トップページ > キャンプ > キャンプ日記 > 2005年キャンプ日記

2005年のキャンプを振り返って

白金温泉キャンプ 例年通り、今年のキャンプも雪中キャンプからのスタートとなった。
 サラサラと樹木に積もった雪が舞い落ちる真っ白な森の中でのキャンプ。
 これまでにも様々なキャンプシーンを経験してきたが、私が最後まで憬れ続けていたキャンプシーンがこれである。
 その長年の夢が、今年のキャンプ始めとなる白金温泉の森の中であっさりと実現されてしまった。
 それはそれで嬉しいけれど、直ぐにまた次の夢を考え出さないと、いずれはキャンプに飽きがきてしまうことになるだろう。
 ファミリーキャンプを始めたばかりの頃は、何処へ行っても新鮮な感動を覚えることができた。ところが年数を経てくると、そうもいかなくなってくる。私は元々飽きっぽい性格なので、一つの趣味が長続きするということがあまり無い。
 キャンプを趣味として考えた場合、私の中では一番長く続いている趣味と言えるだろう。
 ただ、その趣味も次第に様変わりしてきて、昔はキャンプそのものが目的だったけれど、最近は目的は他にあって、キャンプはそのための一つの手段と言う感じになってきた気がする。
朱鞠内湖キャンプ 他の目的が無くて、ただキャンプへ行きたいと言う時も当然出てくる。そうなると、それじゃあ何処へ行こうかと頭を悩ますことになってしまう。
 そんな時はどうするかと言えば、無理矢理目的を作ってしまうのである。
 3月に朱鞠内湖へ行った時のキャンプの目的は「朱鞠内湖で満月の夜を楽しもう」である。取って付けたような目的だが、この時期の朱鞠内湖キャンプは何度も経験しているので、何か新しいことを考えないとモチベーションを保てないのだ。
 でも、そんな苦しい理由を無理矢理考え出さなくても、朱鞠内湖での雪中キャンプは何時も楽しいものになる。
 今年も目的通りの満月に照らされた銀色に輝く朱鞠内湖の風景を楽しめたし、ちょうど良い堅雪になっていて雪原を自由に歩き回ることもできた。そしてもちろんワカサギもそれなりに釣れて、やっぱり朱鞠内湖はどんな時でも我が家を満足させてくれる。

 次はGWの道東キャンプである。
 昔はGWにキャンプをする人などほとんどいなかったのに、最近は人気キャンプ場になると予約するのも大変なくらいに、GWから混み合うところもあるみたいだ。
 それなのに我が家の場合は、GWにキャンプをしたことは数えるくらいしかなかった。それが今年は3泊の予定を立てたものだから、久しぶりにワクワクするGWとなった。
 この時もまずは目的地ありき、私にとって未開の地である風蓮湖周辺を探索してみようというものだった。
 それから泊まるキャンプ場を探すのだが、そもそもGWからオープンしているキャンプ場は少なくて、結局尾岱沼青少年旅行村に2泊、しれとこ自然村に1泊することになる。
 尾岱沼は私のお気に入りのキャンプ場、この時期に泊まるのはもちろん初めてだ。以前にここに泊まった時、サイトの直ぐ隣に湿地があるのでミズバショウの花を見ながらのキャンプも楽しめそうだなと考えたことがある。
 今回はちょうどそのミズバショウが満開になっていた。ミズバショウが目の前に見える場所にテントこそ張らなかったものの、これで一つ宿題を片付けられた気がした。
 知床のキャンプ場は、ウトロ側、羅臼側を含めて初めての利用だった。
 今年は知床が世界自然遺産にも登録され、これからますます観光客も増えてくることを考えると、ちょうど良い時期に泊まることができたと思う。
 今でさえ夏休み期間中は大混雑なのに、来年からはもっと混雑するのだろうと考えると、知床まで足を伸ばす気持ちは無くなってしまいそうだ。

尾岱沼青少年旅行村 しれとこ自然村
尾岱沼青少年旅行村 しれとこ自然村

 今年はカヌー関連のキャンプも多くなった。
 クラブの例会では美利河キャンプ場、幌加内湖公園、どんころ野外学校、旭川の橋の下、その他にはカヌー仲間で札内川園地、然別湖北岸などに泊まっている。
 この中では4回が雨の中でのキャンプとなってしまい、例会に合わせて我が家だけで泊まった阿寒湖畔でも雨に降られているので、カヌー+キャンプの組み合わせではかなりの確率で雨に祟られていることになる。
 これでは雨男と言われてしまうのも、しょうがないだろう。
 誰もいない静かなキャンプ場で、焚き火をしながらのんびりと時を過ごすというのが我が家のキャンプスタイルである。
 ところが、カヌーキャンプの時はそれとは180度違ったキャンプになってしまう。以前はそんなキャンプになかなか慣れることができなかったけれど、最近はようやく抵抗も無くなってきた。
 別に意識しないで、普段通りの我が家のスタイルで楽しんでいれば良いと言うことが分かってきたのである。
 最近はすっかりカヌーにはまってしまい、キャンプスタイルがどうのこうのと言うよりも、とりあえずカヌーに乗れればそれだけで嬉しいのだ。

