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夏の終わり朱鞠内湖キャンプ

朱鞠内湖キャンプ場(8月14日〜15日)

 8月の14・15日、しかも今年はこの日が週末に重なり、多分北海道のキャンプ場はどこに行っても激混みの状態だろう。
 そんな時に我が家が好きこのんでキャンプへいく筈は無いのだが、好むと好まざるとに関係なく、キャンプへ行かなくてはならなくなってしまった。
 私が所属しているカヌークラブの8月例会がこの日に決まっていて、しかも私がこの例会の担当なのである。
 いつもの川下り例会と違って、この度の例会はキャンプが主目的。夏休みの1日、たまには家族でのんびりと過ごしましょう、といったコンセプト企画され、例会のタイトルも「お父さんの罪滅ぼし、夏休み家族サービス朱鞠内湖キャンプ」である。
 川下りの時はお世話になってばかりなので、キャンプ例会の時くらいはそのお返しをしなくては。
 それでも、キャンプ場選びには悩んでしまった。
 皆に快適なキャンプを楽しんでもらうためには、修羅場と化した激混みキャンプ場だけは避けなくてはならない。一応カヌークラブのキャンプなので、カヌーに乗れる場所と言うのは必須条件である。
 最初は、混雑を避けるために某川の河原という案も出たが、道路状況の問題があってそれは断念。
 支笏湖、洞爺湖は問題外、金山湖、岩尾内湖も相当混んでいるはずだ。
 となると考えられるのは朱鞠内湖だけであるが、さすがの朱鞠内湖もお盆時期に空いているという保証は何もない。
 ただ、去年の8月の湖水祭りに泊まった時は、第3サイトの方はがら空きに近い状態だったという経験もあり、もしかしたら何とかなるかもしれない。
 と言うことで、8月の例会は朱鞠内湖キャンプ場第3サイトに決定、一面に広がるそば畑の白い花、幌加内町「ほろほろ亭」の美味しい蕎麦、政和温泉ルオントでの温泉入浴、朱鞠内湖の島巡りカヌーツアー、大花火大会等々、会報の中で目一杯魅力をアピールした。
 でも、お盆でそれぞれが予定のある中、本当に人が集まるのかがちょっと心配だ。

幌加内のそば畑1 幌加内のそば畑2

 心配だった当日の天気も回復傾向、翌日は雨の予報になっていたが、今日の夜までは晴れていてくれそうなので、何とか星も観ることができそうだ。
 蕎麦畑の写真も撮りたかったので、8時半には札幌を出発する。
 前回そば畑の写真を撮ったのは土砂降りの雨の中、今回は雨上がりの真っ青な青空が広がり、良い写真が撮れそうだ。花の最盛期を過ぎているのでちょっと心配していたが、まだ素晴らしい景色が広がっていたのでホッとする。
 白い花にはやっぱり、青い空がお似合いである。
 そば畑の中を車でウロウロしながら撮影ポイントを探す。これはこれで探検気分で楽しいが、美瑛の丘の詳細な地図があるように、そば畑マップとかを作って欲しいところだ。
 11時の開店と同時に「ほろほろ亭」に入った。何時食べても美味しい蕎麦だが、もうすぐ新蕎麦のシーズン、できればもっと美味しい新蕎麦を食べたかった。

