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赤井川新緑キャンプ

ドローム・キャンプフィールド(5月20日〜21日)

 2週間前からひどい花粉症に悩まされていた。
 例年、今時期になると少しは花粉症の症状は出ていたのだが、今年は特にひどく薬を飲んでも全然症状が解消されない。出発前日の金曜日は、職場でも一日中鼻水が止まらず、ティッシュを鼻に詰めたまま仕事をするという、何とも情けない状況だったのである。
 北海道の今時期の花粉症の原因になるのは、シラカバの花粉である。
 そのような状況の中、新緑を求めてアウトドアに出かけるのは、命知らずといっても過言ではないのだ。(ちょっと大げさかな)

 土曜日は息子の中学校の行事である陸上記録会を見学しに、円山陸上競技場へと出かけた。
 息子が出場する種目は200m、午前中が予選で、それに勝つと午後からの決勝へ進むことになる。
 さっさと帰ってキャンプに出かけたいので、複雑な気持ちで応援していたが、結果は4着、かろうじて決勝進出はならなかった。(^^;
 
 5月の今時期は新緑が一番美しい季節、それでいて我が家はこの時期、あまりキャンプへは行っていなかったような気がする。小学校の運動会とか何かしら用事ができてしまうのである。
 先週も雨でキャンプが流れてしまい、今回は何が何でもキャンプへ出かけなければならないという使命感に燃えていたのだ。
 候補地には富良野の山部自然公園太陽の里キャンプ場と赤井川村のドローム・キャンプフィールドを考えていた。
 富良野の方はだいぶ前に6月に泊まったことがあるが、その時は緑が目にまぶしかった印象があり、今時期ならば残雪の残る真っ白な芦別岳と新緑、それにちょうど満開をむかえているはずの桜の花が素晴らしいコントラストを描いているだろうと想像していたのだ。
 しかし息子の行事を見に行くことにしたので、結局近くのドーロームにすることに決定した。
 こちらは初めて訪れる場所なのだが、長年の感で、ここならば絶対に新緑が綺麗なはずだと感じていたのである。

 新緑に覆われた山の風景を眺めながら車を走らせ、キャンプ場へ到着すると、美しいシラカバ林が出迎えてくれた。
 とたんに鼻がムズムズしてきたが、病院の検査でシラカバの花粉はアレルゲンではないと、一応は診断されているのだ。そうはいっても、シラカバの木にびっしりと下がっている花の房を見ると、まるで無関係とは考えられない。
 それでも、到着したときの印象はなかなか良いものがあった。
 初めて泊まるキャンプ場へ着いたとき、アリャリャー何だここはとがっかりしてしまう所と、ウワー!どこにテントを張ろうと、思わず走り出してしまうようなキャンプ場があるが、ここは間違いなく後者の方である。
 先客は2組だけ、好きな場所にテントを張ることができる。こんな状況の時は本当に嬉しくなってしまう。
 新緑の風景を独り占めできそうなちょうどいい場所を見つけて、早速テントを設営した。
 久しぶりにきれいな芝生の上にテントを張ったような気がする。なんだかんだ言っても、やっぱり芝生の上は最高に気持ちがいいのだ。

 雲に覆われていた空も、次第に青空が広がってきて、さわやかな5月の風が吹き抜ける、絶好のキャンプ日和である。
 とは言ったものの、この風に乗って花粉も沢山飛んでいるらしい。
 またまた鼻がムズムズして、たまらずに鼻をかむと、その後はくしゃみの5連発である。この繰り返しで、しまいには鼻をかむたびに鼻血まで出てくるようになってしまった。
 アウトドアを楽しむ人間にとって、本当に花粉症とは憎たらしい存在である。

 サイトのすぐ横を流れる白井川は、雪解け水による増水でラフティングのコースにでもなりそうな急流になっていたが、もう少し水量が落ちつけばここも楽しい場所になりそうである。
 芝生がこれだけきれいだと、焚き火台を使ってでも、焚き火をするのは気が引けてしまう。熱により、下の芝が痛んでしまうからだ。
 紅葉の時期にも訪れてみたい場所だが、焚き火ができないのではちょっとつらい。

 寝るときになって、新兵器の登場である。 先日、9800円で購入したサーマレストのテントマットだ。
 我が家のテントマットはこれが3代目、一番最初は幅1m厚さ1cmのアルミのロールマット、2代目はダンロップ製のテントマットで空気を入れて膨らみを調整できるタイプ、そしてこれである。
 最近は夫婦二人でのキャンプが多くなってきたので、少し良いやつを奮発したのである。
 9800円のものを3人分購入するとなると、さすがにためらってしまっていたのだ。
 さすがに寝心地は最高で、キャンプを長く楽しむつもりならば、キャンプグッズは良いものを買うに限ると感じさせられた。
 川の音を聞きながら心地よい眠りについた。

 翌朝、その心地よい眠りを破ったのはテントをたたく雨の音である。
 天気予報では日曜日は天気が崩れるとのことだったが、さすがにがっくりきてしまった。
 雨は別に平気なのだが、家に帰ってからテントを乾かすのが面倒なのである。
 外に出してあったバーベキューコンロを片づけるために、テントから顔を出してビックリ、そこには巨大な黒い犬がでーんと鎮座していたのである。
 キャンプ場の隣のホテルドロームで飼っている犬である。
 ボクは犬好きだから何ともないが、犬嫌いな人ならば卒倒してしまうかもしれない。
 愛犬フウマもびびってしまい、テントから出てこようとしない。
 図体の大きさにさすがにちょっと怖かったが、良く躾られており、ボクも一度大きな犬と遊んでみたかったので、ちょっと戯れてみた。
 さすがに大きいだけあって、その鼻面パンチを顔面にうけるとかなりの衝撃である。
 こんな犬、放しておいて良いのかー、って感じである。最初の受付の時には、犬は繋いでおいてください、なんて言っていたのに。
 でも、その時の話では、散歩の時以外は繋いでおいて、ということだったので、最近のペットに冷たいキャンプ場が多い中では貴重な存在かもしれない。
 こいつは我が家の一人娘フウマが恋しいのか、その後もテントに入りたがってしょうがないので、ホテルの犬小屋まで連れて行って繋いできた。

 その後、雨も上がって青空が広がり、新緑がいっそうその美しさを増したような気がした。
 期待どおりの新緑を楽しめた大満足のドロームキャンプであった。
 でも、相変わらず鼻がムズムズ、やっぱりシラカバは関係ないみたいだ。


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