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晩秋、シシャモに焚き火キャンプ

判官館森林公園キャンプ場(10月27日〜28日)

紅葉のキャンプ場 いよいよ今シーズンの最終キャンプだ。
 10月に入ってからは、紅葉を求めて道北、道央と紅葉を求めてキャンプに出かけ、そして今回は道南のキャンプ場で紅葉巡りキャンプの最終章となる。
 道南といっても、目的地は新冠町の判官館森林公園キャンプ場なので、紅葉はほとんど散ってしまっているかもしれない。
 先週末あたりが、この付近の紅葉最盛期だったはずだが、さすがに3週連続キャンプとなると、ちょっと厳しいものがあるのだ。

 週末の天気予報は毎日毎日猫の目のように変わり、そのたびに一喜一憂していたのだが、最終的にはまずまずの天気に落ち着いてくれた。
 この時期の天気は非常に変わりやすくなっていて、週末に良い天気になる確率はかなり低いのである。
 それでも、ここ5年ほどは、我が家の最終キャンプは何時も最高の天気に恵まれているのだ。
 土曜日の朝、目を覚ましたときは直前に降ったばかりの雨で道路に水たまりができていたが、直ぐに青空が広がってきた。

 今回のキャンプでは、途中鵡川町に寄り、シシャモの寿司が食べられることで有名な大豊寿司で昼食をとる予定でいた。
 少し早く家を出たせいで、鵡川町に着いたのは11時を少し回ったところだった。
 ところが、目的の大豊寿司の前まで行ってビックリしてしまった。その時間で既に店の前には長蛇の列ができているのだ。
 私は見たことがないのだが、その店はテレビの番組でも何回か取り上げられたことがあり、かなり有名になっているようだ。 とても、その列に並ぶ気にはなれず、別の店を探してみることにしたが、直ぐ近くにシシャモ寿司ののぼりの立っている店を見つけた。
 カレーとかラーメンの文字が大きく書かれた、ごくありふれた食堂のような感じの店だったが、なんとしてでもシシャモの寿司を食べてみたかったので、そこで我慢することにした。
 先客が二組ほどいたが、いかにも、大豊寿司に入れなくてしょうがなくここに入ったという風情である。
 2300円のシシャモ御膳を注文したが、これが大当たりだった。シシャモの刺身に寿司、フライ、マリネ、そしてシシャモ汁とシシャモづくしだの料理だが、これが全てチョーウマなのである。
 正直言って、シシャモの寿司などには大した期待は抱いていなかったのだが、これがなかなかのものであり、プリンとした弾力と歯応え、そしてその旨さ、サンマの刺身よりは遙かに上を行っている感じだ。
 すっかり満足して店を出、今度は別の店でキャンプの夜のおかず用にと干したシシャモを仕入れることにした。
 鵡川名物のシシャモのすだれ干しが下がった店で、10匹1200円のメスシシャモを購入、その大きさによって値段は様々で一番大きいサイズのものは2000円以上、さすがに、1匹200円以上もするシシャモを食べる気にはならないのである。

 そうしてキャンプ場に到着、受付のおじさんが、「こんな寒い時期にテントで大丈夫なの?」と心配してくれた。
テントサイト風景 我が家にとっては、今がキャンプのベストシーズンだと思っているのだが、一般的にはそうでないらしいと言うことを、改めて教えられた感じだ。
 秋の太陽に優しく照らされた場内には、当然のことながら他に誰もいない。
 風も全く無く、こんな絶好のキャンプ日和にどうして誰も来ないのだろうと思いなながら、その日のベストサイトをゆっくりと探した。
 他のキャンパーを気にしないで好きなサイトを選べるという状況は、非常に嬉しいのだが、逆に色々と目移りして困ってしまう。
 特にここのキャンプ場は、サイトによって眺めや雰囲気ががらりと変わってしまうので、選ぶのも難しいのだ。
 結局、翌朝の撤収のことまで考えて、夜露が乾きやすいように朝日の当たりそうな場所を選ぶことにした。妻は、もう少し眺めの良い場所の方が好みだったみたいだ。

 場内をぶらりとし、時間もたっぷりあるので、海を見に近くの浜まで車で出かけた。
 1時間ほどして帰ってくると、サイトの周りに何やら白いものが散乱している。留守中にカラスが、ティッシュの箱の中身を全て引っ張り出していたのだ。
 危ないものは全てテントの中に入れておいたのだが、まさかティッシュの箱を狙われるとは思っていなかった。
 その他に、フウマのウ○コを入れてあった袋も穴が開けられていたが、こちらの方は中身は引っ張り出されていなかった。
 多分、食べ物と間違えてその袋に穴を開けてみたが、中に入っていたのが、なんとウ○コだったものだから、その腹いせにティッシュペーパーを全て引っ張り出して行ったのかもしれない。
 何となく、そのカラスが気の毒な気がした。

太平洋に沈む夕日 ここのキャンプ場は山の斜面のような場所に作られていて、その反対側の斜面、サイトの裏からは太平洋が見渡される。
 これまで泊まった時には気が付かなかったが、この時期には丁度、その海に沈む夕日が楽しめるのだ。
 春から夏にかけては、太陽の沈む位置が山側にずれるので、この光景を楽しめるのは秋のシーズンだけなのだろう。
 その日の夕日は派手さこそ無かったものの、水平線付近の霞に包まれて真っ赤な色に染まり、なかなかの見応えだった。
 予定外のイベントを楽しめて、ちょっと得した気分である。

 食事が終わると次は、秋のキャンプの最大の楽しみ焚き火タイムである。
 焚き火台を用意してきてはいたが、台の上での焚き火は今一迫力に欠ける。今回は家から薪を用意してきていたし、場内にも枯れ枝が大量に落ちているので、燃やすものには不自由しない。
 そこで、炊事場のところに作られている炉を利用することにした。コンクリートのたたきの面積も広いので、そこでゆったりとくつろぐこともできる。
焚き火風景 この、炉での焚き火は、熱が全て人間の方に反射してくるのでとても暖かい。何となく暖炉にあたっているような贅沢な気分に浸れるのだ。
 焚き火のおきを集めて、鵡川で仕入れてきたシシャモを焼いて食べる。
 このシシャモがまた美味しかった。スーパーで購入するシシャモとは全くの別物のような気がする。
 頭からガブリとかじると、ほろ苦さの中にほんのりとした甘さも広がり、絶品である。
 10匹のシシャモがアッという間に無くなってしまった。
 最高の焚き火と美味しいシシャモ、持ってきたビールとワインを全て飲み干して、満ち足りた気分でテントに入った。

 翌朝の気温はプラスの3度、起きたら直ぐに昨夜の焚き火の続きだ。
 炊事場が直ぐ隣なので、顔を洗うのにもとても便利だ。冷たい水で顔を洗っても、直ぐに焚き火で暖まることができる。
 その場所で、朝のコーヒータイムを楽しみ、朝食もそこで食べる。すっかり、そのスペースに居着いてしまった感じだ。
 その日も朝から快晴で、夜露で濡れたテントも完全に乾き、撤収も楽である。
 最高に充実した今年の最終キャンプ、我が家の年間のベストキャンプは、何時もこの時期のキャンプになることが多い。
 人もいなくて、焚き火も楽しめて、天気さえ良ければ最高のキャンプが楽しめる季節なのだ。

 帰りは再び鵡川でシシャモを購入、今回のキャンプではシシャモにずいぶん金をつぎ込んだ気がするなー。

 ところで、これが本当に最終キャンプになるのだろうか??


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