二日目の目的地は宗谷丘陵、そして宿泊地は猿払村のさるふつ公園キャンプ場である。
今年のGWのキャンプでも宗谷丘陵を訪れていたが、残念ながら生憎の曇り空。宗谷丘陵の風景は青空の下でこそ生きてくると考えていたので、既にその時から今年中にもう一度ここへ来てやろうと心に決めていたのだ。
宗谷丘陵リベンジ、これが今回のキャンプの行き先を道北に定めた一番大きな理由だった。
日の出岬を後にして、まずは昨日花火が打ち上げられていた雄武町の産業観光祭り会場に寄ってみる。会場入り口では巨大な鍋で今まさにカニが茹でられている最中だった。でも、それが食べられるのはまだ先みたいだ。
売店のテント前は既に黒山の人だかりとなり、9時の販売開始を今や遅しと待ち構えている。漁協のテントの前が人が一番多い。我が家はその人だかりを避けて他のテントを見て回った。メインはやっぱりカニだ。
せっかくだからと、我が家もそこで1匹千円のカニを購入。今日のキャンプ地は猿払公園キャンプ場を予定していたので、本来ならホタテ三昧の夕食のはずだが、別にそれに毛ガニが追加されたからと言って何の問題も無い。
ついでに牛串や焼き鳥を買って車まで戻った。留守番していたフウマは思わぬお土産に大喜びだ。
祭り会場を後にして、途中のハマナス交流広場キャンプ場に立ち寄った。
電源付きのオートサイトを無料で利用できると言うことで人気のあるキャンプ場だが、さすがにサイトはほぼ埋まっていた。
中の通路をぐるりと回ってみると、テントの横にもう一つブルーシートで小屋を作っているキャンパーや巨大なアンテナをサイトの中に建ててしまっているキャンパー、その他にも家庭用の布団がずらりと干されていたりと、長期滞在者が多く独特の生活臭が漂うようなキャンプ場だ。
現在は閉鎖されてしまった富良野の鳥沼キャンプ場の様子を思い出してしまうが、我が家としては全く触手の動かないタイプのキャンプ場である。
その次にウスタイベ千畳岩キャンプ場にも寄ってみる。
ここに初めて泊まったのは9年前の風と霧のひどい日で、翌日から始まる枝幸かに祭りの準備で夜遅くまで大音量でスピーカーの調整などが行なわれていたりと、あまり良いイメージは無かった。
次に訪れたのはカニ祭りの真っ最中。キャンプする予定は無かったので一観光客としてカニ汁を食べたりして楽しませてもらった。
今回はカニ祭りを1週間後に控えているものの、その準備はまだ始まっていなくて静かな様子の場内だった。
真っ青な空の下に広がる緑の芝生広場、青い海に遠くの神威岬もくっきりと浮かび、こんな日のウスタイベは本当に美しい。
「良いな〜、ここに泊まりたいな〜」、ぼそりと呟くかみさん。
そんなこと言われても、素晴らしい青空が広がるこんな日だからこそ宗谷丘陵までは絶対に行きたいし、そこまで行ってからまたウスタイベまで戻ってくるのも馬鹿らしいのである。
場内をぐるりと回ると、テントを張るとしたらここしかないだろうと二人の意見が一致する場所を見つけた。
キャンプ場の一番奥、やや小高くなっていて神威岬が正面に見えるサイトだ。
頭の中に浮かんでくる最高のキャンプシーンを振り払って、宗谷岬へ向けて北上を続けることにした。
道路上から時々オホーツク海が見えるが、そのあまりにも鮮やかな群青色の海に思わずドキッとしてしまう。本当に気持ちの良いオホーツクドライブ日和だ。
浜頓別に近づくと急に風が強くなってきた。道路沿いの風力発電の風車が勢いよく回転している。
猿払村の浅茅野付近から国道を離れて海岸沿いの道路を走る。牧草畑の中に伸びる真直ぐな直線道路、私のお気に入りのスポットである。
今回は雲一つ無い青空のおかげで、その風景がなおさら際立って見える。
猿払村市街地の手前にあるライダーハウス兼食事処の「やませ」と言う店で昼食にすることにした。
店の入り口に「イトウ釣りの方は長靴の泥を落としてからお入りください」との注意書きが貼られているのが如何にも猿払らしい。
1000円のやませ定食を注文。ホタテの刺身にサケのルイベ、ホタテの照り焼き、ホタテのあえものにカニの味噌汁、地元産の海産物が沢山付いて、これで1000円はお得である。
途中の直売所で殻付きホタテを買うつもりでいたけれど、この昼食でホタテはもう十分と言う気分になってしまった。
そうして猿払公園キャンプ場に到着。これだけ風が強くてはとてもテントを張る気にはなれない。もし風が無かったとしても、果たしてテントを張っていたかどうかは分からない。
一度ここを下見で訪れたときは、どんよりとした曇り空であまり良いイメージは無かった。それでも宗谷丘陵からは一番近いし、青空の日なら開放的な気分のキャンプを楽しめるだろうと考えていたのだ。
ところが、車が沢山停まっている道の駅に隣接しているものだから、第一印象はやっぱり良くないのである。
一張りだけ張られているテントが風に煽られて今にも吹き飛ばされそうになっている。道の駅に寄っただけでキャンプ場へは足を踏み入れずにそのまま宗谷丘陵へと急いだ。
行く手の空に雲がかかってきたのが心配である。強風に乗って日本海から雲が流れ込んで来ているのかもしれない。これではGWに訪れた時の二の舞になってしまいそうだ。
宗谷岬まで行く手前で丘陵の中へ続く砂利道があったので、そこを進んでみることにした。
坂道を登りきったところで後ろを振り向くと、緩やかな丘のうねりの向こうに真っ青な海と空が広がっていた。
宗谷丘陵に興味を持って以来何度か足を運んでいたが、ようやく期待していた風景に出会えた気がする。
ただ、前を向くと強風によって千切られたような雲がどんどんとこちらの方に向かって流されてきているのが見える。
雲に覆われる前にもっと奥まで行かなくては。車に飛び乗って先を急ぐ。やがて砂利道は舗装道路へとぶつかった。GWに来たときは冬季間の通行止めで通れなくなっていた道である。
丘陵地帯の中でもひときわ高く聳えて、頂上にレーダー施設が作られている山の方へと進んでみた。
坂を上るにしたがって宗谷丘陵の全貌が眼下に広がってくる。一番眺めのよさそうな場所で車を停めて外に出てみる。
周氷河地形と呼ばれる氷河の侵食によって作られたなだらかな丘の連なり、この風景に逢いたくてはるばると札幌からやってきたのである。
しかしオホーツク海の方を見ると青空が広がっているのに、後ろを振り向くと空はほとんど雲に覆われてしまっていた。
天気が良ければ、もう少し周辺を走り回って色んな角度から丘陵の風景を楽しんでみたかったけれど、これだけ雲が広がってしまうと、この場所以上の風景には出会えそうにも無い。
時間が無いのでそろそろ戻らなくては。
猿払公園に泊まるのならばもっと時間の余裕があるのだけれど、私の心の中では既にこの時ウスタイベまで戻ろうと言う気持ちになっていたのである。
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