紀伊半島の旅にカヌーを持っていこうと考えた時、最初の候補地に選んだのが北山川だった。 スタート地点は、瀞峡ウォータージェット船の乗り場のある田戸。 しかし、問題点が一つあった。 ただの急な階段ならば大丈夫だと思うけれど、瀞ホテルの建物が迫った途中の狭い場所で、その階段が直角に折れ曲がっているのである。 瀞峡を過ぎた先の小川口という場所からなら簡単にカヌーを出せるので、下る区間を短縮しようと考えた。 熊野古道の小辺路を3泊4日で縦走した後、次のイベントとして北山川のダウンリバーを計画した。 もちろん、下る区間は小川口から。 |
直線部分の階段は何とかなりそうだけれど、その先が問題 |
スタート地点の小川口にカヌーを下ろしてから、車で上陸地点の志古へと移動。 最初はバスでの移動を考えていたけれど、適当なバス路線が無くてどうしようかと悩んでいた。 一般的な観光客は、志古から田戸まで往復でジェット船を利用する。 小川口で船を下りると、乗っていた観光客の皆さんが手を振ってくれたので、こちらも手を振って船を見送る。 |
乗船場と言ってもただの河原だ、乗客から手を振って見送られる |
雨の影響で、北山川の水は少し濁り気味だった。 川を下り始めて直ぐ、カヌーの底に水が溜まっているのに気が付いた。 何せ、今年になって初めてカヌーを浮かべるのだから、穴が開いていても不思議ではない。 おまけにウッドガンネルのささくれが爪の間に刺さって出血してしまった。 |
上流部ではこの岩壁がベストビューポイントかも |
気を取り直して再び下り始める。 たおやかな周りの山々に広々とした川原。 整然とした杉林こそ北海道では見かけない風景だが、全体の風景は北海道の鵡川に似ている気がする。 |
穏やかな風景の中をのんびりと下っていく |
途中の川原に上陸。 焚き火用の流木も豊富に転がっている。 私達の乗ってきたジェット船が、田戸で折り返して下ってきた。 しばらくすると、今度は上りのジェット船がやってきた。 |
ジェット船が大きな波を建てながら通過していった |
川原での昼食も済ませて再び下り始める。 山肌に張り付くように家の並ぶ集落が見えてきた。 その後も、下るにしたがって次々に変わっていく風景に見惚れる。 大きく蛇行していた川の流れが南に向かうと、向かい風に悩まされるようになってきた。 |
見上げるような岩壁 | まだまだ美しい紅葉が残っていた |
小船梅林前の川原に上陸。 そこから先で北山川は熊野川と合流する。 合流後もしばらくは、二つの川の水は混ざり合わないまま2色のままで流れていたが、最後には川全体が茶色く濁ってしまった。 川の水量も一気に増え、それが茶色に濁っているとあまり気持ち良くはない。 初めて下る北海道以外の川だったけれど、瀞峡をパスしたおかげで、ちょっと印象に欠ける川下りとなってしまった。 2016年4月20日 晴れ |
熊野川に入ると水は茶色 | 志古の発着場に上陸 |
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