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元村蚊蚊蚊蚊キャンプ

塘路湖元村キャンプ場(7月31日〜8月1日)

 今回のキャンプの目的の一つは、釧路川の川下りである。
 カヌーを始めて初めて下った川が釧路川、もう8年も前の事だ。その時のベースキャンプが元村キャンプ場、当然の事ながらここを訪れるのも8年ぶりになる。
 ここでは、釧路川を一緒に下るために、パソコン通信の仲間と合流することになっているのだ。

 前泊地を8時に出たので時間はたっぷりと有る。どこか寄り道するところがないか調べてみたが、この付近で行ったことが無い場所といえば裏摩周の展望台くらいだ。
 とりあえず、気持ちの良い青空の下、裏摩周へ向かって車を走らせることにする。
 展望台について出迎えてくれたのは、ここでもアブの大群だった。おまけに暑い。
 裏側から眺める摩周湖は、やっぱり普通の摩周湖だ。記念写真を撮ってすぐにそこを後にした。
 もう少し足を伸ばすと、神の子池という面白そうな場所があったのだが、アブの多さと暑さに負けて断念してしまった。

 そこから釧路方面の空を見ると、どんよりとした雲がかかって見える。
 道内がどんなに暑くなろうと、釧路だけは別世界のはずだ。予定を変更してすぐにキャンプ場に入ることにした。
 途中にある多和平に寄り道していると、先ほどまで見えていた曇り空が、いつの間にかまぶしいくらいの青空に変わってしまっていた。
 まあそれでも、釧路に近づけば近づくほど気温は下がってくるはずだ、ひたすら塘路湖に向けて車を走らせた。
 ところが、車についている温度計は、一向に下がる気配を見せずに、塘路湖に到着したときは逆に31度まで上昇していたのである。

 8年ぶりの元村キャンプ場に到着した感慨に浸っている余裕もなく、道路から一番近い木陰の部分に今日のサイトを決めて、荷物を下ろすことにした。
 ふと、そこに繋いだ愛犬フウマに目をやると、その回りを無数の蚊が飛び回っているのが目に入った。
 「なんだ、なんだ!」、気が付くと人間の回りにも、待ってましたとばかりに蚊が群がってきて、早くも私の足にとまって血を吸い始めているやつまでいやがる。
 バシッ!
 1匹くらい叩きつぶしたところで、なんの役にも立たない。 体にかけた防虫スプレーも、すぐに流れる汗で効果が無くなってしまう。
 テントのアウター部分を張り終えたところで、設営はあきらめ、涼しくなるまで近くをドライブすることにした。

 初めて訪れる場所ならばドライブしているだけで楽しいのだが、一度見た風景にはすぐ飽きがきてしまい、この暑さの中、湿原を眺める展望台まで歩いて登る気力もない。
 結局、ドライブは早々に切り上げて、シラルトロ湖の茅沼温泉で汗を流すことにした。
 そうしてキャンプ場に戻ってきたのは午後の3時過ぎ、さすがにこの時間では気温も下がっていない。
 テントのアウター部分をスクリーンテント代わりに、しばらくその中で気温が下がるのを待つことにする。

 ちょうど、そこで合流予定だった仲間も次々に到着し、それぞれテントの設営に取りかかりはじめた。
 汗をかきながらテントを設営するその姿を、こちらはビールを片手にのんびりと見物、「何だか申し訳ないなー」と考えていたら、自分のところも、まだアウターを張り終えただけという現実に気が付いた。
 しょうがなく、ノソノソと残りの部分の設営に取りかかったが、すぐに汗が噴き出してきて、温泉に入った意味が無くなってしまった。
 我が家のキャンプスタイルは、できるだけキャンプ場でゆったりとした時間を過ごすというものだが、夏のキャンプではこれも難しい。
 30度を超す暑さと、虫の襲撃の中では、どうやってもゆったりとした時間を過ごしようがないのだ。
 これまでも毎年夏のキャンプ旅行には出かけていたが、これほどまでに暑さと虫に悩まされた記憶はない。
 たまたま天気に恵まれていただけなのか、それとも去年や今年の天候が異常なせいなのか、はたまた年をとって愚痴が多くなっただけなのか、本当の理由は良く解らない。

 夜になり、ようやく過ごしやすくなってきた。
 ふと椅子の上に目をやると、ほのかな薄緑色の光が明滅しているのに気が付いた。ホタルである。
 遠い昔、子供の頃、実家の近くで一度だけホタルを見たような記憶があるが、その記憶も曖昧で、それが本当にホタルであったのかどうかも心許ない。
 それだから、ホタルを見たのは生まれて初めてと言っても良いかも知れない。
 物事に感動することのない我が家の息子も、ホタルの姿を見て感激していたようだ。
 北海道に住んでいると、キタキツネやエゾシカ、シマフクロウの姿を見るよりも、一匹のホタルを見る方が感動ものなのである。

 その後1年ぶりに合う仲間達と歓談し、12時過ぎにテントにもぐり込んだ。
 いつものキャンプでは10時前、早いときには9時には寝ているというのに、大変な夜更かしである。
 何時に寝ても、今時期のキャンプでは5時前には起きてしまう。
 太陽がさんさんと照りつける中、8時、9時までテントの中でぐっすりと寝込んでいるようなキャンパーをよく見かけるが、そんな人間が羨ましく思えてしまうのだ。

 翌日は8時から川下りのための車の配置、それに川下り後に次のキャンプ場へ移動予定しているので、起きてすぐからやたら忙しい。
 それでも、全ての準備を終えて10時前には釧路川へこぎ出すことができた。
 初めて下ったときのような緊張感もなく、のんびりとした気持ちで釧路川の川下りを楽しむ。
 上陸地点は細岡と岩保木水門の2カ所を予定して、それぞれに車を配置していた。
 細岡到着は12時、その先、岩保木水門までの区間は未経験の区間で、より湿原らしい雰囲気を味わえるところと聞いていたが、その日のうちに次のキャンプ場へ移動することを考えると、その先を下るのはかなり厳しい。
 涙をのんで、我が家だけ細岡で川下りをうち切ることにした。

 楽しそうに岩保木に向けてこぎ出すみんなを見送ってから、キャンプ場に戻り最後の荷物を積み込んで、次の目的地、霧多布岬キャンプ場へと出発した。


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