北海道キャンプ場見聞録
朱鞠内湖ワカサギ釣りキャンプのはずが・・・
朱鞠内湖キャンプ場(4月1日〜2日)
4月になったというのに札幌の積雪は、まだ60cm以上もある。 そろそろ春が恋しくもなってくるが、我が家にとってこれは結構嬉しい状況だったりする。 暖かくな春の陽射しの中、まだまだ雪中キャンプを楽しむことができるのだ。 でも、雪解けの心配をする必要もなく、朱鞠内湖の積雪は今時期でも2m以上、ゴールデンウィークでも雪中キャンプができるかも知れないくらいだ。 今回の目的は朱鞠内湖でのワカサギ釣り。去年、一昨年と2年連続で3月にここでキャンプをしたが、慣れない雪中キャンプに精一杯で、ワカサギ釣りはついでに糸を垂らすような感じだった。 それでも十分な数が釣れてしまうくらい、ここの湖は良く釣れるところなのである。 今年になって早くも3回目のキャンプ、雪中キャンプといってもそれほど緊張もしなくなってきたところで、今回の目的はキャンプじゃなくてワカサギ釣り一本に絞っていた。 週末の天気は、またしても全道的に雪模様との予報である。 さすがにちょっと気が滅入ってしまうが、雪中キャンプの場合、最初から雪の中でキャンプをするのだから、空から雪が降ってきても全然関係ない、なんてむちゃくちゃな理由で決行することにした。 前夜からの雨が雪に変わる中、キャンプ道具を積み込んで札幌を出発した。毎度のことながら、この時期にキャンプへ出かける姿を人に見られるのは何となく気恥ずかしいので、人目をはばかり夜逃げのように出かけるのである。 いつものパターンだと札幌をでるときは晴れていても、朱鞠内湖に近づくにしたがって空模様が怪しくなってくることが多いのだが、今回はその逆だった。 次第に青空が広がり、風もなく、数日前に積もったらしい新雪が白く輝き、申し分のない雪中キャンプ日和、いや、ワカサギ釣り日和である。 朱鞠内湖の湖畔へ出る最後の坂道を上るとき、いつも以上に心がときめいてしまう。 坂道を上り終わると、湖の氷上には色とりどりのワカサギ釣りのテントが・・・、見えるはずだった・・・。 ガ〜ンッ! 湖の手前には、「ワカサギ釣りは3月で終了しました。危険ですので湖には立ち入らないで下さい。4月1日〜30日までは全面禁漁です。違反した者は罰せられます。」と書かれた看板が非情に立ちはだかっていたのである。 妻はかなりショックを受けたみたいだが、ボクの場合、それほどワカサギ釣りにはこだわっていなくて、こんなに良い天気の中でキャンプができるのならば、それだけで十分だ。 でも、これで天気が悪かったりしたら、キャンプをしないでそのまま引き返していたかも知れない。 釣りが中止になって暗くなるまでの時間を持て余すかとも思ったが、雪中キャンプは何かと忙しい。 妻のトイレ用の雪穴を掘ったり、雪でテーブルベンチを作ってみたり、夕食用のキムチ鍋をじっくりと作り込んだりと、する事はいくらでもある。 ちょっと残念だったのが、缶ビールを一人一本分しか持ってこなかったことだ。 設営完了後にこの1本を飲んでしまい、真っ白な雪の中に寝っころがって、澄み切った青空を眺めながら、「あーあ、もう1本飲みたいなー。」と、しみじみと考えた。 夜の気温はマイナス2度、テントの中でキムチ鍋を食べながらワインを飲んでいると、寒さなんか少しも感じない。 ただ、下が雪面のため足だけは冷たくなってくるので、長靴の中に入れておける小さな足用の携帯カイロを用意しておいた方が良いかも知れない。 冬のキャンプで唯一の欠点が、テント内の結露がひどいことだ。 テント内で煮炊きをするせいもあるが、翌朝はテントの内側は霜でバリバリ、気温が上がるとびしょ濡れである。 家に帰ってからテントを乾かすのに一苦労してしまう。 4月とは言ってもさすがに朱鞠内湖、気温はマイナス10度まで下がった。 夜中に少し雪が降ったみたいだが、起きたときは青空がのぞいていた。 この冷え込みの中なら、朝日の姿もきっと素晴らしいぞ、と嬉しくなってしまう。 夜遅くまで騒いでいるキャンパーが多いが、キャンプに来たときくらい早寝早起きをして、朝の清々しい空気を味わってみてほしい。 期待どおりの美しい朝日だったが、特に太陽が朝靄に覆われた数分の間、辺りは不思議な色に染められ、感動的な風景に出会うことができた。 「何が楽しくてそんなにキャンプに行くの。」と、よく聞かれるが、家の中でゴロゴロしているだけでは、こんな風景には絶対巡り会えないのである。 昨夜のキムチ鍋の残りにウドンを入れた朝食をとっていると、いつのまにか細かな雪が降り出した。 テントの中で暖かなキムチウドンを食べながら、そんな風景を眺めていると、これってすごく贅沢なキャンプだなー、と感じ入ってしまう。 でも、キャンプに興味のない他の人が見たら、惨めで貧乏くさい姿にしか見えないんだろうなー。(^^; |
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