札内川園地キャンプ場 然別湖北岸野営場
札内川園地キャンプ場 然別湖北岸野営場

 カヌーキャンプと言えば、今年初めてチャレンジした歴舟川でのダウンリバー1泊キャンプ。
 カヌーにキャンプ道具一式を積み込んで、途中の適当な河原に上陸してテント設営、最小限の装備で食事を済ませて、流木を拾い集めての焚き火、ビールを飲みながら河原に寝転がって、夜はテントの外の不思議な物音に怯え、朝は川の水で顔を洗う。
歴舟川の河原 こんなキャンプを一度経験すると、もう普通のキャンプでは満足できなくなってしまうのではないかと、心配になってきてしまう。
 今年の我が家のベストキャンプを選ぶとしたらこのキャンプが第一候補に挙がりそうだが、普通のキャンプとは全然別物なので、ベストキャンプは他に譲ることにしよう。
 必要な装備も揃えたし、これからは毎年1回はダウンリバーキャンプに出かけたいものである。

 今年は私一人でキャンプする機会も多かった。
 1回はカヌークラブ例会でのピリカキャンプにソロで参加、その他は賀老高原と青山農場で純粋なソロキャンプを楽しんだ。
 別にかみさんを置き去りにしたわけではなく、どうしても都合が悪いというので、しょうがなく私が一人で出かけることにして、かみさんはそれを快く見送ってくれたのである。
 もっともこれは私の勝手な解釈で、帰ってきてからあまり楽しそうな顔をしていると非難の眼差しが飛んでくるところを見ると、かみさんの本心は多分違うのだろう。
 それでもやっぱりソロキャンプが楽しいのは事実である。
 ソロとは言っても、フウマは一緒である。もしもフウマがいなければ、さすがに一人では寂しすぎるかもしれない。
 それくらいフウマは、キャンプの相棒として欠かせない存在になってしまった。
 ソロキャンプの時はトイレや水場が無くても大して関係ない。できればそんな時こそ、キャンプ場ではなくて人里離れた山の中とか河原でテントを張った方が楽しそうだ。
 かみさんから見放された時のために、そんな秘密のフィールドを2つ3つ確保しておきたいものである。


賀老高原キャンプ場 青山農場キャンプ場
賀老高原キャンプ場 青山農場キャンプ場

 初めて泊まったキャンプ場は今年だけで8ヶ所になり、これでとうとう実際に利用したキャンプ場の数も100ヶ所を突破した。
 道内には300ヶ所以上のキャンプ場があるし、まだまだ新しいキャンプ場の開拓の余地はありそうに思えるが、実際にはめぼしいキャンプ場はほとんど利用してしまったので、これ以上数を増やすのは難しそうだ。
 是非泊まってみたいというキャンプ場もまだ幾つかは残っているけれど、ペット禁止の場所ばかりなのでしばらくは泊まれそうにない。未開の地である道南方面まで足を伸ばせばその数も増やせそうだが、長期の休みがとれるとどうしても道東、道北方面に行きたくなってしまう。
 こうなると、あまり名前の知られていない穴場キャンプ場を見つけるしかない。
 我が家の場合、あまり計画を立てずにキャンプへ出かけるものだから予定が狂って泊まる場所が見つからなく、キャンプ難民になってしまうことがたまにある。
富里湖キャンプ場 暗くなるまでに何処か泊まれる場所を探さなければならない。
こんな時は内心かなり焦るのだけれど、新しいキャンプ場を開拓するチャンスでもある。
 今年も、晩成キャンプ場に振られて、ナウマン公園キャンプ場が気に入らず、暗くなる頃にやっと歴舟川のカムイコタンにたどり着いたと言うことがあった。
 それともう1回、多和平キャンプ場に泊まる予定が、ちょっとしたトラブルで北見まで行く羽目になり、結局北見の近くの富里湖キャンプ場に泊まったと言うこともあった。
 この富里湖が思いもよらず快適なキャンプ場だったのである。
 無計画なキャンプの方が、何が起こるか分からないスリリングさがある。
 快適なキャンプよりも思い出に残るキャンプがしたい。トラブルもまた楽しいものなのである。

