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衝撃ニニウ変貌、でもやっぱり河原でキャンプ

ニニウキャンプ場の近く(5月17日〜18日)

 GWも終わって、いよいよ新緑のシーズンだ。
 我が家のキャンプの中では、新緑キャンプというのがかなり重要な位置を占めている

 山の木々が一斉に芽吹き、淡い緑色に山肌が染められるこの時期、北海道が一番美しく感じられる季節である。
 この素晴らしい時期に、数多い北海道のキャンプ場の中の何処に泊まるか、いつも頭を悩ますところではあるが、今年は比較的すんなりと私の頭の中では決まっていた。
 それは6年ぶりに訪れることになるニニウキャンプ場。
 最近になってオートサイトが新たに整備され、キャンプ場の様子もかなり変わったと聞いていた。
 熊の気配に怯え、小学生の息子とクワガタ採りに夢中になり、満月の美しさに息を呑んだ思いでのニニウキャンプ場、それがどう変貌したのか。
 そして当然、山に囲まれたニニウならば新緑も十分に満喫できるはずだ。
 全てのベクトルがニニウに向かい、心配していた天気も絶好のキャンプ日和へと変わって、最高の新緑キャンプを楽しむべく札幌を出発した。

 札幌から十勝へ通ずる樹海ロードを福山からニニウ方面に曲がる。この道路は去年土砂崩れで通行止めになり、それに伴ってニニウキャンプ場も閉鎖されていた。
 キャンプ場へは占冠村の方からもアクセスできるが、去年はそちら側も土砂崩れで通行止めになっていたのだ。
 その道路の入り口には、「ニニウから先占冠村へは通行止め」の看板が立っていた。
 出てくる前に道路状況を確認するのを忘れていたので、とりあえずニニウまでは通じているみたいなのでホッとする。
 曲がりくねった細い砂利道、貧弱なガードレールの直ぐ向こうは急な崖になっていて、その遥か下に鵡川の美しい流れが見える。
 いつもここを通る度に、ここをカヌーで下ったら楽しいだろうななんて考えるのだが、かなりのスキルがないとこの区間を下るのは厳しいということである。
 もっと腕を上げて、そのうちに是非チャレンジしてみたいのだが・・・。
 そんな川の流れを横目に見ながら、早くキャンプ場へ着きたい一心でかなりのスピードで山道を駆け抜けた。

 キャンプ場入り口へ到着し、サイトはそこからもう少し奥に入るので先にサイクリングターミナルで受け付けを済ませることにした。
 オートサイトに泊まるのならば先に場内を下見してから受付をするのだが、ここのオートサイト料金は3500円、電源や水道があるわけでもないのにこの金額は高すぎる。フリーサイトに泊まることしか頭に無かったのである。
 ところがサイクリングターミナルに人の気配がない。ドアを押しても、鍵がかかっているようで開かない。
 受付の場所が変わったのかなーと思いながらキャンプ場へ向かうことにした。
 その途中で、車を停めて山菜採りをしていた方から突然声をかけられた。
 「もしかしてキャンプ場見聞録のホームページの方では・・・。」
 エッ、何で車で走っているだけで解っちゃうんだろう、驚いてしまったが、驚きはそれだけでは無かった。
 「キャンプ場のオープンは6月みたいですよ。」
 エッ、エエーッ 、キャンプ場ガイドには4月末オープンて書いてあったのに・・・。
 「気にしないで泊まってしまえば良いじゃないですか。」
 そ、それもそうだなー、とりあえずキャンプ場まで行ってみることにした。

