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寝る時はやっぱりテントで、どんころキャンプ

どんころ野外学校(6月14日〜15日)

 前回キャンプへ行ったのは何時だったろう?
 一生懸命思い出してみると、実はそれが1週間前の話しだったりすることが良くある。
 今回のようにそれが4週間前だったりすると、ほとんど思い出すことは不可能であり、自分のホームページを見てやっと解るような有様だ。
 それじゃあキャンプへも行かないでこの間何をやっていたんだろう、そんなこと思い出せるわけがない。
 何だか、ほとんどボケ老人の状態になってしまったような感じだ。
 多分、充実した週末をおくっていたのだろう。長い間キャンプへ行ってない割には、いつものようなストレスを感じることは無かった。

 今回のキャンプは、去年から所属しているカヌークラブで、日曜日に空知川を下るための前泊キャンプである。
 場所は南富良野町落合にあるどんころ野外学校、もちろんキャンプ場ではない。
 他のメンバーはそこの自炊棟の2階の部屋で寝ることになっているみたいだが、その周りでテントを張ることもできるみたいなので、我が家は当然そちらを選択することにする。
 そんな感じなので、いつものようなキャンプ前日の高揚した気持ちは沸いてこないが、その代わりに空知川上流部を下れるという緊張感の方が強かった。
 ただ、どんころ野外学校という施設にはとても興味があった。
 その名前だけは以前から知っていたし、何だか生粋のアウトドアマンの巣窟といったおどろおどろしい雰囲気をそこに感じていたのだ。

 当日は朝から雨模様の天気だった。
 北海道内はしばらく雨不足の状態が続いており、久しぶりの雨は本当なら恵みの雨のはずなのだが、こんな時に降ってくれるなんて、恨みの雨である。
 こんな天気では現地へ行ってすることもないので、のんびりと午後2時頃に札幌を出発。
 天気予報では次第に天候も回復してくるという話しなのに、現地に近づくに従ってますます悪化してくる様子だ。
 霧雨が降りしきる中をどんころ野外学校に到着、入り口横の艇庫のような場所にはカヌーがずらーっと並んでいて、ラフティング用のゴムボートも無造作に積み上げられている。
炊事棟外観 そこからさらに奥に進み、管理棟のようなログハウスを通り過ぎ、犬ぞり用のハスキー犬が多数飼われている檻の向こうに目的の自炊棟があった。
 どんころ野外学校のホームページで、一応キャンプ場として紹介されている場所はその裏みたいだ。
 キャンプ場といっても雑草が生えたただの広場、おまけに水はけの悪い地面は全体に水が浮いた感じで、どこにテントを張るかためらってしまう。
 でも、今回はテントはただの寝る場所にしかならないので、それほど設営場所を気にすることもなく、水たまりを避けるようにしてテントを張った。
 久しぶりに雨中のテントの設営、どんなに条件の悪い場所でもテントさえ立てることができれば落ち着けるものである。
 マットやシュラフだけをテントに入れて、あとの荷物は自炊棟の中に運び込む。
 土間のままの室内には薪ストーブもあるしガス台もあるし、昔の林間学校の雰囲気を楽しめる。
 外の雨を気にすることもなく、ワイワイガヤガヤと楽しい時間を過ごした。
 カヌークラブのメンバーは年齢構成も職業も様々、ただ共通しているのは皆とってもワイルドということだ。
 カヌー以外にも登山や山スキーなど、アウトドア大好きな人間の集まりなんだなと感じてしまう。
 酔いも回ってきてトイレに立った。一応手作りの立派な(?)トイレはあるが、みんな立ちションで済ませている。
 近くを流れる川の音を聞きながら気持ちよく用をたしていると、頭がくらくらしてきた。いつものことだが、大勢で飲んでいるとついつい飲み過ぎてしまう。
 明日のカヌーのためにも早めに寝ることにした。

自炊棟内1 自炊棟内2 自炊棟内3

 夜中に犬の遠吠えの声で目が覚めた。
 ここで飼われているハスキー犬達が、みんなでそろって遠吠えするのである。
 一匹だけならそれほど気にならないのだろうが、全員で吠えられるとかなり大きな音が周りを囲んだ山に響き渡る。
 テントの中はまだ暗く、今は何時なんだろうと考えながらそのままうつらうつらしていたら次第にテントの中が明るくなってきた。
 カッコウの声が山間にこだまし、小鳥のさえずりも聞こえはじめる。
 それにかすかな川の音も混ざって、素晴らしい朝のハーモニーにしばし聞き惚れた。私がテントの中で寝るのが大好きなのは、こんな自然の音を肌で感じることができるからだ。
キャンプ場風景 テントから出てみると、雨も上がって空にかかっている雲にも切れ間が見えてきた。久しぶりの雨に洗われた山の緑が輝いている。
 昨日到着した時は暗いイメージしか感じなかったが、こうして周りを見渡すとなかなか良い場所である。
 自炊棟の中で朝食を作って食べたが、こんなに良い朝に室内で食事をするのがもったいない感じだ。
 テントが早く乾くように水滴を拭き取っていると、いつの間にか雲が無くなり透き通るような青空が広がっていた。
 こんなに澄んだ青空を見るのは何日ぶりだろう。初夏の強い日差しに照らされて、濡れたテントもあっと言う間に乾いてしまった。
 さあ、今日は空知川の川下り、全身に力がみなぎってきた。


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