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屋根の下では寝られないかなやま湖キャンプ

かなやま湖スポーツ研修センター前(8月18日〜19日)

 カヌークラブ8月例会の宿泊場所は、かなやま湖畔キャンプ場に隣接する金山湖スポーツ研修センターである。
 最初にその名前を聞いたときは「はて?キャンプ場の近くにそんな施設なんてあったっけ?」とピンと来なかったけれど、初日の川下りを終えて現地に着いてみると、なるほどキャンプ場の管理棟近くに大きな建物が建っていた。
スポーツ研修センター 湖畔キャンプ場の駐車場は道路沿いに細長く伸びているが、研修センターはこの駐車場の端に位置している。
 この建物の2階に宿泊できるような和室があり、1階は全てカヌーの艇庫になっている。
 今回はカヌークラブのメンバーで某高校カヌー部教諭のYさんの配慮で、この艇庫に置いてあるカヌー・フラットウォーターレーシング艇に試乗させてもらうことになっていた。
 このレーシング艇だが、流れのない静かな水上でただひたすらスピードを競うために作られた舟なので、一般に知られているカヌーとは全くの別物で、それに乗って水の上に浮かぶのさえ難しいという話である。
 大きな艇庫の中には普通のカナディアンカヌーの他に、それらレーシング艇がずらりと並べられている。その中から今回はカナディア1人艇とカヤックの1人艇、2人艇に試乗することにした。
 それをまず湖面まで運ばなければならないのだけれど、この日の金山湖の貯水率は26%。湖の中央部に架かる鹿越大橋から上流部側を眺めると、そこには湖は存在せず、一面の泥野原の中にひと筋の川が流れているような有様である。
 かなり昔にかなやま湖畔キャンプ場を利用した時も湖の水位はかなり下がっていて、私達のサイトの前を高校のカヌー部員らしい人達がこのレーシング艇を担いで湖面までゾロゾロと歩いていくのを見たことがあった。
 その時は「これは、湖にカヌーを降ろすだけで良いトレーニングになりそうだな」と、他人事のように眺めていたのだけれど、まさか自分がそのカヌー部員のような立場になるとは思ってもみなかった。
 元々がこの付近は、道路から湖面まではかなりの高低差があるところだ。満水時の本来の湖岸部分までたどり着いても、湖面はまだ遥か彼方で、そこで釣りをしている家族連れがまるで米粒程度の大きさにしか見えない。

渇水のかなやま湖   遥か彼方の水面

  カヌーを担いで黙々と歩き続け、ようやく水際まで到着。軽く作られているレーシング艇とは言えど、ここまで運ぶだけで疲れきってしまった。
 やっとたどり着いた水際も、一歩足を踏み出すと土の中にズブズブと足がめり込むような状態で、水の中に入ったら入ったで底の泥が舞い上がりあっと言う間に泥水に変わってしまう。
 そんな中でまずはカナディアンに試乗する。カナディアンといってもこれも一般のカナディアンとは全く別物で、膝立ちで漕ぐからカナディアン(K)として区別されているだけの話だ。
 これに片膝をついた状態で足を一直線上に揃えて乗るのである。最近の改良された艇は、よりスピードが出るようにとギリギリまで細く作られていて、本当に片膝を乗せる幅しか無いのだ。
 私達が乗せてもらったのは一昔前の幅の広い艇だったけれど、それでもバランスを取るのが精一杯で直ぐにひっくり返ってしまう。そしてひっくり返った先が、この泥水の中である。
 ここに来る前はシーソラプチ川の清流で洗われてきたと言うのに、このギャップはひどすぎる。まるで有明海の干潟で行なわれるガタリンピックの競技にでも参加しているような気分だ。
 二人用のカヤックにもY先生と一緒に試乗させてもらったが、こちらは何とか前に進むことができた。一人用のカヤックにテクニシャンのF本さんがチャレンジしたが、こちらもバランスを保つのに悪戦苦闘。
 やっぱり、フラットウォーターレーシングの世界は、全くの別世界だったのである。
 泥まみれになって研修センターに引き返し、艇庫横の散水栓から繋いだホースで体の泥を洗い落とした。

カヤック2人艇試乗   カナディアン試乗

 数日前まで続いていた猛暑が嘘のように、今日は涼しい一日で、夕方になって更に気温も下がってきたようである。せっかくF谷さんがビールサーバーを用意してくれたのに、どうせならもっと暑い中で生ビールを味わいたかった。
 でも、暑い時に飲んで美味しく感じるのは最初の一杯だけ。二杯目以後は暑くても寒くても大して関係ないのだ。
 艇庫の前でそれぞれ炭を熾してバーベキューを始める。カヌー部の夏合宿と言った風情で何となく楽しくなってくる。
 その後、研修センターの調理室で作られた美味しそうな料理が次々と運ばれてきて、次々とたいらげられていく。
 今夜の酒の肴は、今年の春に買ったばかりのBMWで例会にやって来て下り終えた後にここまで来ようとしたらそのまま車が動かなくなってしまったK岡さんである。
 結局、今日札幌からディーラーが車を取りに来ることになって、K岡さんはクラブのメンバーの車で明日札幌まで送ってもらうことになり一件落着。それでも、車を引き渡すまでは気が気でない様子のK岡さんである。
 そんなK岡さんを皆で励ましてあげようとの純粋な優しい気持ちで、皆で笑いものにしながらビールを飲むのであった。

