ビッグタープ四連結歴舟川キャンプ
カムイコタン公園キャンプ場(9月22日〜24日)
今回はカヌークラブの例会キャンプでカムイコタン公園キャンプ場に宿泊。
このキャンプ場は既に9月上旬でクローズしているのだけれど、道路沿いにあるトイレと水飲み場が使えるので、少し不便でもキャンプするのに支障はない。
場内の張り紙にもオープン期間外は自由使用と書かれている。
オフシーズンに料金を徴収したところで、その人件費分をまかなえる分けもなく、それならば最低限の施設だけ使えるようにして自由使用にした方が経費もかからない。オフシーズンまでキャンプをしているようなキャンパーは、最低限の施設さえ使えるようにしてくれれば、後は自分で工夫して何とかする人達がほとんどだろう。
これは是非、他のキャンプ場にも真似してもらいたい管理方法だと思う。
ここのキャンプ場には何度も泊まっているけれど、全て河原のサイトを利用していた。
今回は団体キャンプなので便利な場所の方が良いだろうと言うことで、駐車場に隣接の多目的広場にビッグタープを張ってそこを宴会場所にすることにする。
札幌を朝の7時前に出発。日勝峠周りで約4時間でキャンプ場に到着。ちょうどS吉さんがビッグタープの設営を始めるところだった。まずはそれを手伝ってから、次は自分たちのテントを設営する。
こんな時でなければ利用することのない、道路を隔てたAサイトにテントを張ってみようかと考えていたけれど、この多目的広場の端の方も意外と快適そうな場所だった。
崖の下から川の音も聞こえてくるので、夜遅くまで続くであろう宴会の喧噪も、その水音が和らげてくれるだろう。わざわざ遠く離れた場所にテントを張るのもバカらしいので、素直にそこにテントを張ることにした。
自分たちのテントを張り終えると、会長がクラブ所有のビッグタープを持ってきたので、先ほどのタープに連結してそれを設営。 三笠カヌークラブや旭川カヌークラブ、カヌークラブガンネルズのメンバーも到着。今回は道内の他のカヌークラブとの合同例会なのである。
三笠CCはスクリーンテントを設営。このスクリーンテントが買ったばかりのもので、今日初めて箱から出すと言う代物。
夏のキャンプ場で良く見かける風景。買ったばかりのテントをキャンプ場で初めて広げて、説明書を見ながら悪戦苦闘するお父さん、舞い上がってしまってその周りを走り回る子供達、暑さでイライラしながらその子供を叱りつけるお母さん。
もしかしたらそんな風景が見られそうだと笑っていたけれど、皆で手伝ったらさすがに慣れた人間ばかりで、あっと言う間に設営完了。
旭川CCとガンネルズもそれぞれのビッグタープを設営して、ビッグタープの四連結という、ちょっとしたイベント会場のようなものが出来上がってしまった
その後は早速、初日のヌビナイ川下りへと出発した。
水量が多くて流れも早かったので、3時間ほどでヌビナイ川を下り終え、4時過ぎにはキャンプ場まで戻ってくることができた。
三笠CCとガンネルズにそれぞれビールサーバーも用意されていたが、ここで飲んでしまうと温泉に入れなくなるので、グッと我慢して大急ぎで忠類村のナウマン温泉へ入りにいく。
ちょうど日高山脈の山並みに日が沈むところで、西日が辺りの風景を赤く染めていた。眺めの良い場所でゆったりとそんな風景を楽しみたかったけれど、早く温泉に入ってキャンプ場まで戻ってビールを飲むことしか頭の中には無かったので、ただひたすら車を飛ばすだけである。
そして温泉から出てくると、空の雲が真っ赤に染まっていた。
でも、花より団子、夕日よりもビール、大急ぎでキャンプ場まで引き返す。
キャンプ場まで戻って来た頃には既に辺りは暗くなっていた。
まずは三笠CCのF谷ビール店の生ビールを1杯、グイッと飲み干す。缶ビールとは比べものにならない美味しさだ。
今回のキャンプには、初めて小川のちびストーブを持ってきていた。
これは北海道キャンピングガイド2007のフォト広場大賞受賞の賞品としてもらったものだけれど、使い道が無くて困っていたのである。
家の庭で試しに一度だけ使ってみたけれど、煙突が細いせいか、燃えが悪くて煙ばかり出ている感じだった。
これを最初はタープの下で火を付けたけれど、たちまち煙りが立ち籠めて、とてもタープの下では使っていられない。
暖房用に使えるかと思ったけれど、結局タープの外で上に鍋を乗せたりして、煮込み料理にしか使えないみたいだ。
「凄〜い、ヒデさんってこんなものまで持ってるんですね!」と皆から感心されてしまったけれど、こんなもの好きで持っている分けじゃ無いのである。
誰か欲しい人がいたら直ぐにでも譲ってあげたい気分だった。
我が家の料理は家で下ごしらえしてきた味噌おでん。そのおでんをちびストーブの上で温めるだけで完成。
いつもの例会と同じく、自分で準備してきたものを食べる前に、次々に回ってくる料理をいただいているうちに満腹になってしまう。
一つ屋根(タープ?)の下でこうして各クラブが集まって飲んでいると、それぞれのクラブの特徴が良く分かる。