 今年オープンしたばかりのオロウエン大滝と言う民営のキャンプ場にも泊まった。
 民営のキャンプ場には、星に手のとどく丘のようにしっかりしたキャンプ場の経営を目指してオープンしたところもあるが、ここは趣味の延長でキャンプ場を作ったと言った感じの場所である。
オロウエン大滝 そんなキャンプ場は当たりはずれが大きいけれど、ここは当たりの部類に入るところだろう。
 他にもそんなキャンプ場で2ヶ所ほど目を付けている場所があるが、当然ガイドブックには載っていないし、利用した人からの情報もほとんど無いので、どんなところかは行ってみないと分からない。
 来年あたりにはチャレンジしてみたいところである。
 またここは、私の中では今年の新緑キャンプの場所として位置づけていた。ちょうど良い時期を狙ったつもりが、場内のシラカバ林は爽やかな薄緑色に染まっていたものの、周囲の山の木々は期待に反して寂しい冬の姿のままだった。
 この後の賀老高原でのソロキャンプも、時期的には遅いけれど標高も高い場所なのでもしかしたらまだ新緑を楽しめるかもと淡い期待を抱いていたが、私としては既に緑が濃くなり過ぎている気がした。
 木々が一斉に芽吹き始めた時の赤みがかったような新緑の風景が大好きなのだけれど、そのタイミングに合わせてキャンプをするというのはなかなか難しいものである。

 タイミングの難しさでは紅葉キャンプも同じである。特に今年は秋に入ってから暖かな日が続いた影響で、各地の紅葉もかなり遅れがちになっていた。
 ところがこれが我が家にとっては幸いだったようである。
 紅葉の美しい時期にキャンプへ行けないと嘆いていて、本来なら紅葉が終わりかけている10月中旬にやっと3泊のキャンプの予定を組んだら、それがちょうど紅葉の最盛期と重なってくれたのだ。
 我が家のこれまでのキャンプの中で最高の紅葉キャンプを挙げるとしたら、9年前の丸瀬布森林公園になるだろう。
 今回も旅の途中にこのキャンプ場に立ち寄ったところ、その時の紅葉と全く同じ色付き具合になっていた。そのままそこに泊まれば9年前の最高のキャンプの再現となるところだったが、それが分かっていても同じキャンプを2度する気にはなれないのが私の性格である。
ふうれん望湖台キャンプ場 そのまま当初の予定通り、コムケ国際キャンプ場に泊まった。海岸沿いのキャンプ場で内陸部より気温が高いこともあって紅葉は楽しめなかったが、昔親子3人で泊まった時のことが思い出されて、感慨深いキャンプとなった。
 その後は歌登へ向かう予定だったのが例によってトラブルに見舞われ、予定外のふうれん望湖台キャンプ場へ泊まることになる。
 歌登を断念した後は日向森林公園に向かい、そこが気に入らなかったものだから今度は逆戻りして日が沈む頃にやっと望湖台へ到着するという相変わらずのドタバタぶりである。
 ところが、そんなキャンプが今シーズンのベストキャンプになってしまうのだから、本当に何が幸いするか分からない。
 そしてついに、紅葉キャンプと言えば丸瀬布と言うくらいに、我が家の伝説になりかけていたキャンプを上回るような紅葉キャンプが楽しめたのである。

 11月に入ってシーズン最後のキャンプは北檜山自然休養村、我が家のキャンプの中では一番遅いテント泊となった。
北檜山自然休養村 それでも暖かな秋がその時まで続いていて、とても11月とは思えないような快適なキャンプを楽しむことができた。
 その時は、11月まで営業しているようなキャンプ場がもっとあっても良いのにと思っていたが、キャンプから帰って間もなく平年並みの寒さが戻ってくると、やっぱり普通の11月はキャンプをするような月では無いことを再認識させられた。
 今年一年は本当に天気に恵まれないキャンプばかりだったが、このラストキャンプでやっと雲一つ無い青空の下でテントを張れた気がする。
 今年のキャンプは25泊21ヶ所、その内容も団体キャンプからソロキャンプ、雪中キャンプから河原キャンプに橋の下キャンプ、本当にバラエティーに富んだキャンプを体験できた。
 それでも心残りは、海キャンプができなかったこと、歌登に泊まれなかったこと、晩成に3回連続で振られたこと。その他にも実現できなかったことが沢山残っている。
 そんなことを考えていると、早くも来年のキャンプに思いを馳せてしまうのだ。
 果たして来年は、行く先々でどんな出来事が待ち受けているのだろう。




戻る   ページTOPへ