと飲んでいたのが、ようやくグビグビと気持ち良く飲むことができるようになった。
 グビグビと飲めないのがI山さんである。今回は小学校3年生の娘さんとの父娘キャンプなので、ビールは1杯しか飲まないと宣言していたのだ。
 でも、I山さんには3年前の納会水上運動会のカヌーポロの際、相手チームでプレーしていた娘さんがやっとボールを手にして敵味方チームの全員が微笑ましくその様子を見守っていたところ、突然横から突進してきてそのボールを奪ってしまうと言う優しさの欠片も無いような行為をした前科があるものだから、誰もその宣言を真に受けてはいなかった。
 ところが、パドルを手にすると性格が一変してしまうI山さんも、陸の上ではとても優しいパパなので、娘さんと仲良しになったガンネルズのアイドル小学4年生のAちゃんの二人まとめて面倒を見ながら、甲斐甲斐しく良きパパ振りを発揮して、皆からすっかり見直されていたのである。
オークション開催中 食事が大体終わったところで、お楽しみのオークションが行なわれる。
 毎年、掘り出し物が出品されるのだけれど、我が家がこれまでに手に入れた中では大型の防水バッグが、今年の歴舟川ダウンリバーキャンプの時にも大いに役立ってくれて、貴重なグッズとなっている。
 我が家は小川のチビストーブを出品しようかと思ったけれど、かみさんが勿体ないと言うのでそれは止めて、以前使っていたダンロップのキャンプ用マットを出品することにした。
 ボタンで連結することもできて、現在のサーマレストを買う前は、家族3人でのファミリーキャンプでとても役立っていた一品である
 もう一品は数年前のこのオークションで競り落とした、ベントシャフトの木製パドル。その後一度も使うことなく、もしかしたら新たに欲しい人が現れるかと思っての再出品である。
 今年はガンネルズも一緒なので、例年以上に白熱したオークションが繰り広げられた。
 ただ、カヌークラブだけあって、ヘルメットやライフジャケットが出品されても、既に持っている人が多いので反応が悪い。中古品といえどもかなりの高級品ばかりで、これから道具を揃えようと考えている人には垂涎もののオークションかもしれない。
 そんな中で私の出品したパドルがT木さんに300円で競り落とされた。
 「一体こんなものを何に?」と思ったけれど、T木さんが中心になって空知川のほとりに建設中である五右衛門風呂の湯もみ棒代わりに使ってもらえるらしい。部屋の片隅でホコリをかぶっていたパドルが、こうして有効利用してもらえるのはとてもありがたい話である。
 もう一つのキャンプ用マットは意外な人気となり、1100円で競り落とされた。何年も前の中古品をこんなに高い値段で買ってもらえて恐縮してしまう。家にはまだ2個も残っているので、これならば全部持ってきたほうが良かったかもしれない。
 こうして夜も更け、爆沈寸前で何とか自分のテントまで戻り、気持ちの良い眠りについたのである。

 夜中に目が覚めると、テントを叩く雨音が聞こえていた。
 思っていたほど気温も下がらず、1枚余計に着込んだ服のおかげで暑く感じるくらいだ。
 もう一眠りして目を覚ますと、既にテントの中も明るくなってきていた。そのまま外の様子を覗いてみると、まだほの暗い支笏湖が一望できて、東の山からはもう少しで朝日が昇ってきそうだ。
 テントの入り口を開けた途端にこんな風景が見られるのだから、やっぱりここにテントを張って正解だった。
 朝日の昇る様子を眺めながら歯を磨く。
 その朝日に一足早く照らし出されている恵庭岳は、山頂付近が白くなっていた。夜中の雨はその山頂付近で雪に変わっていたみたいだ。

朝の風景   山頂付近が雪化粧した恵庭岳

ありがたく感じる朝の日射し やがてビッグタープの中にも朝の光が射してきて、その光を浴びた人たちは皆穏やかな表情へと変わってくる。
 太陽の光がこれほどありがたく感じられるのは、今時期のキャンプならではだ。
 今日はこの後、ガンネルズとの対抗水上大運動会が行なわれる。
 天気が一番心配されたけれど、時々雲が広がって雨がぱらつく程度で、まずまずの運動会日和になってホッとした。
 いくらドライスーツで身を固めているとは言っても、寒々とした中で水の中に入るのでは戦う前から気持ちも萎えてしまうのである。
 運動会が終わった後は暖かなうどんが振舞われるのだけれど、かみさんは2年連続でそのうどん係を引き受けている。
 本人は、運動会に出さされるよりも、こちらの方が好みみたいだ。

 そうして水上大運動会が始まった。
 例年の運動会はクラブのメンバーを紅白に分けての対抗戦。それが今年はガンネルズとのクラブ対抗戦ということもあり、気合の入り方が何時もとは違っている感じだ。
カヌー綱引きで沈没 最初の競技はカヌー綱引き。2艇のカナディアンカヌーにそれぞれ5人が乗り込み、それをロープで繋いでお互いに漕ぎ合う。
 私は進んで水の中に入り、そのロープを真ん中で保持する係りを引き受けた。
 メンバーを変えて2回戦を行なった結果、1勝1敗の引き分け。そこで各クラブでもう一度メンバーを選出して決勝戦を行なうことになった。
 これまでの経験から言っても、このカヌー綱引きが一番体力を消耗する競技である。決勝戦には、まだ一度も漕いでない私が出るのが順当なのだけれど、ロープ保持係のポジションについたまま身を潜めていると、上手いことそのメンバーから逃れることができた。
 例年、運動会の後は酷い筋肉痛に見舞われるのだけれど、これで今年は大丈夫かもしれない。歳をとると、クラブの名誉よりも自分の体のほうが大切になってくるのである。
 決勝戦はガンネルズの勝ち。ウィルダネスチームは最後は水没してしまう有様だった。これはどう見てもメンバー選出の失敗である。パワーを重視したあまり、カヌーの積載量を越えるような重量級メンバーになってしまったのだ。

