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今年のキャンプの天気占いin朱鞠内

朱鞠内湖キャンプ場(2月21日〜22日)

 今年の雪中キャンプは何処へ行こうか。
私の場合、最近はオホーツクでの流氷キャンプにすっかりはまってしまった感があるが、かみさんの方は流氷はもう十分という様子である。
見て楽しむだけの流氷よりも、釣って楽しむ朱鞠内湖のワカサギの方がお好みみたいだ。
一方私の方も、毎年のように朱鞠内湖の雪中キャンプへ行っているので、朱鞠内湖はもう十分といった感じもする。それに今年の朱鞠内は、暖冬の影響か、積雪もそれほど多くはない。雪の少ない朱鞠内ではその魅力も半減である。
そうは言っても、やっぱり今シーズン最初のキャンプくらいは素直に妻の意見に従う方が得策かも知れない。
流氷キャンプの計画を一旦心の底にしまい込んで、朱鞠内湖へ行くことに決定した。
本来ならば前の週に行く予定だったが、大荒れの天気になる予報が出ていたので一週先送りすることにする。ところが、今週末はまた天気が崩れるとの予報に変わってしまった。
天気予報をそのまま信じれば、とてもキャンプへ行くような状況ではない。しかも冬のキャンプである。
ただ、先の予定も詰まっているので、これ以上先送りにはしたくないし、それに、本格的な雪が降る中でのキャンプはまだやったことがないので、もしかしたら楽しい体験が待っているかもしれない。
無理を承知でキャンプを決行することにした。

 雨の降る札幌を出発。
雪の降る中でのキャンプはそれなりに楽しめそうだが、この時期、雨の中でのキャンプだけはごめんこうむりたい。深川を過ぎる頃からようやく雨は雪に変わってきた。
それにしても、例年ならば幌加内へ近づくに従って次第に道路脇の雪山も高くなってくるはずなのだが、今年はその雪山の高さが全然変わらない。
幌加内の街中でも、去年は雪に完全に埋まってしまいただの白い雪山にしか見えなかった空き家が、今年は屋根に1m程度の雪は積もっているが、ごく普通の家に見える。
幌加内町添牛内の蕎麦の花道「霧立亭」で昼食を食べて、朱鞠内を目指す。その頃には雪も止んで、北の空には晴れ間も覗くようになってきた。
我が家が朱鞠内湖を目指す時は、大体が近づくに従って空が暗くなってくると言うパターンが多いが、今回は幸いその逆のようである。
朱鞠内湖へ到着、午前中に降った雪が新たに15cmほど積もっていた。
受付のおじさんに挨拶して、キャンプをしたいので受付小屋の裏に車を入れたいとお願いすると、快く了解してくれた。
以前は、こんな冬にキャンプをしたいなんて言うと一瞬怪訝な表情を浮かべられたものだが、最近はすんなりと理解されるので、その点では楽になった。
そのおじさんも、「毎年今時期にキャンプをしに来るライダーがいるんだけど、今年はまだ来てないなー。」なんて言っているくらいである。
我が家だって毎年のように泊まりに来てるんだけど、残念ながらおじさんの記憶には残っていないようだった。

