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こんなはずでは…紅葉キャンプ

栗沢町ふるさとの森キャンプ場(10月13日〜14日)

紅葉の風景 先週の充実した朱鞠内湖キャンプ、今週はその余韻に浸りながらのんびりと庭仕事でもと考えていたが、札幌近郊はちょうど紅葉が最盛期を迎えている。
 久しぶりに紅葉の綺麗な年だというのに、それを見過ごしてしまうのはもったいない。結局、今週もキャンプへ出かけることになった。
 近間で、気軽に出かけられて、紅葉の綺麗なキャンプ場、そんな条件で候補地を探してみたが、既にクローズしたところが多くて、なかなか適当な場所が見つからない。
 迷ったあげく、かなり昔に泊まってその時の紅葉の美しさが頭に残っていた三笠市の桂沢湖キャンプ場へ行くことにした。

 ところが天気の方が思わしくない。土曜日は朝から小雨がぱらつく天気だった。
 日曜日はいくらか回復傾向になるみたいなので、紅葉見物は翌日に回し、ゆっくりと午後から出かけることにした。
 しばらく散髪へ行く時間もとれなかったので、出発前に床屋へ行くことにしたが、床屋へ行ってからキャンプへ行くというのもなんか変な感じである。
 おまけに少し短く切りすぎたので、頭がスースーして風邪でもひいてしまいそうだ。

 出発する頃にはようやく雨も上がり、青空ものぞいてきた。しかし、三笠に近づくにつれて空は暗い雲に覆われ始めた。嫌な雰囲気である。
 それでもその付近は紅葉がちょうど見頃、これならば紅葉キャンプには申し分ない条件だ。
 落ち葉に覆われた急な坂道を降りていき、湖畔のキャンプ場に到着した。
 ここは、もともとが綺麗に整備されたキャンプ場ではなく、湖畔の少しだけ平らな部分がテントサイトになっているようなところである。剥き出しの土の上に雑草がまばらに生えたような感じだ。
 その場所は、それまで降っていた雨のせいで水たまりだらけ、ちょっと車から降りてみたが、とてもテントを張れるような状態ではない。
 仮にテントを張ったとしても、愛犬フウマが泥まみれの悲惨な状態になるのが目に見えている。
 その場所はあきらめて、以前テントを張ったことのある場所の方へ行ってみた。
 そちらは急な斜面にバンガローが建っているところだが、湖畔に少しだけ平らな部分があったはずだ。
 残念ながら、その場所はフェンスに遮られ入れなくなってしまっていた。それでも斜面側の方にはかろうじて平らなところがあり、おまけに落ち葉の絨毯に覆われていて、濡れた地面も気にならなそうだ。

 と、ところがである。
 こんなマイナーなキャンプ場のこんな時期に、おまけにこんな天気の悪い日に他にキャンパーがいるはず無いと思いこんでいたのだが、いたのである。
 それも、若い女性の二人連れ。私たちよりちょっと前に到着した様子で、今にも雨が降りそうな空の下、何だかとても楽しそうな様子でテントを設営しているところだった。
 彼女たちも犬を連れてきており、その犬も楽しくてしょうがない様子で、そこら中を走り回っている。
 他に誰もいないキャンプ場で、わざわざ直ぐ隣にテントを張るのも気が引けてしまう。
 その場所は彼女らに譲ることにして、引き返すことにした。
 サイトに降りてくる坂道の途中にも平らな場所があったので、今度はそちらに廻ってみる。
 もしかしたら、そこが本来のメインのサイトなのかも知れない。しかし、そこも水はけが悪く水たまりだらけである。
 車を停めたままどうしようか思案にくれていると、とうとう雨が降り出してきてしまった。

 さすがにもう、そこでテントを張る気は無くなってしまった。
 時間はまだ3時、暗くなるまではまだ余裕があるので、他のキャンプ場へ行ってみることにした。
 車に常備しているキャンプ場ガイドブックで調べると、栗沢町のふるさとの森キャンプ場が結構近くである。
 このキャンプ場は、実は前々から気になっていたところなのだ。写真で見るかぎりでは、サイトの直ぐ横まで森が迫り自然豊かなキャンプ場の雰囲気である。
 ところがどのガイドブックを見ても、同じアングルから同じ場所を写した写真ばかり、いったいその周りはどうなっているのだろう。
 不安と期待を抱きながらそのキャンプ場へと車を走らせた。