 そうして朱鞠内湖キャンプ場に到着。
 先日のどんころキャンプ場で一緒だったSさんが、12日にどんころから朱鞠内湖へ先乗りしていてくれた。NIFTY関連のキャンプ仲間であるOさんも、同じ頃から朱鞠内湖入りしていた。
 例会では第3サイトの炊事場付近にスペースを確保しようと考えていたが、場所取りするまでもなく、その付近はがら空きである。
 湖畔沿いの一等地も、カヌー出艇場所用にSさんがタープを張って場所を確保していてくれた。
 さすがに朱鞠内湖、お盆のこの時期でも混雑とは無縁のキャンプ場だ。
 クラブのメンバーも徐々に集まりはじめる。
 クラブの会長のokiさんは、数日前に屈斜路湖の砂湯キャンプ場に泊まったと言う話しだが、夜中にやって来た家族連れがokiさんのテントの50cm隣りにスクリーンタープを張られ、寝ている枕元でその家族の子供達に走り廻られたとご立腹である。
 今時期の人気キャンプ場では、それが現実なのだろう。
 Oさんがビールサーバーを持ってきていたので、それを飲ませてもらう。キャンプ場で飲む生ビールの味は格別だった。
快晴の朱鞠内湖 そのまま飲み続けると、寝るまでずーっと椅子に座ったままになりそうなので、少しカヌーにも乗ることにする。
 折角の機会なのでOC1に乗ってみた。普通のカナディアンと違って、さっぱり真っ直ぐ進んでくれない。
 クラブの会長さんもカヤックで湖に漕ぎ出してきた。
 会長さんは朱鞠内湖に来るのは初めてで、その景色にとても感動している。そのまま二人で何となく、サイトから一番近い弁天島まで漕いでしまった。
 近いといってもサイトからは1km以上は離れている。そこまでは追い風だったので、何の苦労もなくやって来れたが、それからが大変だった。
 ただでさえ真っ直ぐ進んでくれない不慣れなOC1。ドローストロークならば真っ直ぐ進めるけれど、それではこの向かい風の中では全然前に進まない。
 悪戦苦闘しながらサイトまで戻ってきた時には、全体力を使い果たしたような感じだった。

クラブのタープ どれくらいの人数が集まるか心配していたけれど、子供連れ3家族を含めて20人を越える数になった。
 あまり多すぎても大変なので、これくらいで丁度良いのかもしれない。
 クラブのメンバーでもないのに、Oさんが行者ニンニク入りピザとか、じゃがいもの紅丸をたっぷりと使ったポテトグラタンとか、朝からコツコツと煮込んだ絶品カレーとか、次々と差し入れをしてくれる。
 他のメンバーは、キャンプ場でこんなに手の込んだ料理が出てくるので驚いている。
 私も初めてOさんとキャンプをした時は、カルチャーショックを受けたものである。 今回、初めてOさんのアメリカ製キャンピングカーの中身を見せてもらったが、再びカルチャーショックを受けてしまった。
 これならば毎週のようにキャンプができるわけである。自分の家で移動しているようなものだ。
 窓の外には朱鞠内湖の美しい景色が広がって・・・。やっぱり見なけりゃ良かった。
 Oさんも我が家と同じアリーに乗っている。
 そんなOさんに、是非ともカヌークラブに入って欲しいと言う人もいたが、さすがにあの大型キャンピングカーで河原に乗り入れるのは難しそうだ。

 夕方になると、さすがに第3サイトもテントで埋まってきた。ここでこんな数のテントを見るのは初めてかもしれない。
 それでも場内は静けさに包まれている。ここが朱鞠内湖キャンプ場の素晴らしいところだと思う。
 その静けさを破るのは気が引けたが、湖畔で花火大会を始めることにする。夜の8時なら許してもらえるだろう。打ち上げ花火の大きな音が湖畔に響き渡った。
 大量に花火を用意していたので、大人も一緒に花火を楽しむ。我が家も、子供が小さかったころのキャンプの定番は花火だったが、最近はしばらく花火をやっていなかった。
 もうもうと立ちこめる花火の煙の臭いが何となく懐かしく感じる。
 第2サイトの方でも、これをきっかけに方々で花火が上がりはじめた。
 最後に線香花火を皆で楽しんだ後、空を見上げると満天の星空が広がっていた。天の川もくっきりと見えている。
 その美しさに感動の声が上がった。私も、朱鞠内湖でこれほど美しい星空を見るのは初めてかもしれない。前日の雨に洗われて、空気が澄んでいたせいなのだろう。月明かりもなくて、星を楽しむには最高の夜だった。
 ペルセウス座流星群の極大日は過ぎていたが、流れ星も結構流れたみたいだ。かみさんも三つくらい見れたといっていたが、いつものように私が見ている方向には一つも流れてくれなかった。
 焚き火の温もりが心地良く感じられるくらいに気温も下がり、そろそろ秋の気配が感じられる時期になったみたいだ。
 12時過ぎにはテントに入り、気持ちの良い眠りについた。