しゃもじリレー 2回戦はしゃもじリレー。OC-1を、両手に持ったしゃもじで漕ぎながらリレーをするというもの。
今回はしゃもじの代わりに、焚き火用にG藤さんが持ってきていた端材を使うことにする。
ほのぼのとしたレースなので私もエントリーしたけれど、これが結構ハードだった。
なかなかカヌーが真直ぐ進んでくれないので、変に力が入ってしまうのだ。
翌日は結局筋肉痛になったけれど、その原因はこの競技にあったみたいだ。
 カヌーを漕いだ後とは全然違う場所の筋肉が痛くなっていたのである。

カヌーポロで反則を繰り返すL君 次の競技はカヌーポロ。これは純粋なスポーツ競技だけれど、幼児用ビニールプールをゴール代わりに使っているのが何ともほのぼのとしている。
 これまでのウィルダネスの運動会でも、一番ヒートアップするのがこのカヌーポロで、I山さんのように親子の絆を断ち切ってしまうような人まで出てくるのである。
 この種目では小回りが利いて瞬間的にスピードの出せるカヤックが有利なので、そこにベテランを揃えているウィルダネスチームのほうが断然有利だった。
 ところがガンネルズチームのカヤッカーL君は、この次に行なわれるカヌー騎馬戦とこの純粋スポーツ競技を完全に混同している様で、ボールそっちのけでウィルダネスチームの舟に忍び寄ってはそれをひっくり返して回っている。そんなL君の悪行の数々にも係わらず、前半戦は1対0。
 後半戦は選手を入れ換え、私はOC-2でゴールキーパー役として出場。キーパーならボールを追いかける必要も無く、おまけにウィルダネスチームが殆ど攻めっぱなしなので、全く疲れることなく競技を終了。

カヌー騎馬戦 そして次はいよいよカヌー騎馬戦。ガンネルズは何故かこの競技に異常に執着しているようで、臨戦態勢万全と言った様子で待ち構えている。
 争いごとの嫌いな私は、できることなら騎馬戦をパスしたかったけれど、カナディアンの方が有利だからと言われて、無理やり出場させられてしまった。
 カヤックやOC-1は結構あっさりとひっくり返るけれど、大きなカナディアンは安定していて、ちょっとやそっとでは沈しない。そのカナディアン同士が組み合うと、そのままの状態で延々と揉み合い続けることになる。
 「あ〜あ、また始まっちゃった、早くタイムアップで終わらないかな〜」と思いながら揉み合っていると、そこへとうとうガンネルズの最終兵器が投入されたのだ。
 人間爆弾である。
 発達した低気圧が近づき大荒れになった日本海をカヤックで奥尻島まで渡り、島のバス停で寝ているところを警察官に逮捕されそうになり、昨日の夜は酔っ払ってシュラフ一つで屋外でそのまま寝ていたと言うなまIさんが、人間爆弾として私の乗っているカナディアンの中に打ち込まれてきたのである。
 その恐ろしさに絶えられず、私はあっさりと舟を捨てて逃走することにした。
 ウィルダネスチームは最後に1艇だけ、カヤックのN野さんが残ってしまった。先月のヌビナイ川で7針縫う怪我を負って、その傷もまだ完治していないN野さんを皆で追い掛け回し、最後はいたぶりながら水中に沈めてしまったガンネルズ。
 これはウィルダネスの完敗かと思ったら、人間爆弾攻撃が反則と判定されて、反則勝ちを拾う結果となった。
 来年は自分が人間爆弾になって復讐しようと思っていたのに、これは残念な判定である。

再乗艇したけれど・・・ 最後の種目は沈・再乗艇レース。6人乗りのカナディアンで沖まで出て一旦沈、その後ひっくり返ったカヌーを起こして3人が再び乗り込み戻ってくると言う内容。
 今度こそ観戦に回ろうと思っていたら、再乗艇メンバーの一人に選ばれてしまった。
 そしてスタート。6人も乗っているものだから、折り返し地点へ辿りつく前に沈没してしまいそうである。
 何とか折り返し地点を回ったところで沈。底に足の付かない湖で沈するのは、こんなゲームの時でも嫌なものである。
 数人がかりでカヌーを起こす。この時にいかにカヌーの中に水が入らないようにするかが重要である。力を合わせて思いっきり跳ね上げるように起こしたので、元に戻ったカヌーに殆ど水は入っていない。
 そこに大急ぎで乗り込み、3人揃ったところで隣のチームの様子を見てみたら・・・。
 カヌーを起こしたところで半分以上水が入ってしまい、そこに再乗艇したらますます水が入り込み、ガンネルまで水没した状態で水に浮かんでいるのが精一杯という状態である。
 それを見て、急ぐ必要も無くのんびりとゴールイン。レース後、カナディアンに取り付けてある浮力体の大きさが違うせいだとクレームが付いたが、これは完全にカヌーを起こすときのテクニックの差である。

 こうして全種目が終了。
 後は競技中に女性陣が作ってくれていた暖かいうどんに一斉に群がる。大鍋に作られたカレー味、味噌キムチ味、ノーマルしょうゆ味のうどんがあっと言う間に食べ尽くされた。
 その後仲良く運動会の景品を分け合って、楽しかった納会も終了。
 綱引きは上手くパスしたけれど、やっぱり今年の運動会も終わった後は疲労困憊である。それでも、童心に帰って思いっきり楽しんだ水上運動会。年に一度はこんなのもなかなか良いものである。

みんな揃って





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