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美味グルメ尾岱沼キャンプ

尾岱沼青少年旅行村(6月26日〜27日)

 十勝沿岸の交通量の少ない道から、国道38号線に入った。
 釧路へ向かう幹線道路だけあって、交通量も多い。それまでの快適なドライブから、単調でつまらないドライブに変わってしまった。
 釧路市内に入ってからは人間カーナビの指示に従い、目的のラーメン屋「まるひら」を目指す。
 幣舞橋を渡り次に現れたロータリー式の交差点、信号が無くて交通量も多い。初めて通る不思議な交差点を、人間カーナビの指示に従いながら、恐る恐る目的の道に曲がったつもりだった。
 すると、人間カーナビから「違うでしょ、もう1本先の道路だって言ったでしょ!」とのお叱りの言葉が飛んできた。
 慌ててUターンして正しい道に入ったが、本物のカーナビの場合、道を間違えたらもっと優しい声で教えてくれるんだろうか?
 苦労してたどり着いた「まるひら」は残念ながら定休日、普通ならばがっかりするところだが、ここへ来る前にもう1店どちらに入るか迷っていた店があったので、直ぐに元来た道を引き返し、市内中心部にある「河むら」という店に向かった。
 そこで再び、例のロータリー式交差点にさしかかった。ゆっくりと曲がろうとすると、1本先の道から車が。
 あれ?どっちが優先だ?一時停止の標識は?車線はどっちに入れば?あっ!後ろからも車が!
 頭の中が一瞬パニックになってしまい、とうとう交差点の真ん中で立ち往生。でも地元のドライバーはそんな車に馴れているのだろう。全然気にもしないように、後ろからビュンビュン追い越していく。
 運転には少しは自信があるつもりだったが、この交差点だけは恐怖である。
 市内中心部も一方通行が多くて、目的の店にたどり着くのも一苦労だ。
 さっきまで調子の良かった人間カーナビも、とうとう壊れてしまったのか、音が出なくなってしまった。
 もともとそれほど頼りにしていた人間カーナビでは無いので、後は自力で何とか「河むら」までたどり着いた。
 初めて食べる釧路ラーメン、こってりスープ系が多い札幌ラーメンの味に慣れていたので、極細縮れ麺にあっさりスープの釧路ラーメンは、新鮮でとても美味しかった。

 釧路市内を抜け出して、次の目的地は厚岸。今夜の夕食用に、牡蠣を買っていくつもりだ。
 お勧めの店は厚岸漁協直売店の「エーウロコ」だが、ここは以前に利用したことがあるので、観光雑誌を参考にその先の黒田水産直売店「逸品工房」へと向かった。
 しかしそこには、お目当ての牡蠣は僅かしか並んでいなかったので、その店の名物「牡蠣の薫製」だけを購入して、次に厚岸海産に向かう。
 ここでは、大きさによって70円、100円、130円の値段が付いていたが、迷わずに一番大きな牡蠣を購入、目的を果たしてニコニコしながら車へ戻ったところ、そこでは思わぬ事態が・・・。
 ギョエーーーッ!こ、これは!!!
 それまで大人しく車の中で待っていた愛犬フウマが・・・
 これ以上の内容を詳しく書くのはさすがに憚られるので、このくらいにしておく。
 そう言えば十勝の海岸で、何か漁って食べてたからなー。
 何とか被害は最小限で済み、次の目的地あやめヶ原へ向かった。

あやめヶ原 私が子供の頃、家の直ぐ近くに今で言う原生花園のような場所があり、そこでは時期になるとスズランやエゾカンゾウ、ヒオウギアヤメの花が沢山咲いていた。
 特にその中ではアヤメの花が、子供の私には一番のお気に入りだったのである。
 あやめが原にはその大好きだったアヤメの花が一面に咲いているという。大人になってからそのことを知り、是非行ってみたい場所の一つとして、まだ子供が生まれる前、夫婦でそこを訪れたことがあった。
 残念ながらその時は、時期が早かったか遅かったかのどちらかで、それほど花を見ることはできなかった。
 今回はそれ以来のあやめヶ原訪問である。
 私のあこがれの場所あやめヶ原、しかし今回も花の時期には少し早すぎたようである。
 十勝の海岸沿いでちょうど見頃を迎えていたヒオウギアヤメ、当然ここでも咲いていると思ったのに。しかし霧に覆われる釧路の海岸線、気温もかなり低い土地なのだろう。
 改めて周りの木々を見渡してみると、まだ新緑が芽吹き始めた頃の色合いである。
 私たちの訪問を待っていたように、急に霧が広がってきた。展望を楽しむこともできないので、早々にそこを後にして先を急いだ。

