心配だった当日の天気も回復傾向、翌日は雨の予報になっていたが、今日の夜までは晴れていてくれそうなので、何とか星も観ることができそうだ。
蕎麦畑の写真も撮りたかったので、8時半には札幌を出発する。
前回そば畑の写真を撮ったのは土砂降りの雨の中、今回は雨上がりの真っ青な青空が広がり、良い写真が撮れそうだ。花の最盛期を過ぎているのでちょっと心配していたが、まだ素晴らしい景色が広がっていたのでホッとする。
白い花にはやっぱり、青い空がお似合いである。
そば畑の中を車でウロウロしながら撮影ポイントを探す。これはこれで探検気分で楽しいが、美瑛の丘の詳細な地図があるように、そば畑マップとかを作って欲しいところだ。
11時の開店と同時に「ほろほろ亭」に入った。何時食べても美味しい蕎麦だが、もうすぐ新蕎麦のシーズン、できればもっと美味しい新蕎麦を食べたかった。
そうして朱鞠内湖キャンプ場に到着。
先日のどんころキャンプ場で一緒だったSさんが、12日にどんころから朱鞠内湖へ先乗りしていてくれた。NIFTY関連のキャンプ仲間であるOさんも、同じ頃から朱鞠内湖入りしていた。
例会では第3サイトの炊事場付近にスペースを確保しようと考えていたが、場所取りするまでもなく、その付近はがら空きである。
湖畔沿いの一等地も、カヌー出艇場所用にSさんがタープを張って場所を確保していてくれた。
さすがに朱鞠内湖、お盆のこの時期でも混雑とは無縁のキャンプ場だ。
クラブのメンバーも徐々に集まりはじめる。
クラブの会長のokiさんは、数日前に屈斜路湖の砂湯キャンプ場に泊まったと言う話しだが、夜中にやって来た家族連れがokiさんのテントの50cm隣りにスクリーンタープを張られ、寝ている枕元でその家族の子供達に走り廻られたとご立腹である。
今時期の人気キャンプ場では、それが現実なのだろう。
Oさんがビールサーバーを持ってきていたので、それを飲ませてもらう。キャンプ場で飲む生ビールの味は格別だった。
そのまま飲み続けると、寝るまでずーっと椅子に座ったままになりそうなので、少しカヌーにも乗ることにする。
折角の機会なのでOC1に乗ってみた。普通のカナディアンと違って、さっぱり真っ直ぐ進んでくれない。
クラブの会長さんもカヤックで湖に漕ぎ出してきた。
会長さんは朱鞠内湖に来るのは初めてで、その景色にとても感動している。そのまま二人で何となく、サイトから一番近い弁天島まで漕いでしまった。
近いといってもサイトからは1km以上は離れている。そこまでは追い風だったので、何の苦労もなくやって来れたが、それからが大変だった。
ただでさえ真っ直ぐ進んでくれない不慣れなOC1。ドローストロークならば真っ直ぐ進めるけれど、それではこの向かい風の中では全然前に進まない。
悪戦苦闘しながらサイトまで戻ってきた時には、全体力を使い果たしたような感じだった。
どれくらいの人数が集まるか心配していたけれど、子供連れ3家族を含めて20人を越える数になった。
あまり多すぎても大変なので、これくらいで丁度良いのかもしれない。
クラブのメンバーでもないのに、Oさんが行者ニンニク入りピザとか、じゃがいもの紅丸をたっぷりと使ったポテトグラタンとか、朝からコツコツと煮込んだ絶品カレーとか、次々と差し入れをしてくれる。
他のメンバーは、キャンプ場でこんなに手の込んだ料理が出てくるので驚いている。
私も初めてOさんとキャンプをした時は、カルチャーショックを受けたものである。 今回、初めてOさんのアメリカ製キャンピングカーの中身を見せてもらったが、再びカルチャーショックを受けてしまった。
これならば毎週のようにキャンプができるわけである。自分の家で移動しているようなものだ。