 また湿った細かい雪が降り始めた。
テントを設営する場所を決めて、スノーシューでそこを踏み固める。
朱鞠内で初めて雪中キャンプをやった時は、たまたま第2サイトの駐車場が除雪してあったのでそちらを利用したが、それ以降は何時も同じ場所にテントを張っている。
気温が高いので、テントを建て終えた後はびっしょりと汗をかいていた。
上半身裸になって身体を乾かす。真冬の朱鞠内でまさか裸になるなんて思いもよらなかった。
ワカサギ釣りの風景 ここでビールを飲めば最高に美味いのだろうが、ワカサギ釣りの時間が無くなってしまうので、直ぐに釣りの用意をして湖に下りることにする。
釣りはじめた時間は午後2時、朱鞠内湖でのワカサギ釣りは4時までと決められているので、これでは2時間しか釣りができない。
いくら朱鞠内湖はワカサギの魚影が濃いと言っても、二人分2千円の入漁料を払って2時間しか釣れないのは勿体ない気もする。
翌日にじっくりと釣りを楽しむという選択もあるが、我が家の場合何百匹も釣るつもりもなく、夕食のおかずが増えれば良いという程度の考えなので、何時もこのパターンで楽しんでいる。
いつものように互いに数を競いながら、2時間で二人合わせて30匹の釣果、ちょっと数が少ないような気もするが、天ぷらにして食べるのにぎりぎりで満足できるラインだ。
雪も止んで空もいくらか晴れてきた。
テントに戻り、私が妻のトイレ用の雪穴を掘っていると、若者が二人やって来て妻となにやら話しをしている。
こんな冬にテントを張っている物好きな人間を見物しにやって来たのかと思ったが、彼らもそこにテントを張るとのことだった。
雪中キャンプを楽しんでいるのは我が家だけではないので、いずれはこんなこともあるだろうとは思っていたが、キャンプ場を一人で独占というささやかな楽しみが消えてしまったのはちょっとがっかりだ。
若者達の他におじさんも一人いて、彼のアドバイスでテントの設営をはじめた。若者達は初めての雪中キャンプ体験のようである。
聞いてみると、稚内から、マイナス41℃を記録した朱鞠内湖の寒さを体験しにやって来たと言うことである。
それならば、今日の暖かさは彼らにとっては不本意だったかも知れない。
テントの設営が終わるとその前に穴を掘って、お決まりの雪のテーブル作りだ。
我が家も雪中キャンプを始めた頃は、彼らと同じく雪のテーブルやイスを作りを楽しんでいたが、最近はすっかり堕落してしまい、雪中キャンプでも普通のイスを持ち歩くようになってしまった。
その方が確かに快適なのだが、その快適さと引き替えに雪中キャンプの本当の楽しみを忘れてしまったのかも知れない。楽しそうな彼らを見ていると、そんな考えが頭をよぎった。
 我が家のテント 隣のキャンパー 

風もなく本当に暖かな夜だ。
気温はマイナス2℃、これならば11月にキャンプをするよりもずーっと暖かい。
何しろ、その時期のキャンプとは着ているものが全然違うのだ。下半身が3枚、上半身が5枚の重ね着、ただ足だけが普通の靴下に長靴という11月とさほど変わらない装備である。
直接雪に接している足先からだけ寒さが伝わってくる。もしも足に直接張るタイプのカイロを持ってきていたら、あまりの心地よさに雪の上に寝転んでそのまま眠ってしまったかも知れない。
場内を少し散歩してみると、相変わらず勿体ないくらいの照明が灯されている。板で囲われて雪に埋もれた電話ボックスの中にまで灯りがついているくらいだ。
北電のダムがある関係で、電気料金が無料にでもなっているのだろうか。
管理棟の横を通ったついでに、そこのトイレのドアを押してみたが、何とそこには鍵がかかっていなくて、暖房も入ったままだった。
確か去年から夜間は閉鎖されることになったはずだが、今年から変わったのだろうか。それとも私たちのためにわざわざ開けておいてくれたのだろうか。
いずれにせよ、暖かなトイレが使えるというのはとても嬉しいことである。
ただ、妻のために汗を流して掘ったトイレ用の雪穴はどうすれば良いのだ。
いつの間にか上空には星空が広がっていた。
明日の朝日を楽しみにして眠ることにする。

