朝食はキムチ鍋の残りで作った雑炊である。
テントの入り口を全開にすると、その奥まで朝の光が差し込んで来る。森の中ではときおり木々の枝から雪が舞い落ち、その雪が太陽の光でキラキラと輝き何とも言えずに美しい光景だ。たまに強い風が吹いてくると、森の空間はその雪の耀きに埋め尽くされる。
ここまで期待したとおりの演出をされると、何だか申し訳ないような気分になってしまう。
空は再び雲に覆われてきた。
ちょうど良い潮時なのでそこで撤収することにする。全ての荷物をまとめてソリに積み込み、感動の森に別れを告げた。
これでやっと暖かな車の中に入れると解っているフウマは、つい先ほどまでのヨレヨレの足取りがウソのように、先頭になって元気に駆けていく。本当に解りやすい犬である。
車に戻って荷物を片づけていると、バスに乗った団体さんがやってきた。スノーシューで森を歩く体験ツアーのご一行のようだ。撤収がもう少し遅かったら、危うくこのツアーの皆さんの見せ物にされるところだった。
帰りの温泉は、なりふり構わず一晩過ごした後のみすぼらしい姿のままで立派なホテルには入りたくないとかみさんが言うので、そのみすぼらしい姿でも安心して入れそうな銀瑛荘という旅館の日帰り入浴を利用する。
風呂は貸し切り、小さな浴槽からは茶色く濁った源泉が惜しげもなく溢れ出し、そこに身を沈めると体の芯から温まることができた。
私が夢に描いていた森の中での雪中キャンプは、まるでおとぎの国で一晩過ごしたような気持ちになれる最高のキャンプであった。
キャンプの写真アルバムを見る |