直線道路 霧多布湿原も霧の中、襟裳岬の強風はそれなりに楽しめるが、霧多布での霧はあまり楽しくない。
 晴れていれば快適なドライブコースだが、見るものが何もないので車のスピードを上げて通り過ぎる。その後は、根釧原野を別海町に向かって一気に北上した。
 牧草畑以外には何もない根釧原野をひたすらに真っ直ぐと伸びる直線道路、その先に青空が広がっていれば最高の眺めのはずだが、曇り空が背景ではその魅力も半減だ。
 それでも、札幌を出てから日高、十勝の海岸線をぐるりと回り、そして突然釧路の街中でヒヤヒヤしながら車を運転し、霧多布の海岸線を走り抜けて、そして今度は根釧原野の広大な風景、ダイナミックにそしてめまぐるしく変わり続ける風景に北海道の雄大さを感じることができる。
 途中で降り出した霧雨も、尾岱沼に付く頃には何とか上がってくれた。
 キャンプ場へ行く前に尾岱沼漁港へ、目的は当然北海シマエビの買い出しである。野付湾での北海シマエビの漁期は6月上旬から7月下旬と10月上旬から11月下旬の年2回、この時期に尾岱沼を訪れるのならば、絶対に北海シマエビを食べなくては。
 捕れたばかりの北海シマエビを浜湯でしたものは、他では食べられない味だ。

我が家のキャンプサイト そうしてやっと今日のキャンプ地、尾岱沼青少年旅行村に到着した。
 いつもならばべた凪の野付湾が広がっているはずなのに、今日は霧で霞んでいて、おまけに波も結構立っていて何となく暗い雰囲気だ。
 天気が良ければ、何も迷わずに野付湾が見渡せる場所にテントを張るところだが、今日は風も少し強かったので、それを避けるように木に囲まれた芝生広場の方にテントを張った。
 木の枝の間から野付湾の姿が一応は見えるが、せっかく尾岱沼まで来てこんな場所にテントを張るのはやっぱり不本意である。
 今夜一晩の仮の宿なのだから寝る場所さえあれば十分だ、そう考えて自分を無理やり納得させた。
 テントを張り終えると直ぐに近くの温泉に行くことにした。キャンプ場から車で直ぐのシーサイドホテル、露天風呂からは野付湾を眺められる。
 二日分の疲れを温泉で癒してキャンプ場に戻った。今日の夕食は昨日の余った肉でバーベキュー、ちょっと寂しい感じだがそこは厚岸で買ってきた牡蠣がカバーしてくれる。
 良い頃合いに焼き上がった牡蠣をまるごと口の中へ。プルンとした食感の次ぎに甘い汁が口中に広がる。これは美味い!本当の牡蠣の甘さを初めて味わうことができた。
 バーベキューが終わっても次には北海シマエビが待っている。ワインを飲みながら北海シマエビを食していると急に眠気が襲ってきた。
 二日で700kmを超える移動は結構身体に応えているようだ。昨日に引き続き、今日も8時半には就寝。