 朝のテントサイト 樹氷の造形 

翌朝は隣のテントから聞こえてくる話し声で目が覚めた。
時計を見るとちょうど6時、その時計に付いている温度計はマイナス2℃になっていた。テントの中が真っ白に凍り付くこともなく、暖かな朝である。
外へ出てみると、あたりには薄い靄がかかっていた。朝霧と言うよりも、ただの曇り空と言った風情だ。
これでは4年前にここで見た、朝靄の中を光り輝きながら昇ってくる感動的に美しい朝日の再現は期待できそうにない。
ちょっとがっかりしながら朝のコーヒータイムを楽しむ。
早くも駐車場には車が一杯で、釣り人達がそれぞれの狙いの場所を目指して氷の上を移動している。
テントの周りの木の枝やトドマツの葉では氷の結晶が美しい幾何学模様を作り出していた。
昨夜のキムチ鍋の残りにうどんを入れて朝食にする。最近の我が家の雪中キャンプ定番マンネリメニューである。
朝食を食べ終え、スノーシューをはいて付近を少し歩いてみた。
昨日積もった雪の表面がクラストしているので、愛犬フウマはとても歩きづらそうだ。雪上を歩こうとすると、軽く凍った雪面を突き破ってしまい、苦労して足を引き上げても次の一歩でまたバリッと音をたてて埋もれてしまう。
途中であきらめて、その後はスノーシューの踏み跡をトボトボと付いて歩くことになるのだが、今度はスノーシューの後ろを時々フウマに踏みつけられるのでこちらの方が歩きづらくなってしまう。
テントの花 所々にキツネの足跡もあったが、彼らはその凍った雪を突き破らずに歩けるようだ。フウマが彼らのように雪上をスイスイ歩くためには、かなりのダイエットが必要かもしれない。
小高くなった場所から湖を見下ろすと、そこにはワカサギ釣りのカラフルなテントが並んでいた。氷の上に咲いた花のように見える。
テントに戻ってくると、隣りのテントは既に片付けられていた。
我が家も早めに撤収して、帰る途中にもう一度スノーシューを楽しむことにする。
受付のおじさんに挨拶して、キャンプ場を後にした。

 朱鞠内の市街地を少し過ぎた場所で車を停め、再びスノーシューを装着する。そこは春先にはカタクリやエンゴサクが咲き乱れる、我が家のお気に入りの場所でもある。
その近くに以前から気になっていた家があった。
夏の間は人が住んでいる様にも見えたが、今は完全に雪に埋もれている。近くまで行ってみたが、家の半分は倉庫のような感じで、とても人が住むような建物には見えない。
それでも、玄関らしき場所には字のかすれた表札もかかっている。
もしも人が住んでいるのならば、どんな生活を送っているのだろう。家はボロだが、周りの環境は本当に素晴らしい。田舎暮らしをするのならば、こんなところで暮らしてみたいものだ。
その横には美しいシラカバ林があって、その中でかみさんが折れ曲がったシラカバの木を見つけてブランコみたいだと無邪気にはしゃいでいる。
再び雪が降り始めたので、その辺で朱鞠内に別れを告げることにした。
 美しいシラカバ林 ブランコ? 
  帰り道、雪は次第に激しくなり、高速道路の路面もシャーベット状の雪が積もりとても走りづらい。札幌市内では既に通行止めになってしまっていた。
家にたどり着いてからも、重い湿った雪の除雪をする羽目に。その後、全道的に大荒れの天気となり、高速道路もほとんどの区間が通行止めになった。
春の嵐の間隙を縫ってかろうじて楽しむことができた今シーズンの初キャンプ、最初からこれでは今年のキャンプは先が思いやられそうである。

 今回のキャンプでちょっと気になることがあった。
帰り際のことで、私は気が付かなかったのだが、後でかみさんから話を聞いてそのことを知ったのである。
受付のおじさんに挨拶をして帰る時、一人の男性がおじさんと話しをしていた。その男性は、私たちが車を停めていた場所に自分の車も入れさせろと、交渉していたようなのである。
私たちが帰る頃には、既にワカサギ釣り客用の駐車場は満車となり、その男性も車を停める場所を探していたみたいだ。
受付小屋の裏にあるその場所は、除雪の雪を押し込むような場所で本来の駐車場ではない。
完全に除雪されているわけでもなく、実際に昨日は我が家の車も埋まってしまい、おじさんに車を押してもらったりもしていた。
せっかく、おじさんの好意で車を停めさせてもらったのに、もしもその男性が強硬な態度に出たとしたら、私たちのためにおじさんに迷惑だかかってしまうことになり、本当に心苦しい。
これは、一般の駐車場が満車になっていることに気が付かず帰りが遅くなってしまった私の責任である。
もしかしたら、これがきっかけで、次からはこの場所に車を入れることが完全に禁止されてしまうかもしれない。
わがままを言って車を停めさせてもらった私が悪いのか、それを見て私もそうさせろと抗議する男性が悪いのか、いずれにせよ、キャンプ場のつまらない規則は、こんな事をきっかけに次々と増えていくのだろう。
私たちの様なアウトローキャンパーは、こんな事にならないように、細心の注意を払ってキャンプを楽しまなければならないのだと痛感させられた。

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