ニニウキャンプ場 昔のニニウの姿はそこには無かった。
 入り口に立って場内を見渡しても、記憶に残っている風景が何処にもないのだ。
 昔のままの炊事場やトイレの位置関係から、かろうじて何処が何処だったか思い出されるくらいだ。
 とりあえず場内を歩いてみることにする。少しずつ昔の記憶が蘇ってきた。
 この辺が昔テントを張った場所だ、ここは離れ小島の隠れサイトだったところだ、この辺にはもっと木が生えていたはず。
 その変わりように驚いてしまったが、昔の記憶を消してしまえば、これはなかなかのオートキャンプ場であるという気がしてきた。
 自然の地形を生かしたゆったりとした配置のオートサイト、私が見たオートキャンプ場の中では最も自然な感じのするキャンプ場かも知れない。
 番号札と砂利敷きの駐車スペースさえ無ければ、ここがオートキャンプ場だとは解らないだろう。
 去年のシーズン途中から全く利用されずに芝生が生き生きとした各サイト、春の暖かな日射しにシラカバの新緑が優しく照らされ、ここにテントを張ったら確実に至高のキャンプが楽しめそうだ。
 でも、本当にここにテントを張って良いんだろうか。そもそも水の用意をしてきていないのに、キャンプなんかできないじゃないか。
 そこで考えた代案、日高町の沙流川キャンプ場、ここは前から泊まってみたいキャンプ場の一つだったが、如何せん犬禁止である。
 最近はなかなか犬禁止のキャンプ場に行く勇気が無くなってきた。泊まらせてもらえれば良いが、断られた時のダメージが大きすぎる。
 妻の代案は、金山湖キャンプ場。ここから占冠へ抜けられるのなら良いが、日高町回りでは遠すぎる。
 結局、福山まで戻ってそこで水を汲んで、またここに戻ってくることに決めた。
 あの十数キロの砂利道を往復するのはちょっと気が重たいが、快適なキャンプをするためにはそれくらい我慢することにしよう。

 福山のパーキングの水道が閉鎖されていたので、その向かいのガソリンスタンドでガソリンを入れるついでに水をもらうことにした。
 そこの水は湧き水を引いているのでとても美味しいとのことだ。ちょっと得した気分になる。
 キャンプ場に戻りながら考えた。トイレも水も使えないのならば、別にキャンプ場に泊まる必要なんか無いじゃないか。
 妻に話してみると同意見だった。キャンプ場の近くには3年前の夏にテントを張った絶好の河原があるのだ。とりあえず、その場所まで行ってみてから考えることにする。
 そこの場所は3年前と変わっていなかった。河原の場合、ちょっとした川の増水でその様子をがらりと変えてしまうことがあるが、そこだけは相変わらずここでキャンプをして下さいと言った表情で私たちを迎えてくれた。
 ただ、砂地の場所が少し減ったような気がする。
 そこでどうするか、片や誰も利用していない快適なオートキャンプ場、片やワイルドでゴツゴツした石だらけの河原、全く相反する二つから好きな方を選べと言われても困ってしまう。
 どちらにするか決めかねている私を見て、妻が「キャンプ場の方では焚き火はできるの?」
 「あそこの芝生じゃダメだろう」
 「それじゃあ、こちらにしましょう。焚き火ができなければ夜退屈でしょうがないわ」
河原のキャンプ風景 悩んだあげく、極単純な理由で河原にテントを張ることになった。
 なるべく川の近くで平らな石の少ない場所を見つけ、寝室になる部分は丁寧に浮いた石を取り除く。それでも凸凹が気になる箇所は、スコップで砂を持ってきて平らに敷きならす。
 面倒くさい作業だが、それで夜の安眠が左右されるのならば手を抜くことはできない。
 設営を終わって直ぐに昼食の準備、今回のキャンプは早めに到着してゆっくりと食事にするつもりだったが、思わぬ事態のためにもう午後の1時近くになってしまっていた。
 腹も減っていたので昼食のスパゲティがやたらに美味しかった。
 河原からの照り返しが強いのか、気温のわりにやたら暑く感じる。上半身裸になってビールを飲む。気分は完全に夏のキャンプだ。
 一息ついた後、通行止めになっている道路を歩いてみることにした。
 そこから少し占冠側に走ると、直ぐにゲートがある。そこから先は車も来ないので散策路のような雰囲気だ。
 鵡川の青々とした流れ、対岸の山肌には桜やコブシの花が咲き、新緑の一番美しく見える時期にはまだ少し早いが、それでも次第に色を濃くする木々の緑が目に優しい。
 これは良い場所を見つけたなーと嬉しくなって先に歩いていくと、直ぐに黄色の重機が動き回る工事現場に出てしまった。
 そこの道路は土砂崩れにより完全に消失していた。この様子ではしばらく開通の見込みはなさそうだ。
 ちょっとがっかりしてキャンプ場に戻る。