艇庫の前で宴会   宴会真っ盛り

 今夜は研修センターの畳の上でゆっくりと寝るつもりでいたけれど、そこの直ぐ隣には緑の木陰にテントを張って気持ち良さそうに寛いでいるキャンパーの姿が見えている。
 小中学校夏休みの最後の週末なので、キャンプ場はさぞかし大混雑だろうと予想していたが、思ったほどではなかった。とは言っても、普段の私の間隔から言えば、とてもテントを張る気にはならないような混み方である。
キャンプ場の様子 それでも、面積の広いキャンプ場なので、駐車場から遠い端の方まで行けばかなりゆったりとテントを張っているようなキャンパーも見受けられる。
 研修センターの艇庫前広場は小高くなっているので、そこからのロケーションはなかなかのもだ。朝、テントの入り口を開けると、その風景が目の前に広がっているなんて、考えただけで嬉しくなってくる。
 屋根の付いた畳の上で寝るのと、こんな素晴らしい環境の中でテントで寝るのとどちらが快適かと考えたら、私は絶対にテントの方を選択してしまう。
 酔っ払って足元がふらつき始める前に決断を下して、広場の隅にテントを設営することにした。
 最初から屋根の下で飲み食いしているのなら、そのまま屋根の下で寝ることに何の抵抗も無いのだけれど、こうして空の下で飲み食いしていたら、寝るときだけ屋根の下に入ると言う行為がどうもしっくりとこない。
 そのまま空の下で眠ってしまうのが、人間の本能に基づく一番自然な行為なのである。
 などと訳の分からない理屈を並べているけれど、一番の理由は酔っ払ったらそのまま隣のテントに潜り込んで寝てしまえば楽で良いと言うことだったりするのだ。
 とは言っても、最近はあまり遅い時間まで飲んでいると翌朝にもろに影響するようになってきたので、明日の川下りに備えて11時前にはサッサとそのテントに潜り込んでしまった。

 1週間前の落合キャンプでは、シュラフを忘れてしまい寒くて寝られなかったのに、今夜は逆に、シュラフに入っていると暑くて目が覚めてしまった。
 時間は午前2時前、テントの外からは虫達の合唱が聞こえてくる。
 「やっぱりテントで寝て良かったな〜」と思いながら虫の鳴き声に耳を傾けていたら、それに混じってキャンパーの話し声も聞こえてきた。
 数人のグループのようだけれど、この静けさに似合わないような大きな声で話している。おまけに時々バイクのエンジンをかける音まで響いてきた。虫の声だけを聞いていようと努力したけれど、どうしてもその話し声が気になって眠れない。
 気晴らしにテントの外に出てみると、雲の切れ間から美しい星たちが覗いていた。空気が澄んでいるので、雲がなければ素晴らしい星空が広がっていたことだろう。
 再びテントに入ったが、3時過ぎまではその話し声は続いていたようだ。こちらはまだ離れているから良いけれど、近くにテントを張っているキャンパーはうるさくてたまらないだろう。
 これがあるから、夏休み時期のキャンプ場には泊まる気になれないのだ。

私の寝床 その後一眠りしてテントの中が明るくなってきた頃に目を覚ますと、早くもテントの外から話し声が聞こえてきた。何時も一番の早起きのS吉さんの声である。
 そのままもう少し微睡んでいようと努力しても、私も早起きなものだからそれ以上はどうしても寝ていられない。話し声の中にはかみさんの声も混ざっているようだ。かみさんも私以上に早起きなのである。
 諦めて私も起き出すことにした。
 朝露に濡れるテントの入り口を開けると、まず目に入ってくるのは湖畔の木々とその向こうの山の姿。これを楽しみにわざわざテントを張ったようなものだ。
 何時も使っているソレアードでは、一旦インナーテントを出てフライの窓を開けなければ外の景色が見られない。それに比べて小さなテントではシュラフに入ったままの体勢でも外の様子を見ることができる。
 だから何なのだ?と言われたらそれまでだけれど、「目が覚めたらそのままテントの入り口を開けて朝の透き通った風景を楽しむ」私はこの瞬間に小さな幸せを感じてしまうのである。
 テントから抜け出すと、かみさんを含めた早起きメンバーが4人、朝のコーヒーを飲んでいるところだった。
 まだ朝も早いのに、何となく空気が暖かく感じられ、数日間遠ざかっていた夏がまた舞い戻ってきそうな雰囲気だ。
 S吉さんの入れてくれたコーヒーを飲んで寛いでいると、一人また一人と眠そうな顔で起きてくる。話を聞くと、建物の中は暑苦しく、おまけにIさん、Kさんの鼾も相当にうるさかったようで、あまり快適ではなかったようである。
 やっぱりテントの中で寝たのは正解だったみたいだ。
 それにもし私も建物の中で寝ていたとしたら、IさんとKさんとTさんの鼾がうるさかったと言われていたかもしれない。
 早朝はまだ上空にも雲が広がっていたけれど、気温が上がってくるといつの間にかその雲は無くなり、真っ青な空が広がっていた。
 夏休み最後の週末、今日も一日楽しく過ごせそうだ。

早起きの人達   艇庫に射し込む朝日



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