窓の外には朱鞠内湖の美しい景色が広がって・・・。やっぱり見なけりゃ良かった。
Oさんも我が家と同じアリーに乗っている。
そんなOさんに、是非ともカヌークラブに入って欲しいと言う人もいたが、さすがにあの大型キャンピングカーで河原に乗り入れるのは難しそうだ。
夕方になると、さすがに第3サイトもテントで埋まってきた。ここでこんな数のテントを見るのは初めてかもしれない。
それでも場内は静けさに包まれている。ここが朱鞠内湖キャンプ場の素晴らしいところだと思う。
その静けさを破るのは気が引けたが、湖畔で花火大会を始めることにする。夜の8時なら許してもらえるだろう。打ち上げ花火の大きな音が湖畔に響き渡った。
大量に花火を用意していたので、大人も一緒に花火を楽しむ。我が家も、子供が小さかったころのキャンプの定番は花火だったが、最近はしばらく花火をやっていなかった。
もうもうと立ちこめる花火の煙の臭いが何となく懐かしく感じる。
第2サイトの方でも、これをきっかけに方々で花火が上がりはじめた。
最後に線香花火を皆で楽しんだ後、空を見上げると満天の星空が広がっていた。天の川もくっきりと見えている。
その美しさに感動の声が上がった。私も、朱鞠内湖でこれほど美しい星空を見るのは初めてかもしれない。前日の雨に洗われて、空気が澄んでいたせいなのだろう。月明かりもなくて、星を楽しむには最高の夜だった。
ペルセウス座流星群の極大日は過ぎていたが、流れ星も結構流れたみたいだ。かみさんも三つくらい見れたといっていたが、いつものように私が見ている方向には一つも流れてくれなかった。
焚き火の温もりが心地良く感じられるくらいに気温も下がり、そろそろ秋の気配が感じられる時期になったみたいだ。
12時過ぎにはテントに入り、気持ちの良い眠りについた。
朝起きると、あたりは濃い霧に包まれていた。それでも時々、淡い太陽の光も見えていたので、もしかしたら霧が晴れる時の美しい風景も楽しめるかもしれない。
かみさんは、昨日カヌーに一度も乗っていないので欲求不満になっているみたいだ。
早速、霧の湖にカヌーで漕ぎ出す。湖の水は驚くほど温かった。
今時期にしては、水位もかなり高い。水が減った時は、湖畔の切り株などが現れて、結構面白い光景を楽しめるが、やっぱり水が多い方が湖全体の景色は良くなる。
結局、その霧はなかなか張れてくれず、諦めて一旦上陸することにする。
朝食の材料は準備していたけれど、Oさんの昨日のカレーがまだたっぷりと残っていたので、またそれをいただくことにした。
大きな寸胴鍋一杯に作られたカレーは、一体何人分くらいあるのだろう。
そしてまた、行者ニンニクピザが焼き上がって出てくる。朝から思いっきり腹一杯だ。
いつの間にか霧も晴れていた。
雲がかかっているものの、風もなく湖はべた凪の状態。皆で島巡りツアーに出ることにする。
全部で9艇、川下りの時は20艇くらいになることもあるが、これだけの数のカヌーで朱鞠内湖に漕ぎ出すのも楽しいものだ。
ただし欠点もある。折角のべた凪で、鏡のようになっている湖面が、先頭を行くカヌーが立てる波で台無しになってしまうのだ。
ゆっくりと漕げば、それほど波も立たないのだろうが、皆パワフルな漕ぎ手ばかりなので、湖の上はあっと言う間に波に覆われてしまう。力一杯漕げば、まるでモーターボートみたいな波が立つのである。
こちらも負けじと力一杯漕いで、ようやく鏡の湖面に達することができた。皆、その光景の素晴らしさに魅入られたようにカヌーのスピードを緩める。
美しい朱鞠内湖の風景、これを皆に見せられただけで、今回の例会を企画した甲斐があった。
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