霧の朱鞠内湖 朝起きると、あたりは濃い霧に包まれていた。それでも時々、淡い太陽の光も見えていたので、もしかしたら霧が晴れる時の美しい風景も楽しめるかもしれない。
 かみさんは、昨日カヌーに一度も乗っていないので欲求不満になっているみたいだ。
 早速、霧の湖にカヌーで漕ぎ出す。湖の水は驚くほど温かった。
 今時期にしては、水位もかなり高い。水が減った時は、湖畔の切り株などが現れて、結構面白い光景を楽しめるが、やっぱり水が多い方が湖全体の景色は良くなる。
 結局、その霧はなかなか張れてくれず、諦めて一旦上陸することにする。
 朝食の材料は準備していたけれど、Oさんの昨日のカレーがまだたっぷりと残っていたので、またそれをいただくことにした。
 大きな寸胴鍋一杯に作られたカレーは、一体何人分くらいあるのだろう。
 そしてまた、行者ニンニクピザが焼き上がって出てくる。朝から思いっきり腹一杯だ。
 いつの間にか霧も晴れていた。
 雲がかかっているものの、風もなく湖はべた凪の状態。皆で島巡りツアーに出ることにする。
 全部で9艇、川下りの時は20艇くらいになることもあるが、これだけの数のカヌーで朱鞠内湖に漕ぎ出すのも楽しいものだ。
 ただし欠点もある。折角のべた凪で、鏡のようになっている湖面が、先頭を行くカヌーが立てる波で台無しになってしまうのだ。
 ゆっくりと漕げば、それほど波も立たないのだろうが、皆パワフルな漕ぎ手ばかりなので、湖の上はあっと言う間に波に覆われてしまう。力一杯漕げば、まるでモーターボートみたいな波が立つのである。
 こちらも負けじと力一杯漕いで、ようやく鏡の湖面に達することができた。皆、その光景の素晴らしさに魅入られたようにカヌーのスピードを緩める。
 美しい朱鞠内湖の風景、これを皆に見せられただけで、今回の例会を企画した甲斐があった。

ツアーへ出発 美しい湖上の風景

 小さな島に上陸して一休み。
 その後は、そこから見える、湖の中央に突き出した1本の枯れ木まで行って引き返すことにした。
 水が減ると、こんな枯れ木がそこら中から現れて、何とも言えない不思議な世界を作り出すのだが、こんな風に1本だけ出ているのも何とも言えず面白い。
 帰りのことを考えるとここまでが限界だったが、力の余っているメンバーは、皆が休んでいる間にもっと遠くまで漕いでいって、また戻ってくる。その漕力には脱帽してしまう。
 帰りになっても風が吹かず、快適な湖上ツーリングが楽しめた。

 サイトに戻り、ゆっくりと昼食を食べる。
 1泊キャンプで昼食を食べてから帰るというのは、我が家にとってはかなり久しぶりのことだ。いつもならば、朝食が済むとサッサと片付けて帰ってしまうところだ。
 久しぶりにキャンプ場でゆっくりと時間を過ごすことができた。
 お盆の混雑時期、最初はちょっと心配だったが、こんなに快適なキャンプができるとは、やっぱり朱鞠内湖である。
 遠くから雷の音が聞こえてきたので、それを合図に片づけを始め、午後2時にはキャンプ場を後にする。
 SさんとOさんは、もう1泊していくみたいだ。私もたまに、朱鞠内湖に長期滞在してみたくなった。

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島の上で 湖上の枯木

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