焚き火風景 今年になってここを利用するのは私たちが初めてなのだろう。焚き火に手頃な枯れ枝が沢山落ちている。直ぐに山のような薪が集まった。
 焚き火スペースの回りにイス用の大きな石を据え付け、その横に平らな石を探してきてテーブルを作る。ちょうど良い石を捜すのに苦労しない。石の見本園のように様々な色や形をした石がゴロゴロと転がっているので、探すのも楽しい作業だ。
 焚き火に火を付け、その横でバーベキューを楽しむ。
 いつもならば、食事が終わって暗くなってから焚き火を始めるのだが、今回は薪が豊富にあるので、ケチケチしないで明るいうちから焚き火を楽しめるのが嬉しい。
 次第に空も暗くなり、辺りは焚き火の明かりだけになった。太い薪がメラメラと赤い炎を上げて燃えている。久々の贅沢な焚き火に、しみじみと幸せを感じてしまう。
 川の音に混じって、時々聞き慣れない鳥の声が聞こえる。
 突然、ガラガラガラと石の崩れる音が聞こえ、直後にそれが川の中に落ちる水音が響いた。
 向かいの崖が崩れたのだろう。真っ暗闇で様子は解らなかったが、まさに大自然の中にいると言うことを感じさせられた瞬間だ。
 時々、愛犬フウマが耳をピンと立てて暗闇の向こうをじっと見ている。野生の気配が身近に迫り、さすがに恐怖感が湧いてきた。
 満月1日遅れの丸い月が昇ってくるのを待っていたが、いつの間にか空は曇ってしまったみたいだ。
 テントに入る前に、車のクラクションを鳴らして、回りの動物たちに人間の存在を報せる。枕元にはナタを置いておくことにした。
 妻が、「そんなことしたら、怖くて眠られなくなってしまうわ」と言うので、「もしもの時に備えて準備しておくだけだから気にしなくて良いよ」と安心させる。
 シュラフに入るとあっと言う間に眠りについた。

 夜中に暑くて目が覚める。
 着ていたものは汗でぐっしょりと濡れてしまっていた。さすがにこの時期になると冬用の羽毛のシュラフではダメみたいだ。
 濡れた服を脱いでパンツとTシャツだけでシュラフにもぐったが、それでもまだ暑い。そのうちにテントの中が明るくなってきた。
 時計を見るとまだ4時、それでもすっかり目が覚めてしまっていたので起き出すことにした。妻も直ぐに起きてくる。
 焚き火に火を付け、川の水で顔を洗う。
 焚き火のそばで飲む今日のコーヒーは特別にワイルドな味がした。
 朝食が済んで時計を見ると、まだ6時を少し回ったばかりだ。
 時々霧雨が降ってくるような天気だったので、そのまま撤収を始めることにした。
 最近の我が家のキャンプ撤収時間はやたらに早い。折角のキャンプなのにと思われるかも知れないが、早く家に帰ればその分日曜日が沢山楽しめることになる。
熊の糞? かなり貧乏くさい考えだが、家に帰ったら帰ったで、庭仕事などやることは一杯あるのだ。
 今回のキャンプでは7時に撤収して、札幌に戻った時間は9時、キャンプへ行ったのに日曜日は丸々1日そのまま使えるという、かなり得した気分なのである。
 最後に焚き火の後を片付けて、撤収は完了した。焚き火は燃え尽きて、真っ白な灰だけになっている。我が家の焚き火では、燃え残りの薪を残すなんて野暮な真似は絶対にしないのだ。
 河原を後にして、道路まで出る途中のその場所、テントを張っていた場所からは200メートルくらいしか離れていないだろう。車から降りて山菜を探しながら歩いていた妻が、道の真ん中に真新しい動物の糞を見つけた。
 その糞、鹿で無ければキツネのものでも無い。その他にこんな大きな糞をする野生動物って・・・。
 やっぱり、・・・ク・・・マ・・・!
 さすがニニウ、何時もそばには熊の気配がある場所なのだ。


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