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川下り前夜強風キャンプ

桜ヶ丘森林公園オートキャンプ場(8月11日〜8月12日)

 一週間前に道東キャンプから帰ってきたというのに、再び道東へ向けて出発である。
 本当は、今回は年に3回(盆と正月とゴールデンウィーク)の親孝行で、清水町の実家に帰省するつもりでいた。
 ところが、去年の夏に一緒に千歳川を下ったメンバーが釧路川上流部を下るという話を聞いてしまったのだ。
 今年のキャンプ旅行では、釧路川の塘路湖、細岡間を下っているのだが、そこは一度下った事のある場所、釧路川の一番魅力的な区間は、何と言っても屈斜路湖からの流れ出しの源流部なのである。
 去年の千歳川での、倒木引っかかり素沈以来、ずーっと心の片隅にもやもやしたものが残っていた。
 このもやもやを晴らすためには、是非とも倒木だらけの釧路川源流部に挑戦し、その後のその後のイメージトレーニングの成果を確認しておきたかったのだ。

 わずか3日間の休みで、親孝行をして、おまけに釧路川の川下りとなると、かなり厳しい日程である。
 最初は清水町の実家から、釧路川日帰り川下りなんてのも考えていたが、片道200kmの距離を考えるとさすがにきつい。
 その次に浮かんだのが、ちょっとだけ親孝行の部分を短縮して、どこか近くのキャンプ場で1泊する行程だ。
 ちょうどルート上に、一昨年に泊まったオンネトー野営場がある。その時は、雨の中、オンネトーの景観もほとんど楽しむことができず、ビバークのようなキャンプだった。
 これならば、釧路川源流部挑戦おまけにオンネトーリベンジキャンプという、なかなかやりがいのある計画になる。
 これでほぼ決定していた。

 ところが、その前の4泊5日道東キャンプ旅行から帰ってきて、ちょっと考えが変わってきた。
 このキャンプ旅行では、一度もオートキャンプができるところに泊まらなかったため、さすがに荷物運びにはうんざりしてしまっていた。
 オンネトーのキャンプ場も、場所によってはかなりの距離の荷物運びが必要だ。
 おまけに、川下りの集合時間は午前9時半、これでは肝心の川下り前に体力の大部分を消耗してしまいそうである。
 そこで、再度予定変更、集合場所に近くて、しかも我が家の好みにあったオートキャンプ場を条件にガイドブックで検討したところ、弟子屈町の桜ヶ丘森林公園オートキャンプ場に決定した。
 これならば万全の体調で川下りに望めそうだし、初めてのキャンプ場に泊まるというワクワク感も楽しめる。
 俄然やる気が湧いてきた。

 出発日の朝は激しい雨。
 天気予報ではすぐに回復してくるとの事だったが、なかなかやんでくれない。
 小降りになったところで、準備をしようと外に出ると意地悪するかのように、また雨足が強くなる。
 そんなことを数回繰り返し、9時半頃になってようやく意地悪雨も上がってくれた。
 一気に荷物を積み込み10時に出発、しばらくは雨雲の後を追いかけながら走っているような感じで、ひたすら東へと車を走らせた。
 日勝峠を越えて、清水町のレストランで昼食、そこから数分で私の実家に着くのだが、心はすでに釧路川に行ってしまっているので、顔を出していく気もしない。いつもの親不孝息子の状態である。

 昼食をとっている間に雨雲は一気に先に行ってくれたみたいで、十勝の空は素晴らしい青空に変わっていた。
 抜けるような青空と、広々とした畑や牧草畑、そして遠くにそびえる日高の山並み、私の原風景がそこにあった。
 そのまま快適に東へ東へと走り、阿寒湖が次第に近づいてくると、何故だかそこではずーっと先に行っていたはずの雨雲がニコニコしながら待っていてくれたのだ。
 突然あたりが暗くなり、ワイパーも利かないような激しい雨が降り出してきた。
 それでも、この雨は峠の付近だけ、天気予報では今日の日中は全道的に天気も回復すると言っていたし、峠の向こうには、また澄んだ青空が広がっているはず、と信じて弟子屈に向けて峠を下っていった。

 ところが弟子屈についてもその雲は晴れず、雨は降っていないものの、低くたれ込めた雲が凄い早さで流れて行く。
 キャンプ場到着は午後の4時半、管理棟で受付をすると、管理人のおじさんが丁寧に場内や付近の買い物施設等の説明をしてくれる。
 近くの温泉までは歩いていくことができ、朝は6時から入れるので、「旦那さんも是非朝風呂に入ってきなさい、気持ち良いよー。」なんて言ってくれたが、翌朝にそんな余裕はないのだ。

 サイト全体の雰囲気はドロームキャンプフィールドにとても良く似ている。
 オートキャンプ場とは言っても、サイト一つ一つがゆったりと配置されており、とても落ちつく。
 何と言っても嬉しいのは、当然のことだが、オートキャンプができることだ。
 400kmの距離を車を走らせてきて、そこでまた荷物運びなんてのは、前回のキャンプでこりごりである。
 アッという間に設営を終わらせて早速ビールタイム、設営で汗をかいていないので、ビールの味も今一、なんてのはちょっと贅沢かも知れない。

 それにしても風が強い。
 ちょっと青空が見えたかなと思ったら、すぐに次の雲が流れてきて、その空を隠してしまう。
 時折雨粒も落ちてきたが、雨よけ、風よけのタープも、今回は我慢して張らないことにする。明日の撤収を少しでも楽にしておきたいのだ。
 こんな日に、我が家のテントは本当に役に立つ。前室部分が広いので、風が強くてもその中でゆったりと過ごすことができるのである。

 その日の夜のメニューはバーベキューである。
 この強風が炭熾しを手伝ってくれる。着火剤に火を付けて、そのまま置いておくだけで、備長炭がアッという間に白くなってきた。
 強風の中、さすがに快適な夕食とは言い難いが、今回のキャンプは、釧路川下りの体力温存キャンプなので、さほど気にもならない。
 これがキャンプだけが目的だったりしたら、ちょっとがっかりしていたところだ。

 夕食後、さらに風は強まり、タープを飛ばされたり、スクリーンテントのポールが折られてしまうキャンパーも出てきた。
 そんな中、我が家はテントの前室の中でのんびりとビールを飲んでいる。
 息子はと言えば、深夜のラジオ番組を録音しなければならないとかで、今回は大きなラジカセを持参、夕食が終わるとすぐに自分のテントの中で、夜に備えて早々と眠りについている。
 我々が寝るときに、代わりに息子を起こしてやるのだ。
 風の音を子守歌に10時過ぎには眠りについた。
 途中、夜中に目を覚ますと、隣のテントからは、ラジオを聴いてクスクスと笑う息子の笑い声が聞こえてきた。
 本当に、キャンプに連れてきても現代っ子のままである。

 翌朝も相変わらず強風が吹き荒れている。
 夜中に少し雨も降ったようで、テントも濡れていたが、強風のおかげですぐにそれも乾いてしまった。
 撤収を済ませて川下りの集合場所へ向け出発したが、本当にこの強風の中、川下りができるのだろうか、ちょっと心配である。

 この続きはカヌーのページで。


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