テーブルの上にドンと一升瓶を並べ、それをぐるりと取り囲んで豪快に飲んでいる三笠CC、何故か体格も豪快な人が多い気がする。
ガンネルズは恒例の一品料理持ち寄り方式で和気あいあいと言った雰囲気、何故か道内の他のクラブと違って順調に若返りが図られているところが羨ましい。
我がウィルダネスCCはてんでんばらばらで、他のクラブからはそれが奇異に見えるらしい。普段はそれぞれが好きなことをやっていて、月一度の例会の時だけ皆が集まってくる。まあ、こんな緩〜い繋がりと言うのがウィルダネスの良いところなのかもしれない。
F谷ビール店はとうとう50リットル目の樽をセットしている。ガンネルズと旭川CCはT木ビール店を利用しているので、この50リットルは三笠CCとウィルダネスCCで飲んでしまったことになる。
その勢いで宴会は延々と続きそうなので、我が家は12時前に自分たちのテントへともぐり込んだ。
川の音とそれに混じって遠くから聞こえてくる笑い声を聴きながら、あっと言う間に深い眠りへと入っていった。
翌日は朝から素晴らしい青空が広がり、最高のカヌー日和である。
でも午前3時半から目が覚めてしまった私は、ちょっと寝不足気味で頭がボーッとしている。
キャンプではどうしても早く目が覚めてしまう質なので、寝るのが遅くなるとその分寝不足になってしまうのだ。
それにしても3時半は少し早過ぎた。明るくなってもテントの中で寝ていられる人が羨ましく思えてしまう。
ビッグタープの下のあちらこちらで朝食を作る湯気が上がり、タープの真横から射し込む朝の光がその湯気を白く輝かせる。
湯気と言えば、旭川CCのM山さんが特製のかまどで炊くご飯から上がる湯気がやっぱり一番である。
そうして素晴らしい青空の下、今日の川下りのスタート地点である歴舟川上流の坂下仙境へと向かった。
|
|
|
|
前日のヌビナイ川は怪我人が出るくらいのかなりハードな川下りだったけれど、今日の歴舟川は打って変わって、美しい景色を眺めながらののんびりとした川下りだった。
キャンプ場まで戻ってきたのもまだ午後2時前と、昨日よりはかなり余裕がある。
買い出しをして、ゆっくりと温泉に入って、今日は明るいうちにキャンプ場へ戻ってきた。
そして二日目の宴会に入る。
昨日で食べ物は出尽くしたかと思っていたら、今日も美味しそうな料理が次々と回ってくる。
そんな料理を腹一杯食べて、ビールで気持ちよく酔っていたら、寝不足がたたって強烈な睡魔が襲ってきた。
夜の8時前から既に爆沈状態。
明日は歴舟川の最上流を下るというメンバーが朝7時に出発しようと言っている。さすがにそのメンバーは今日は早く寝るようだ。
私は明日は漕がないで真っ直ぐ帰るつもりだったけれど、どうせまた朝は早く目が覚めるだろうし、寝不足状態で札幌まで運転するのも辛そうなので、私も早く寝ることにした。
そうして8時半にはテントにもぐり込んだ。
そして三日目の朝、目覚めたのは4時半だったけれど十分な睡眠をとったので、とっても快適である。空には雲が広がっていたけれど、そんなことは関係なく朝から絶好調と言った感じだ。
今日、上流部を下る予定の3名もしっかりと早起きしていた。これならば7時スタートも無理ではないだろう。
最上流部を下るのはかなり時間がかかりそうだけれど、キャンプ場から大樹町まで下るのならば2時間もかからない。もしも7時にスタートすれば9時には大樹町へ着いてしまう。この時間ならば、それから札幌まで戻るのも全然辛くない。
かみさんにそれを提案すると、「やっぱり!」と言った表情を浮かべた。昨日の夜、私が早く寝すぎたものだから「何となくそんなことを言い始めそうだ」と心配になったかみさんも用心のために9時過ぎに寝ていたのである。
結局、S吉さんと今日の夜のフェリーで横浜まで帰るというKさんが付き合ってくれることになった。
そうと決まれば、サッサと朝食を済ませて荷物を片付けてと、テキパキと行動する。
例会キャンプの朝は、時間がありすぎて何時もダラダラと過ごしてしまうのだけれど、せっかちな私はそれがどうも苦手である。
これくらい忙しい方がちょうど良いのだ。
クラブのメンバーが上陸地点まで車を回しておいてくれるというので、準備ができたらそのままキャンプ場前から下ることができる。
そんな好意に甘えさせてもらって、朝のカヌー散歩に出かけた。
大樹町市街地まで1時間半ほど。水量も多く、前日下った上流部より瀬の迫力もあり、朝の散歩にしてはかなりご機嫌なダウンリバーだった。
キャンプ場へ戻ってくると、S吉さんのタープが一つ残るだけで、他は全て綺麗に片付けられていた。
ガンネルズのメンバーも既に片付けを終えていて、車を連ねて本日の目的地「落庵」へと向かって行った。常に一緒に行動するのが如何にもガンネルズらしい。
ウィルダネスのメンバーは既に帰ってしまった人、上流部を下っている人、S吉さんはこれから炭を熾して焼肉をすると言うし、私はそのまま札幌へ帰ることにする。
例会が終わればそれぞれがバラバラに帰っていく、これもまたウィルダネスらしいところだ。
こうしてカヌー仲間との楽しい三日間が終わりを告げたのである。 |