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羊蹄山風雪キャンプ

羊蹄山自然公園キャンプ場(3月18日〜19日)

 1週間前は温泉ホテルに泊まり、ぬくぬくとした幸せな時を過ごしていたというのに、またまたいつものキャンプ生活に逆戻りだ。
 これまでの3回の雪中キャンプで、厳しい冷え込みや、キャンプ場以外の見知らぬ場所でのキャンプ等を体験してくると、雪中キャンプも別に普通のキャンプと大して変わらないなー、なんて気持ちになってきた。今回のキャンプも、別に何の気負いもなく、「今週はキャンプにでも行こうか」って感じで決めてしまったのである。
 なんだか、ますます皆から白い目で見られそうで、心配な気もする。

 今回のキャンプでは、珍しく息子が、キャンプに行くかなーと言い出した。その理由は部活を休みたいという、それだけだったのだが。
 「土曜日の部活を休んで一緒にキャンプに行くか、部活に出てキャンプを休んで日曜日はのんびりとゲームでもするか、どっちにしようかな。」
 この言葉を聞いて、思わず目が点になってしまったが、結局いつもどおり彼は後者の方を選択することになった。
 我が家の息子は夏のキャンプには全く興味を示さなくなったが、雪中キャンプだけは別らしい。やっぱりこいつも親の血を少しは引いているみたいだ。(^^;

 最初はニセコのサヒナキャンプ場を予定していたのだが、先週の温泉ホテルに行くときについでに寄ってみたところ、しんしんと降りしきる雪の中、白く雪化粧したトドマツの美しい姿が強く印象に残っており、迷った末にこちらにすることにした。
 登山者用に駐車場も除雪されているので、雪中キャンプには申し分の無い場所だ。
 ただ、天気予報は、低気圧が近づいており夕方から雪が降り出し風も強く、翌日も次の低気圧が近づいて・・・。ちょっとくじけそうになったが、最近は天気予報だけでは予定を変更しないことにしている。
 あきらめの悪い性格なものだから、中止したのに天気が崩れなかったりしたら、「アー、やっぱり行けば良かったなー、フー・・・、ハー・・・」と、空を見上げては一日中ため息をついているのである。
 そんな気持ちをするくらいならば、風が吹こうが雨が降ろうが、実際に現地へ行った方が良いのだ。
 妻もそんなボクの性格を良く知っていて、一日中隣でフーハー言われ続けては堪らないので、最近はめったに反対することは無くなってきた。

 幸い、到着時は曇り空ながら、時折薄日も射すようなまずますの天候で、テントの設営も楽にすることができた。前回の能取岬の時とは違って気温も高いので、サイトの雪もちょうど良く踏み固めることができる。
 冬のキャンプでも設営後のビールはやっぱり美味い。
 その後、スノーシューで周辺を散歩していると、突然、激しい雪が降り出してきた。大急ぎで引き返してきたが、さすがに豪雪地帯だけあって、その降り方は半端じゃない。見る見るうちにテントに雪が積もっていく。我が家のテントはドーム型とは言っても、上の方が平らに近いので、雪が滑り落ちないのだ。
 ちょっと心配になったが、幸い雪の降り方も少し弱まってきた。しかし、その後には風も次第に強くなり、おまけに夜中には雷の音まで聞こえてきた。
 それでも、テントさえ張ってあれば、何の心配もない。気温もあまり下がらず、テントの中は、ランタンやストーブのおかげで10度近い温度だ。かえって秋のキャンプの方が寒い思いをしているかも知れない。

 そんな天気の中、駐車場では山登りのグループらしき人が到着して、駐車場の中にテントを設営し始めた。
 冬のキャンプといっても、彼らにとっては別に大したことでは無いのだろう。でも、彼らにとって、山に登る目的もないのに、好き好んで雪の中でキャンプをしている人間はどのように見えるのだろうか。
 その前に登山の下見にやってきた風の中年のおじさんに、これから山に登るのですかと聞かれ、いいえただのキャンプですと答えると、呆れた顔をされてしまった。

 翌朝も気温はマイナス3度、寝ている間も全く寒い思いはしなかった。
 前日は雲に隠れて見えなかった羊蹄山も、曇り空ながら山頂まで顔を出している。
 スノーシューを履いて、登山口付近の森の中に踏み行ってみたが、素晴らしい景色である。夏の間は入り込めないであろう森の中を自由に歩き回るのはとても良い気持ちだ。
 テントに戻ってのんびりとコーヒーを飲んでいると、前日の登山のグループがそれぞれ重たそうなリュックを背負って出発した。前夜は歌を歌ったり大騒ぎしていたので、天気が悪いので登山は中止にしたのかな思っていたのだが、そのパワーには驚かされてしまう。
 やっぱり山登りの人達にはかなわないのだ。


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