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忠別川(2017/08/19)

17トンてどれくらい?

カヌークラブ例会初日は忠別川。
道内の川が何処も水不足の中、忠別川は忠別ダムからの一定の放流があるので水量が安定している貴重な川である。
ところが今回はその放流量は17トン。

2年前にここを下った時は22.7トン。
多分17トンという数字は、忠別ダムからの放水量としては最低レベルかもしれない。
初めて忠別川を下ったのは10年前。
その時のダムの放水量は記録していなかったが、写真を見ると水はかなり少なく、恐らく今回と同じ程度かと思われた。

今乗っているフリーダムで初めて川を下ったのが、10年前の忠別川である。
そしてその時に岩に張り付いて、買ったばかりの新艇に皺がよってしまったのである。
その皺は今でもはっきりと残っている。


辰野さんを囲んで記念撮影

水は少なそうだけれど、天気は最高。
前泊地のひがしかぐら森林公園キャンプ場から、集合場所のひがしかわ道草館へ。
次々とメンバーが集まってくる。

そこへ現れたのが、モンベル創業者の辰野さん。
東川ではモンベルが協賛するSEA TO SUMMITが開催されるので、その関係で来道していたのだろ。
気さくな方で、私がカメラを向けると「皆で一緒に撮りましょう」と向こうから誘ってくれた。

撮影場所は勿論、モンベル大雪ひがしかわ店の前で、写真の中心はマスコットのクマさん。
そこはさすがに経営者である。

そこからスタート地点の志比内橋まで移動。
点呼をとって初めて、今回の参加者が22名であることが分かる。
クラブの例会やミニ例会は自由参加なので、何時も点呼をとるまで何人集まるかも分からないのだ。


志比内橋の下で出発前のミーティング



志比内橋下流の瀬

スタートして直ぐに瀬が現れる。
10年前は、ここでいきなり岩に張り付いてしまったのである。

今回は余裕をもって下って、皆の写真を撮す。
7月例会のように参加者が40名ともなると、全員の写真を撮るのも一苦労だが、今回くらいの人数ならば楽である。
水がキラキラと輝いて、シャッターを切るのも気持ちが良い。

次の瀬では、下った先で待ち構えていた倒木に危うく引っ掛かりそうになった。
忠別川は河川敷の中で、右へ左へと何度も流れが変わる。
その流れが変わるところが瀬になっていって、その瀬が岸にぶつかるところでは必ずと言って良いほど倒木などが待ち構えているのだ。
そんな瀬の川底は石が多く、座礁しないように下るルートを考えなければならない。


こんな感じの瀬が次々に現れる



川底が岩盤になっている瀬が続く

同じ様なパターンの瀬を幾つも越えていくと、突然前方の川の色が茶色っぽくなってきた。
川底全体が薄茶色の岩盤になっているのだ。

その岩盤が複雑にうねっているので、川全体が瀬になっている。
所々に浅くなっているところもあるので、ここでも下るルートに気を付けなければならない。

今までの瀬は部分的だったけれど、この岩盤の瀬は延々と続き、途中にエディも無い。
ようやく止まれそうなところを見つけて写真撮影。
薄茶色い川の中に白い波が立ち、なかなか美しい風景だ。
下っていても気持ちが良い。


今回の水量ならば恐怖感もなく爽快に下れる



前方の様子をうかがいながら下っていく

再び岩盤の瀬が現れる。
落ち込みになっているところでは結構大きな波も立っている。

最初はそんな場所は避けるようにしていたけれど、今日の水量ならばそこに突っ込んでも大したことは無い。
途中からは敢えてそんな場所を狙って下っていく。

そんな岩盤の瀬が緩やかになったところで、昼の休憩にする。

サップのIくらさんが、ボードの上に寝そべってゆっくりと流れていく。
カナディアンでも舟の上で仰向けに寝転ぶことはできるけれど、ここまでリラックスした体勢にはなれない。


岩の上で休憩中

サップの上で休憩中


 
休憩を終えて再び岩盤の瀬を下っていく。
発電所の管理用の橋の下を過ぎると、流れが緩やかになる。
いよいよこの先で、一番の難所である堰堤越えが待っているのだ。


手製カートに3艇積みでポーテージ

I山さんが上陸地点を探して、そこから皆で協力してカヌーを陸に引き上げる。
そして「あれ?」と思った。
その場所は、堰堤横の広場。

確か前回は、陸に上がってからこの場所まで苦労してカヌーを運んできたはずである。
それが今回はいきなり広場に上がってしまったのだ。
これならばポーテージ距離は100m程度。
私が皆のカヌーを引き上げる手伝いをしている間に、かみさんが一人で舟を引きずってポーテージを終わらせてしまっていた。

カナディアンのメンバーには、堰堤でのポーテージが大変なのでカヌーカートを用意した方が良いとアナウンスしておいた。
実は、そう言っていた当人がカヌーカートを忘れてきていたのである。
ポーテージ距離が想定外に短かったのはラッキーだった。


無理しなくても林の中からもっと楽に下ろすことができる

ポーテージ距離は100m程度


 
熊五郎さんやH池さん達は、それでも持ってきたカヌーカートを利用する。
100mの距離でも、重たいカナディアンのポーテージにはカートがあった方が楽なのは確かである。

堰堤下流の川底にも岩盤が広がっている。
川幅も広がっているので、必然的に浅瀬が多くなり、下るルートを探すのに気が抜けない。


堰堤ポーテージ後、暫く岩盤の浅瀬が続く


そこを過ぎた先にもまた同じ様な瀬が現れる。
下り始めた頃には瀬と瀞場が交互に現れていたが、この辺ではもう瀞場というものがほとんど無く、全部が瀬と言っても良いだろう。


こんな瀬が延々と続いている

何度か小さなエディに入って写真を撮るが、自分が下るのに忙しくて、他のメンバーの写真を撮っている余裕は無い。
と言うより、下っている方が楽しいので、撮影は二の次なのだ。

次に現れた岩盤の瀬は迫力のある波があちらこちらで立っていた。
良い写真を撮れそうだったが、入れそうなエディが無いのでただひたすら漕ぎ続けるしかない。
一気に500m近く下って、ようやく一息付ける川原が現れた。

そこから先も瀬は続くが、今までのように長く続く瀬は無くなり、楽に下っていける。
川の向きが変わって、時々太陽を正面に見るようになる。
そうなると、川全体がキラキラと輝き、眩しくてしょうがない。


夏の空には少女の横顔が浮かんでいた



堰堤の手前で上陸

空には夏の雲が浮かんでいる。
かみさんが「少女の横顔に見える」という。
私も直ぐにそれが分かった。

東橋が見えてきた。
河川敷にはパークゴルフ場が広がり、そこでプレーしている人達の姿も川の上から確認できる。

そこを通り過ぎて大きな堰堤の手前で上陸。
水が増えて流れが速くなれば危険かもしれないけれど、今日は余裕をもって上がることができる。

17トンの忠別川はとても楽しめる川だった。
この後は美味しいビールを味わうだけ。
ひがしかぐら森林公園キャンプ場を目指して車を走らせた。



(当日12:00忠別ダム放水量 17.0トン)



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