 車を走らせながら、先ほどの女性二人組のキャンパーのことが話題になった。
 いったいどういうキャンパーなのだろう。
 シーズンオフにキャンプを楽しんでいると、風変わりなキャンパーに出会うことが多い。
 ファミリーでもないし、旅人と言った雰囲気でもないし、いったい何しに来てるの?と聞いてみたくなってしまう。
 もっとも自分たちだって、他の人からはそう見られてるのかも知れないけど。

ふるさとの森キャンプ場風景 三笠を離れると直ぐに雨も止んできた。
 目的のキャンプ場がもしも外れだったらどうしよう。まあ、その時になってから考えれば良いか。
 我が家にとってこんなトラブルはいつものこと、気楽な気分である。
 そのキャンプ場は思ったよりも山の中にあるみたいだ。
 山に挟まれた細い道をどんどん奥へと入っていく。これは良い雰囲気だぞ、期待が膨らんできた。
 どこにキャンプ場があるんだろうとキョロキョロしながら走っていると、東屋らしき物が目に入った。
 ここ・・・みたいだ・・・。

 山と山に挟まれた道路沿いのわずかな平地、ガイドブックの写真の意味が分かった。そこしか写しようが無いのだ。
 雨は降っていなかったが、サイト部分は桂沢湖と同じくじめじめと湿っていた。それでも、ある程度草も生えているので、フウマが泥まみれになる心配もなさそうだ。
 テントの設営に取りかかったが、妻は予備知識が全くなかったので、その風変わりなキャンプ場に唖然とした様子である。
 設営が終わり、何とかキャンプをできることになりホッと一息ついた。
 空を見上げても、両側に迫った山のため普通の空の3分の1の広さしかない。周りの樹木も日当たりが悪いせいか紅葉も進んでいない。
 開放的な気分とは無縁のキャンプ場である。

サイト風景 夕食の用意をしていると、ポツリポツリと雨が降ってきてしまった。テントの入り口を閉じて前室の中で食事をとった。
 狭苦しいキャンプ場で、さらにまた狭苦しいテントの中に閉じこもらなくてはならないとは。
 まあ、今回のキャンプは日曜日の紅葉狩りドライブのための前泊キャンプという位置づけだったのだし、寝る場所だけ確保できたのだからこれで良しとするか。
 でも、家からこのキャンプ場までなら1時間で来てしまう。それならば日帰りドライブでも良かったのでは・・・。
 そんな考えが頭をよぎったが、何時も条件に恵まれたキャンプばかりとは限らない、これもやっぱりキャンプなのである。

 翌朝まで雨は降り続いた。
 それでも起き出す頃には、キャンプ場の狭い空にも青空が広がり始めた。
 晴れたと言っても、そこでテントが乾くのを待っていたら午後になってしまう。朝食が済んだら直ぐに撤収を開始した。
 テントの外側は当然ずぶ濡れ、内側も結露のためにずぶ濡れ、雑巾で水滴を拭き取るだけで、そのまま車の荷台に放り込んだ。

 雨上がりの靄に包まれた風景の中、紅葉狩りドライブへと出発した。
 岩見沢から万字温泉を通って夕張へ抜ける道は、個人的には大好きな紅葉ドライブコースである。生憎の霞のため見通しは悪かったが、それでも色づいた山の景色が目を楽しませてくれた。
 途中で看板を見つけたのだが、独りでに髪が伸び続けることで有名なお菊人形が奉られたお寺がこの付近にあるのだ。
桂沢湖の風景 ちょっと興味はあったが、さすがにこれは恐ろしいのでそのまま通り過ぎることにした。
 丁未風致公園キャンプ場にも寄ってみたが、なかなか良いキャンプ場だ。早速来年のキャンプ予定の中に組み込んだ。
 夕張からシュウパロ湖を廻って再び桂沢湖へ、昨日とはうって変わって桂沢湖は紅葉祭りに来た人々で賑わいを見せていた。
 それを見て、桂沢湖でキャンプできなかった悔しさがちょっとだけ湧いてきてしまった。


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