野付湾と打瀬舟 朝、目を覚ますとテントの中が昨日より明るく感じる。外へ出てみると、相変わらずの曇り空だがこれまでのように低くたれ込めた暗い雲ではない。それでもテントは夜中に降った雨のためびしょ濡れだ。
 そう言えばテントの中でまどろんでいた時、漁船のエンジン音が聞こえたなー、そう思って野付湾の方に目をやると、昨日とはうって変わって穏やかな海上に打瀬舟が浮かんでいた。
 このキャンプ場に泊まるのはこれで3回目になるが、初めて打瀬舟を見ることができた。野付湾には打瀬舟がよく似合う。
 キャンプ場前の浜は満潮の時と干潮の時とではその様子がガラリと変わってしまう。
 昨日到着した時は暗い海がキャンプ場のすぐ前まで迫っていたが、今朝は潮が引いてかなり沖まで干潟が広がっている。
 その干潟を歩いて打瀬舟の近くまで行ってみた。近くでは長い足をしたサギの夫婦が、漁の様子を窺うように浅い海の中に静かに立っていた。足元では北海シマエビの赤ちゃんなのだろうか、小さなエビがピチピチと跳ねている。
 とても静かな、野付湾のいつもの風景が広がっていた。
 こうなると、見晴らしの良い場所にテントを張らなかったことが急に恨めしく思えてきた。
 別に、よく見える場所まで歩いていけば良いだけの話だが、私の場合、自分のテントサイトから見える風景にこだわりを持ってたりするので、ゆっくりとテントの前で朝のコーヒーを飲みながら、野付湾の風景を楽しみたかったのである。
 昨日までの移動の連続の日と比べると、今日は屈斜路湖まで移動するだけなので比較的のんびりとできる。
 テントの水滴を拭き取って、ついでにシュラフも干すことにした。薄い雲を通して時折太陽の光も射し込んできたので、テントは直ぐに乾いた。
 眺めの良い場所にテントを張っていたら、しばらくそのままボーっとした時間を過ごしていたかも知れないが、今の場所ではそれほど長居する気にもなれない。
 今日の昼は弟子屈の市街で蕎麦を食べる予定だったので、途中で寄り道しながら昼頃に弟子屈に到着できる時間を見計らってキャンプ場を出発した。

漁協直売所 尾岱沼を離れる前に、再び漁港に立ち寄る。目的はホタテだ。ちょっと前の新聞に尾岱沼の巨大ホタテの記事が載っていたのだ。
 漁協の直売店に寄ってみると店先にホタテが置いていない。ホタテは無いんですか?と聞いてみたところ、あっ、ホタテはそっち。
 指差す先には巨大な水槽が置いてあった。その蓋を開けてみるとその中には大きなホタテがびっしりと並んでいた。
 そのホタテを1個100円で6個買って袋に入れてもらったが、その袋がやたらに思い。水槽から出す時に水も一緒に入ったのだろうと思っていたが、やっぱりそれはホタテだけの重さだったのである。ついでにアサリも仕入れて、今日の夜はシーフードカレーにすることにその場で決定。
 買い出しも済んで、尾岱沼を後にした。

 次の目的地は神の子池だ。その池は、摩周湖の東側を通って清里町に抜ける道の途中にある。その手前には裏摩周の展望台もあるが、そこには1昨年知床へ向かう途中に立ち寄った。
 その時は時間が無くて神の子池までは行けなかったが、今回のように時間がある時に行かなければ、次は何時行けるか解らない。そもそも、この道を通って清里町まで行く人なんて地元の人くらいだろう。
 開陽台から弟子屈へ向かう道路の途中から、この道路に入る。そこから神の子池までは20kmくらいか。
 交通量も少なくて快適なワインディングロードだ。ついつい高速道路と勘違いしてしまう。
神の子池 清里峠を越えてしばらく走ると、神の子池の看板を見つけてそこから林道のような道にはいる。どれくらい奥まで入るのかなと考えながら、ゆっくりと走っていると突然大きな駐車場が現れた。
 そこには数台の車が停まっていた。誰もいないだろうと思っていたので、ちょっと意外だった。結構人気のスポットなのだろう。
 そこからしばらく歩くのかなと思っていたら、神の子池は駐車場の直ぐ横にあった。
 おおーっ、これは!
 正直言ってそれほど期待はしていなかったのだが、その素晴らしさに感動してしまった。
 摩周湖の水が伏流水となって、その池の中央から吹き出しているのだ。その部分は神秘的な青い色に染まっている。
 まさに神の子池という名前がぴったりの場所だ。
 出かける前には、名前がちょっとうろ覚えだったもので、今回は亀の子池を見にに行くぞー、なんて言っていたものだが、亀の子池と神の子池では全然違う。
 かなり得した気分になって、次の目的地弟子屈へと向かった。
 弟子屈での昼食は蕎麦、かなり美味しい蕎麦屋があるみたいなので、これもまた楽しみだ。


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